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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/09/24 12:05,
提供元: フィスコ
ヤマタネ Research Memo(5):2026年3月期は、基盤整備のための各種投資を継続しながら大幅増益を予想
*12:05JST ヤマタネ Research Memo(5):2026年3月期は、基盤整備のための各種投資を継続しながら大幅増益を予想
■ヤマタネ<9305>の今後の見通し
1. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の業績予想について、同社は2025年8月1日付で上方修正を発表した。売上高88,870百万円(前期比9.8%増)、営業利益5,520百万円(同46.0%増)、経常利益5,300百万円(同45.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,870百万円(同57.5%増)と、増収・大幅増益を見込む。
売上面について、食品カンパニーにおいては、コメの需給状況は政府の備蓄米放出対応等で若干軟化したものの、コメの生産量増加といった根本的な課題解決には至っていない。また、販売価格の水準は2026年3月期も継続する見通しで、大幅増収を見込んでおり、全体の業績をけん引することになりそうだ。コメ卸売販売業において、価格転嫁を適宜進めたことが上方修正の一因となった。
利益面では、食品カンパニーで原料調達コスト増を見込む一方、適切な価格転嫁でこれをカバーする。一方、物流カンパニーでも物流コストの価格転嫁を進めるほか、物流不動産流動化により大幅な増益を予想する。情報カンパニーは前期に計上したオフィスライセンスの一括購入費用の剥落、不動産カンパニーは山種不動産の吸収合併費用がなくなることなどが追い風となる。加えて、同社は2025年4月よりカンパニー制への移行に伴い、各カンパニーにおいて決裁権限が移譲されたことにより経営判断のスピードアップを図り、全社としてはバックオフィス効率化のための投資を計画している。また、人的資本投資拡充のため人事制度の大幅刷新の検討や、次世代経営人材の育成等に向けた研修制度の投資を行う予定だ。これらの投資を織り込んでも、大幅増益を見込む。
親会社株主に帰属する当期純利益については、物流カンパニーにおける山下埠頭営業所から本牧埠頭営業所へのリプレイスにかかる撤去費用及び移転に関する受取補償金の計上や投資有価証券の売却、山種不動産の吸収合併に伴う非支配株主に帰属する当期純利益の減少といった理由も影響する公算である。
2. セグメント別の業績見通し
物流カンパニーでは、一部荷主の解約影響はあるものの、物流コスト上昇分の価格転嫁が進む見込みだ。利益面では価格転嫁の効果に加え、物流不動産の流動化による事業益も見込む。部門施策としては、収益力強化のため本牧新倉庫を含む既存倉庫の稼働率向上に注力する。また、HHESからの事業譲受に基づく機密文書保管・電子化などのアーカイブズ事業を拡大する。SCM推進部を中心に、顧客の物流効率化や高度化へのサービス拡充を図り、特に食品カンパニーとのサプライチェーン最適化に注力する。
食品カンパニーでは、2025年3月期のコメの仕入・販売価格の傾向が2026年3月期も継続する見通しであることから、大幅増収を計画する。コメの原料仕入コスト上昇のほか、令和7年産のコメの生産・流通量の見通しが難しく、不透明な面はあるものの適宜適切に価格転嫁を進めて対応する方針だ。
重点施策としてコメ卸売販売業ではコメの安定供給のための計画的な販売に努めるとともに、新規顧客開拓にも注力する。2024年9月に設立した農業生産法人(株)ブルーシード新潟では、2026年3月期は農業IoT導入による生産性向上や農業機械の効率的な運用、新たな栽培技術・資材の導入により、稲作の栽培体系全体を最適化し、生産コスト低減を進める。また、新マーケット創出を本格的に進め、高収益モデルの確立を目指す。持続可能な農業の実現に向け、2025年7月に同社及びブルーシード新潟が共同出資した、三重県の大規模生産法人であるアグリベース辻からは大規模生産営農ノウハウを、同年8月に子会社化した農産ベストパートナーからはECサイトでのコメの販売ノウハウを獲得する。これらの施策によるコメの原料生産・仕入強化に加えて、儲かる農業の仕組みづくりを活発化し成長を図る。さらに産地との関係強化の一環として、産地の課題解決にも引き続き取り組む。2025年4月にはJA新みやぎ及びトレ食(株)との間で未利用バイオマス(籾殻等)の有効活用に関する協定を締結しており、コメの生産で排出される籾殻からセルロースを抽出し、販売する事業を推進する。生産面では印西精米センターの品質向上や効率化によるコスト削減に取り組む。ショクカイについては、給食事業得意先の業態変化への対応や、デリカ事業の一層の成長とビジネスモデルの確立、商品ブランドの再構築と育成等に取り組むほか、コメ卸売販売業が持つスーパー等小売店とのネットワークの活用等によるクロスセルを強化し、シナジー創出を図る。
情報カンパニーは、SEの客先常駐による案件の一部縮小が見込まれるものの、売上高への影響は微減に留まる見込みだ。利益面では2025年3月期のオフィスライセンス一括購入費用の剥落により、反転する見通しである。重点施策として、汎用機基盤の開発・運用業務の拡大に向けて、技術者の確保や提携先とのさらなる関係強化を図る。特に大型案件を多く抱える大手SIerとの関係深化を目指す。またヤマタネグループ内でのDX支援を通じて物流・食品業界特有のシステム課題解決ノウハウを蓄積し、顧客向けサービスの高度化に生かす。棚卸機器レンタル事業においては、引き続きスマホアプリサービスへの転換を進め、提供サービスの拡張を図る。
不動産カンパニーでは、一部テナントの解約を見込むものの、これまでの稼働率の実績から安定した収益計上が予想される。利益面では山種不動産の吸収合併に伴う登録免許税等の一時費用がなくなることにより増益を予想している。重点施策として、引き続き既存物件の高稼働率維持のため、中長期修繕計画に基づく物件の付加価値や安全性の向上策を実施する。また、再生可能エネルギーの積極的な活用や環境に配慮したオフィスビル運営により物件品質やサービスの高度化を図る。グループ全体の企業価値の向上に向けては、資産の有効活用や流動化等のCRE戦略※の高度化を推進する。越中島開発計画については、2025年5月に公表した「越中島開発グランドビジョン」で、地域貢献と株主価値の最大化を念頭に、事業パートナー選定から基本計画や解体・整備・工事、収益化までの想定スケジュールを示した。
※ CREはCorporate Real Estateの略で企業が保有する不動産を意味し、CRE戦略は企業価値向上の観点から経営戦略的視点で不動産投資の効率性を最大化する考えを表す。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
《HN》
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