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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/03/17 11:35, 提供元: フィスコ

Jトラスト Research Memo(5):日本金融事業の富裕層ビジネス拡大により、グループの増益基調を継続

*11:35JST Jトラスト Research Memo(5):日本金融事業の富裕層ビジネス拡大により、グループの増益基調を継続
■Jトラスト<8508>の成長戦略

1. 成長戦略
同社グループでは3ヶ年計画「J TRUST VISION」(2025年12月期〜2027年12月期)を推進してきた。ただ、「成長期待事業」と位置付けて推進してきた東南アジア金融事業において、成長の前提としていた経済・金融情勢がインドネシアを中心に大きく変わったため、2026年12月期より計画を中断した。

今後の成長戦略については、日本金融事業が安定的な成長ドライバーとしてグループをけん引する計画だ。日本金融事業では、信用保証事業、証券事業、不動産事業において富裕層の顧客が大きなシェアを占めていることから、グループ企業及び提携先金融機関とのクロスセルを通じて、富裕層向けビジネスをさらに拡大し増益を続ける計画だ。また、韓国金融事業と不動産事業でも安定的な利益を計上する見通しである。一方、東南アジア金融事業では、カンボジアは堅調に推移しているものの、インドネシアでは銀行の建て直しが大きな課題となっており、当面は新たな不良債権の発生抑制に注力する方針だ。以上の成長戦略により、グループ全体として増益基調の継続を目指す計画である。弊社では、今後の成長戦略の成果に期待したい。


日本金融事業はクロスセルで富裕層ビジネスを拡大
2. 事業セグメント別の成長戦略
(1) 日本金融事業
信用保証事業、証券事業、不動産事業及び提携先金融機関とのクロスセルにより富裕層向けビジネスの拡大をすることで、継続的な増益を目指す。

日本保証の債務保証残高は順調に積み上がっている。特に、日本保証、Jトラストグローバル証券、提携銀行の協業による富裕層向けローンが好調で、保証残高の増加に貢献している。同社が取り扱う富裕層向け3商品(中古アパートローン保証、海外不動産担保ローン保証、有価証券担保ローン保証)の顧客属性を見ると、平均年収は5,235万円で、うち2,000万円以上が77.5%を占める。同様に平均金融資産は15,646万円で、うち2,000万円以上が73.6%を占めている。このように、富裕層のニーズに応えるローン保証商品を展開している。

日本保証では、現状11社の銀行と提携しているが、2025年12月には楽天銀行<5838>と「投資用不動産ローン」に関する包括保証契約を締結しており、楽天銀行の商品の取り扱いを開始する予定だ。これら提携先金融機関との保証提携を通じて、富裕層向けローンの保証残高を拡大する計画だ。

Jトラストグローバル証券では、富裕層をターゲットに顧客開拓を進めており、預かり資産残高は2025年12月末には5,000億円弱に達する。預かり資産残高別の構成比を見ると、預かり資産10億円以上が28%、5億円以上10億円未満が9%、1億円以上5億円未満が23%で、預かり資産1億円以上の顧客が全体の60%を占めている。富裕層の顧客開拓を進めることで、日本保証の保証残高の増加に加え、不動産投資を提案する機会の拡大につながりそうだ。

また、不動産事業のJグランドでは、新築マンション「J-ARC」購入者のうち、年収3,000万円以上が86%を占めている。また、中古レジデンス「Vintage Residence」購入者のうち、年収3,000万円以上が65%を占めている。Jグランドが注力している富裕層向け投資用高級一棟マンションの販売事業は、日本保証の保証残高の積み上げにつながるとともに、証券投資を提案する機会の拡大にもつながりそうだ。

(2) 韓国金融事業
「再構築事業」と位置付けた韓国金融事業における利益拡大や引当金の戻入等による回復によって、安定的な再成長を計画する。韓国での貯蓄銀行2行(JT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行)は、主に個人や中小企業向け融資を中心として貸出業務を行う金融機関であり、貯蓄銀行79行のうち、同社グループの貯蓄銀行2行合計の総資産額は業界6位(2025年9月時点)である。貸出残高は底を打った状態であり、今後は厳格な貸出審査を維持しながら、黒字計上に伴う資本の拡大とともに貸出残高を増やす方針だ。両行とも預貸スプレッドは改善傾向にある。不良債権比率は、JT親愛貯蓄銀行が引当金控除後で低水準を維持しており、JT貯蓄銀行はやや高いものの不動産等の担保で保全済である。2026年12月期以降は貸出残高の増加に伴う収益増と貸倒関連費用の減少により、利益が増加する見込みである。

(3) 東南アジア金融事業
Jトラスト銀行インドネシアは、現状苦戦している。米国の関税政策の影響もありインドネシアの景気は後退しており、また景気後退に伴う金融当局の規制強化によって競合他行が同行の優良顧客を囲い込む影響を受けている。調達金利は低下傾向にあるものの、顧客離れを防ぐために低利で貸し出しており、平均貸出金利は低下している。2026年12月期には、貸倒引当金を積み増すことで営業損失を計画する。ただ、同行は日本及び韓国からインドネシアに進出している大企業向け金融で存在感を増している。今後は、提携や合併なども検討しながら、成長を模索する。

カンボジアのJトラストロイヤル銀行は、現状はタイとの国境紛争もあり、景気が後退しているためやや苦戦している。2026年12月期は小幅減益を予想するが、今後も安定的な利益を計上する見通しだ。

中断した3ヶ年計画は正式な中期経営計画ではなく、達成可能と考えられる保守的な業績予想であり、事業別に営業利益計画も開示していた。こうした中期的な収益目標を示すことは、将来の業績を見通しを踏まえて投資判断を行う投資家にとって非常に重要であると弊社では考えている。インドネシアの経済や金融環境が安定した際には、新たな3ヶ年計画の発表を期待したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)


《HN》

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