トレーダーズショップ
トップかごを見るご注文状況このページのPC版


フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/06/19 15:03, 提供元: フィスコ

株式会社ケイファーマ×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(3)

*15:03JST 株式会社ケイファーマ×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(3)
ケイファーマ<4896>

背景として、iPS細胞を用いた医療の市場規模について触れておきます。Arthur D Littleの分析によれば、iPS細胞関連の市場は2040年に約6.1兆円に達する見込みです。右側に示しているのは再生医療市場で、こちらは2050年には約38兆円に拡大すると予測されています。これらが当社のビジネスのバックグラウンドにあります。

先ほどご紹介しようとしたiPS細胞です。大阪・関西万博でも展示されている内容については、現地で実際に見ていただければと思います。本日は別の内容をご紹介します。

現在、当社ではALS、つまり筋萎縮性側索硬化症の患者由来の細胞からiPS細胞を作製しています。ALSは運動神経が障害される疾患で、筋肉を動かすことが困難になります。当社の技術では、患者から得た細胞をもとに、運動神経細胞をシャーレの中で再現することができます。これは大きな特徴です。さらに、パーキンソン病や前頭側頭型認知症(FTD)といった特定の神経疾患に対しても、それぞれ異なるタイプのニューロンをコントロールしながら製造できる技術を持っています。これらの技術はすでに論文として発表しています。ただし、実際に運用するとなると簡単なものではありません。それでも、私たちはその技術を確立しており、着実に実績を重ねています。

●はっしゃん
質問してもよろしいでしょうか。iPS細胞からの技術は御社の得意分野かと思います。筋肉が動かなくなるような疾患、そして認知症のように脳がうまく機能しなくなる疾患についてですが、私はこれらは別の種類の病気だと考えていました。しかし、どちらも脳やニューロンが関係しているという理解でよろしいのでしょうか。

■ケイファーマ 福島様
おっしゃる通り、それぞれに特異的なニューロンが存在します。運動ニューロンは筋肉を支配する神経で、足の先までつながっています。この運動ニューロンが何らかの原因で損傷すると、神経が正常に機能しなくなります。その結果、末端にある筋肉が動かなくなり、足が動かなくなるだけでなく、言葉が話せなくなったり、呼吸ができなくなったりします。これがALSという病気の特徴です。

当社が現在リードしているパイプラインについてご紹介します。先ほど申し上げたiPS創薬の分野では、ALSがまもなくフェーズ3の臨床試験に入る段階にあります。一方で、再生医療の分野では、脊髄損傷を対象とした細胞移植の臨床研究が昨年末に終了しました。その結果の一部が出ていますので、後ほどご紹介します。

パイプライン全体はご覧の通りです。上段が「iPS創薬」、すなわち薬として服用または注射で投与する製品群です。ALSに加えて、FTD(前頭側頭型認知症)、ハンチントン病についても、現在治験の準備を進めています。さらに、フェリチンの異常蓄積によって神経に悪影響を与える疾患や、一部のアルツハイマー病、難聴などについても、学術機関と連携して研究を進めています。もう一つの柱である再生医療、すなわち細胞治療の分野では、脊髄損傷が対象となっています。国内では年間約6,000人が発症し、約15万人が後遺症を抱えていると推定されています。

さらに大きな対象として、慢性脳梗塞があります。こちらは患者数が約130万人に上り、いまだに有効な細胞治療が確立されていません。

●はっしゃん
初心者的な質問になってしまうかもしれませんが、「パイプライン」という言葉についてお伺いしたいです。実はこの「パイプライン」という言葉は、創薬系のベンチャー企業など限られた業界でしか使われない専門用語のように感じています。一般的には「プロジェクト」や「案件」といった表現のほうが馴染みがあるように思います。この「パイプライン」という表現は、それぞれの研究開発項目が第1段階、第2段階といったように順を追って進んでいく構造になっているため、「パイプ」のように連なっているイメージからそう呼ばれている、という理解でよろしいでしょうか。

■ケイファーマ 福島様
そのような理解で問題ありません。

●はっしゃん
ありがとうございます。では、御社のパイプライン一覧を拝見すると、第2段階まで進んでいるのがALSと脳梗塞を対象とした薬剤ですね。これらはいずれも承認まで残り2段階となっており、非常に進捗が進んでいる印象を受けました。御社が上場された背景には、これら2つの有望な薬剤に将来性があると評価され、上場を通じてさらに開発を加速させるという意図があったのではないかと考えています。そして今後は、残る2段階を乗り越えて承認取得を目指していく、という理解でよろしいでしょうか。

■ケイファーマ 福島様
はい。その理解で正しいです。さらにお伝えしたかったのは、今後のパイプラインについても同様の手法で開発を進めているという点です。臨床段階に進むことで、企業としては2つ目、3つ目のプロジェクトも着実に動いているというイメージを持っていただきたいと考えています。

●はっしゃん
ありがとうございます。

株式会社ケイファーマ×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(4)に続く


《MY》

記事一覧

  • 2025/06/19 20:09:【お知らせ】これをもちまして、本日の東京からの市況配信は終了させていただきます
  • 2025/06/19 18:50:欧州為替:ドル・円は底堅い値動きを保つ
  • 2025/06/19 18:21:19日の香港市場概況:ハンセン2.0%安で3日続落、医薬セクターに売り
  • 2025/06/19 18:15:日経平均テクニカル: 4日ぶり反落、「陰の大引け坊主」も5日線割れ回避
  • 2025/06/19 17:40:東証グロ−ス指数は4日ぶり反落、買い一巡後は利益確定売り優勢
  • 2025/06/19 17:37:プラチナは1300ドル超えか? サンワード証券の陳氏
  • 2025/06/19 17:25:欧米為替見通し: ドルは下げ渋りか、米国市場休場のため、主要通貨の為替取引は動意薄の見込み
  • 2025/06/19 17:10:テラスカイ Research Memo(10):2026年2月期は無配継続。内部留保充実により配当検討の余地も
  • 2025/06/19 17:09:テラスカイ Research Memo(9):2026年2月期も受注好調により、2ケタ増収増益を見込む
  • 2025/06/19 17:08:テラスカイ Research Memo(8):財務基盤の強化が進み、収益性も向上
  • 2025/06/19 17:07:地政学リスク警戒で利食い優勢【クロージング】
  • 2025/06/19 17:07:テラスカイ Research Memo(7):ソリューション事業は2ケタ増収増益、製品事業は増収効果で損失額が縮小
  • 2025/06/19 17:06:テラスカイ Research Memo(6):2025年2月期はSalesforce関連の伸張により大幅増収増益を達成
  • 2025/06/19 17:05:テラスカイ Research Memo(5):Salesforceの導入支援で国内トップクラスの実績と人材を持つ
  • 2025/06/19 17:04:テラスカイ Research Memo(4):ソリューション事業が売上高の90%以上を占める
  • 2025/06/19 17:03:テラスカイ Research Memo(3):パブリック・クラウドサービス市場は年率2ケタ成長が続く見通し
  • 2025/06/19 17:02:テラスカイ Research Memo(2):Salesforceを主軸に展開するクラウドインテグレーション企業
  • 2025/06/19 17:01:テラスカイ Research Memo(1):Salesforce関連の受注好調。2026年2月期も2ケタ成長の見込み
  • 2025/06/19 16:55:19日の中国本土市場概況: 上海総合0.8%安で反落、不動産や医薬に売り
  • 2025/06/19 16:39:日経平均寄与度ランキング(大引け)〜日経平均は4日ぶり反落、東エレクやアドバンテストが2銘柄で約135円分押し下げ