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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2026/06/12 11:41,
提供元: フィスコ
日空調 Research Memo(1):2026年3月期は主要項目で過去最高更新。中期経営計画は最終段階へ
*11:41JST 日空調 Research Memo(1):2026年3月期は主要項目で過去最高更新。中期経営計画は最終段階へ
■要約
新日本空調<1952>は、空調設備を主とした建築設備の設計・施工管理を手掛ける総合設備エンジニアリング会社である。創立から100年近い歴史があり、国内の大手空調設備会社の一角だが、特に原子力関連の空調システムにおいて高い技術力を持っている。
1. 2026年3月期業績
2026年3月期の業績は、受注工事高177,762百万円(前期比15.5%増)、完成工事高154,884百万円(同12.5%増)、繰越工事高148,747百万円(同18.2%増)、営業利益15,128百万円(同33.3%増)、経常利益15,881百万円(同32.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益12,154百万円(同25.9%増)となり、繰越工事高以外いずれも過去最高を記録した。完成工事総利益率は、好採算の工事の完工に加えて施工の効率化も進み17.6%(前期は16.0%)と改善した。一方で販管費は、人員増や職場環境の改善などにより同13.2%増と計画どおりに推移したことから、営業利益は前期比で大幅増益となった。依然として高水準の繰越工事高を維持している点は注目に値する。
2. 2027年3月期業績予想
2027年3月期については、受注工事高180,000百万円(前期比1.3%増)、完成工事高160,000百万円(同3.3%増)、営業利益16,000百万円(同5.8%増)、経常利益16,500百万円(同3.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益12,800百万円(同5.3%増)と予想している。完成工事総利益率は、手持ち工事の採算性などを背景に18.1%(前期は17.6%)とさらに改善する見通しである。一方、販管費は同7.8%増を見込んでいる。業界環境が追い風であることに加え、繰越工事高が高水準であることを考慮すると、この予想が達成される可能性は高いと思われる。今後の期中受注・完成工事の状況によっては、利益がさらに上振れする可能性もあると弊社では見ている。
3. 中期経営計画「SNK Vision 2030」は「Phase III」へ
同社は、2030年を節目とした長期経営方針となる10年ビジョン「SNK Vision 2030」を発表している。この計画では、「グループとして持続可能な地球環境の実現と、顧客資産の価値向上に向け、ナレッジとテクノロジーを活用するエンジニア集団を目指す」ことを基本方針として、「事業基盤増強戦略」「収益力向上戦略」「デジタル変革戦略」「企業統治戦略」「人的資本戦略」の5つの基本戦略を掲げている。この計画のPhase II(2026年3月期が最終年度)は前期で終了し、2027年3月期より最終段階であるPhase III(2030年3月期が最終年度)に入った。主な数値目標として、最終年度に完成工事高2,000億円、営業利益240億円以上(同率12.0%)、ROE18%以上を目指す。この計画に沿って今後同社がどのように変わっていくか大いに注目される。
4. 株主還元:2027年3月期の年間配当は120円を予定
同社は、現在進行中の中期経営計画「SNK Vision 2030 Phase III」において、株主還元の基本方針を「DOEの下限を5%、2030年までは原則減配をしない」としている。これに伴い、進行中の2027年3月期も年間配当120円※を発表済みだ。さらに2025年3月期には10億円の自己株式取得を完了しており、単に業績の向上を目指すだけでなく、資本政策と株主還元策においても積極的な同社の姿勢は大いに評価すべきだろう。
※ 2025年1月1日を効力発生日として普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施。
■Key Points
・国内トップクラスの空調設備会社。原子力関連に強み
・2026年3月期は33.3%の営業増益を達成、各段階利益は過去最高
・中期経営計画「SNK Vision 2030」は最終段階Phase IIIへ。2030年3月期に完成工事高2,000億円を目指す
・2027年3月期も5.8%営業増益予想だが上振れの可能性も。年間120円配当を予定
■会社概要
建築設備の設計・施工管理の大手、原子力や産業向け空調設備に強み
同社の主要事業は、空調設備を主とした建築設備の設計・施工管理であり、1930年に米国Carrier Global Corporationと提携、東洋キヤリア工業(株)として創立されたのが起源である。戦前には、南満州鉄道の特急「あじあ号」への世界初の全列車空調、また関釜連絡船「興安丸」への世界初の全船空調の施工などの実績がある。
戦後は、1957年に日本原子力研究所(茨城県東海村)(現 (国研)日本原子力研究開発機構)に日本初の原子炉空調を施工し、1968年には日本初の超高層ビルである「霞が関ビルディング」の空調設備を施工した。1969年に東洋キヤリア工業の工事事業部が分離独立し、新日本空調(株)(SNK)となった。
その後も国内の建設需要の高まりにより業績を伸ばすと同時に2003年には中国に現地法人の新日本空調工程(上海)有限公司(現 新日空(中国)建設有限公司)を、2008年にはスリランカに現地法人SHIN NIPPON LANKA (PRIVATE) LIMITEDを、2010年にはシンガポールに現地法人SHIN NIPPON AIRTECH (SINGAPORE) PTE. LTDを、2024年には香港に現地法人の新日空(香港)建設有限公司を設立して海外展開も加速させている。
株式については1990年に東京証券取引所(以下、東証)市場第二部に、1993年には同第一部に上場し、現在は東証プライム市場に上場している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
《HN》
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