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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/05/19 13:04, 提供元: フィスコ

ウイングアーク Research Memo(4):2026年2月期は増収増益を予想(2)

*13:04JST ウイングアーク Research Memo(4):2026年2月期は増収増益を予想(2)
■ウイングアーク1st<4432>の今後の見通し

2. 中期経営目標の進捗状況
● 中長期の成長戦略
コロナ禍を機にDXが進み、企業は引き続き働き方改革や新しい環境での競争力強化を図るためDXを推進している。また、2022年1月にリモートワークやペーパーレスを後押しする改正電子帳簿保存法が施行され、企業間取引に関する文書の電子化も急激に進展した。同社は、このような市場の大きな変化をチャンスと捉え、2022年1月に5ヶ年の「中期経営方針」を発表した。「企業のDXを推し進めるデータプラットフォームの実現」を柱に据え、主にクラウドビジネスでの大きな成長を目指す計画である。

「中期経営方針」の最終年度となる2027年2月期までの目標は、「クラウド成長率40%(2022年2月期〜2027年2月期平均)」「リカーリング比率75%」「クラウド比率40%」「EBITDA120億円」である。ただ、目標は、2022年時点のオーガニックな部分の成長のみが織り込まれており、それ以降にM&Aを行った事業等の業績は「中期経営方針」に織り込まれていない。

具体的な取り組みは、(1) クラウドビジネスの拡大、(2) リカーリングビジネスの拡大、(3) グループ経営基盤の強化である。

(1) クラウドビジネスの拡大
企業のDXへの取り組みが広がるなか、迅速な導入が可能で初期コストが低く、ほかのシステムとの連携が容易なクラウドサービスの市場は拡大している。現在の同社グループの売上収益の大半はソフトウェアから生み出されているが、同社は「中期経営方針」でクラウドをベースとした「企業のDXを推し進めるデータプラットフォームの実現」を掲げた。2022年2月期から2027年2月期のクラウド売上の年平均成長率40%及び2027年2月期の全社売上に占めるクラウド売上比率40%を目標としている。

(2) リカーリングビジネスの拡大
同社グループは、「リカーリングビジネス」を推進している。「リカーリングビジネス」の利点は、業績の安定化、業績の予見性の向上、顧客とのリレーションシップの維持などであるが、顧客の維持管理コストの増加といったデメリットもある。そのため、同社は「リカーリングビジネス」に特化した部署を組織し、離脱防止対策を行うとともに、顧客への追加商材の提案による売上の向上を目指している。今後も売上の拡大とともに当該比率の向上を目指す考えである。

(3) グループ経営基盤の強化
同社グループは2013年9月の非上場化以来、経営基盤の強化に取り組み、グループの再編(子会社の統合、非コア事業の売却)、社内基幹システムの再構築、経営管理システムの高度化、各種顧客管理業務のシステム化などを推し進めてきた。「中期経営方針」の目標達成に向け、クラウドサービスの立ち上げや強化を行う計画で、精緻な業績管理が求められる。また、業容拡大を目的としてM&Aで獲得した海外を含む子会社についても、一体となった管理体制が求められる。同社グループはこれに対応すべく社内のDXを推し進め、グループ各社の経営状況をタイムリーに把握することで、適切な対策を早期に打てる体制の強化に取り組む。

(4) 「中期経営方針」3期目の実績と4期目の計画
「中期経営方針」3期目の2025年2月期はクラウド成長率が22.5%、リカーリング比率が60.9%、EBITDAが96.5億円となった。4期目となる2026年2月期においてはクラウド成長率16.9%、リカーリング比率64.5%、EBITDA104.0億円を計画しており、最終年度に向かって着実に実績を積み上げる計画である。

また、戦略投資については当初3ヶ年で55億円の投下を計画していたが、2025年2月期までの3ヶ年累計で51.8億円の着地となった。主にクラウドサービスの開発と販売施策に資金投下し、今後のクラウド売上の拡大を目指す。

3. 足元の状況
戦略投資はおおむね計画並みで、3ヶ年累計では55億円の計画に対し51.8億円の着地となった。内訳は、おもにクラウドサービスの開発と販売施策に資金投下し、クラウド売上高の拡大に寄与した。主要KPIに対する進捗状況は、2025年2月期のクラウド売上高は前期比22.5%成長し、クラウド比率は18.3%と前期比1.7ポイント向上した。なかでも、「SVF Cloud」は契約社数の増加以上に伸びた。「MotionBoard Cloud」「Dr.Sum Cloud」も契約社数の増加に伴い増収となった。

4. 最終年度に向けて
最終年度となる2027年2月期に向けてクラウドや生成AIを中心としたビジネスの拡大に加え、公共関連でも、自治体情報システムの標準化といった市場の拡大が進むことなどから、今後の動向が注目される。とりわけ、大企業向けパブリッククラウドサービスと同社クラウドサービス「invoiceAgent」「SFV Cloud」との連携強化や2025年末にリリース予定の「MotionBoard」「Dr.Sum」の新バージョンも期待できる。さらに、2024年5月に買収したトライサーブや、ウイングアークNEX<4432>の完全子会社化(2025年6月30日取得予定)による公共領域の拡大が期待できる。中計発表当初、見込んでいなかった新規M&A会社の収益寄与にも期待したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 井上 康)


《HN》

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