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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/03/26 12:24, 提供元: フィスコ

ソディック:工作機械回復が牽引、利益成長と還元強化に注目

*12:24JST ソディック:工作機械回復が牽引、利益成長と還元強化に注目
ソディック<6143>は、放電加工機(電気の放電で金属を高精度に加工する工作機械)で世界トップクラスのシェアを持つ工作機械メーカーだ。事業は工作機械、産業機械、食品機械、その他で構成されるが、収益の柱は工作機械事業である。単に機械を販売するだけでなく、消耗品、修理、保守、工程改善提案まで含めたソリューション型の事業構造を持ち、販売後も継続収益を積み上げやすい点が特徴だ。

2025年12月期の連結業績は、売上高805.7億円(前期比9.4%増)、営業利益42.2億円(同89.4%増)となった。大幅増益の主因は工作機械事業の回復と構造改革の進展だ。需要面では、中華圏を中心にデータセンター向け光コネクタ、電子部品、半導体、航空宇宙向けが堅調に推移した。一方で、自動車関連は日米欧で弱含みだったが、同社は中国内の生産体制見直しや拠点再編を進め、工場稼働率改善と固定費圧縮につなげた。今期の利益改善は外部環境の回復だけではなく、社内改革の成果が大きく寄与した形だ。

セグメント別では、工作機械事業が売上高583.3億円(前期比13.6%増)と全体を牽引した。高精度加工ニーズの高まりを背景に、同社の主力である放電加工機の需要は電子関連や半導体関連を中心に底堅い。産業機械事業は売上高97.3億円(同1.8%増)と増収だったが、人件費や研究開発費の増加が利益面の重荷となった。食品機械事業は売上高69.5億円(同9.7%減)と減収だったものの、高採算製品の寄与で利益は改善した。短期的な業績ドライバーは明らかに工作機械であり、産業機械と食品機械は中期的な改善余地を見込む段階だ。

2026年12月期の会社計画は、売上高885.0億円(前期比9.8%増)、営業利益55.0億円(同30.2%増)を見込む。受注残は厚く、中国でも例年の季節的な落ち込みが限定的とみられることから、少なくとも期初計画の達成確度は一定程度高いと考えられる。特に上振れ余地があるのは工作機械事業で、電子部品、半導体、航空宇宙など高精度加工を必要とする市場が継続すれば、数量増に加えて製品ミックス改善も期待できる。

同社の強みは、放電加工機を核に、コア部材や制御技術、周辺ソリューションまで一体で提供できる点にある。工作機械分野では大手総合メーカーも競合となるが、同社はコア技術の内製化を通じて高精度・高信頼性を実現してきた実績がある。このため、単なる価格競争ではなく、高精度加工や特殊用途への対応力で差別化しやすい。また、販売後の保守サービスや消耗品収入があるため、景気変動局面でも一定の下支えが効く。射出成形機を主要製品とする産業機械分野でも、光コネクタやコンタクトレンズ向けなどの指名買い領域を持ち、特定用途での競争力を維持している点は強みだ。

財務面では、2023年12月期に一時的に収益が落ち込んだものの、2024年12月期に営業黒字へ復帰し、2025年12月期は営業利益42.2億円まで回復した。自己資本比率も一定水準を確保しており、財務基盤は安定している。もっとも、投資家の視点では単なる売上成長よりも、利益率改善と資本効率改善をどこまで進められるかが今後の焦点だ。足元ではPBR1倍を下回る水準にとどまっており、企業価値改善の余地はなお大きいとみられる。

中期経営計画では、2029年12月期に売上高1,000億円、営業利益100億円、ROE8%以上、EPS130円以上、PBR1倍以上を目標に掲げている。2025年実績と比べると、売上成長以上に営業利益の拡大が重要であり、今後の戦略の軸は収益性改善にある。具体的なアクションプランは5月以降に開示予定だが、事業ポートフォリオと収益構造の見直しを通じて、企業価値向上を目指す局面に入っているといえよう。

長期的な見通しでは、引き続き工作機械事業が最も期待しやすい。放電加工機の高精度化需要に加え、金属3Dプリンタ分野の拡充も進んでおり、高付加価値領域への展開余地がある。産業機械はシェア面で大手に劣るものの、用途特化型で存在感を維持しやすく、採算性重視の成長が現実的だ。食品機械も海外の食インフラ整備や自動化需要が追い風となり、国内の更新需要と海外展開の両面から安定成長が期待できる。

株主還元では、2026年12月期の年間配当予想を1株35円とし、今後は35円を基礎水準とする累進配当へ方針転換した。さらに、中期経営計画期間の2026〜2029年度の4年間では総還元性向70%以上を目安とし、配当と自己株取得を組み合わせて資本効率の改善を図る方針だ。従来よりも株価や資本効率を意識した還元姿勢が明確になった点は評価しやすい。

総じて同社は、工作機械を中核に需要回復を取り込みながら、構造改革で収益体質を改善し、中期的には資本効率と株主還元の強化も進める局面にある。短期的には中国需要の変動や産業機械・食品機械の採算改善が論点となるが、現状では工作機械の競争力と構造改革の進展が企業価値向上の中心テーマだ。


《RS》

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