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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/04/06 12:58, 提供元: フィスコ

セーレン:一貫生産体制を強みに車輌資材が安定成長、宇宙・半導体も拡大しており、評価見直し余地

*12:58JST セーレン:一貫生産体制を強みに車輌資材が安定成長、宇宙・半導体も拡大しており、評価見直し余地
セーレン<3569>は1889年に創業の繊維メーカーであり、繊維技術を基盤に車輌資材を中核とした事業を展開している。現在は東証プライム市場に上場している。従来は染色加工中心の受託型ビジネスであったが、2000年代以降、原糸製造から織編、染色加工、機能加工、縫製までをグループ内で完結させる一貫生産体制へ転換した。これにより、グローバルで同一品質の製品を供給できる体制を確立している。売上構成比は車輌資材が約7割と主力で、そのほかハイファッション、エレクトロニクス、環境・生活資材、メディカルで構成される。

車輌資材では、カーシート向け素材が中核であり、内訳は合成皮革が約6割、ファブリックが約3割、エアバッグが約1割、そのほかインパネ・ドアパネルなどの内装加飾材である。幅広いラインナップにより、車内空間全体をトータルコーディネートできる点が競争優位性となっている。自動車OEMメーカーに対し、素材設計段階から参画する「サイド・バイ・サイド」の開発体制を構築しており、高付加価値化につなげるとともに、高いシェアを確保している。北米・メキシコの工場を中心に海外事業は堅調に推移しているほか、開拓を進めている欧州系OEM向けに拡大余地がある。本革や塩ビから環境性能や耐久性に優れる同社製合成皮革への置き換え需要も中長期の成長機会と期待される。
宇宙・半導体分野への展開も加速している。宇宙分野では小型人工衛星、レーダーアンテナ、実証衛星事業を展開する。半導体分野では、シリコンウェハ上に厚膜熱酸化膜を形成する特許技術を持ち、光通信向け用途で世界シェア約8割を確保している。半導体市場の需要拡大を背景に、2027年5月稼働予定の新工場建設を進めている。

2025年3月期は、売上高159,653百万円(前期比12.5%増)、営業利益17,865百万円(同27.0%増)、当期純利益13,887百万円(同14.2%増)となり、売上高は3期連続、利益は4期連続で過去最高を更新した。車輌資材の海外事業が北中米やアジアで好調に推移したことが増収をけん引した。利益面では、車輌資材の増収効果に加え、ハイファッションにおける価格転嫁の進展や、エレクトロニクス分野での生成AI関連需要の拡大が寄与した。
2026年3月期第3四半期は、売上高123,451百万円(前年同期比4.2%増)、営業利益15,989百万円(同17.8%増)、四半期純利益12,573百万円(同17.5%増)であった。車輌資材では国内受注の増加や海外の新規車種立ち上げが寄与し、ハイファッション及びエレクトロニクスも堅調に推移した。利益面では、車輌資材での経費削減や、ハイファッションにおける不採算商品の見直しが進展し、増益を確保した。
2026年3月期通期では、売上高172,000百万円(前期比7.7%増)、営業利益20,500百万円(同14.7%増)、当期純利益15,900百万円(同14.5%増)を予想しており、売上高・各利益とも過去最高更新を見込む。各事業の堅調な推移に加え、2026年1月にユニチカ<3103>から事業承継したNBセーレンの業績寄与を織んだうえ、業績予想を上方修正している。

同社は3ヶ年の中期経営計画を毎年ローリングで更新している。現行計画では2028年3月期に売上高168,000百万円、営業利益20,000百万円、ROE10.0%以上の維持を目標としているが、2026年3月期に達成する見通しであり、計画見直しを検討している。成長8分野(次世代車種シート、炭素繊維、人工衛星、半導体、ビスコテックス(※)など)に重点投資し、今後3年間で総額300億円を投じる計画である。これにより、当該分野の売上高を足元約800億円から2030年に1,400億円へ拡大する目標を掲げる。AIを活用した検査装置の導入などスマートファクトリー化も進め、人手不足対応と品質安定の両立を図っている。
(※)差別化商品を小ロット・短納期・在庫レスで製造し、廃棄削減に貢献するデジタル生産システム。

株主還元については、安定配当を基本としつつ、利益還元を経営上の重要課題と位置付けている。2025年3月期の年間配当は68.0円(配当性向28.1%)を実施し、2026年3月期は年間76.0円(同28.1%)への増配を予想する。一貫生産体制による安定収益基盤に加え、NBセーレンの利益貢献や宇宙・半導体・光通信といった成長分野の拡大が進展していることを踏まえると、足元のPERは低く、評価見直しの余地があるといえる。



《YS》

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