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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/06/26 11:42, 提供元: フィスコ

児玉化 Research Memo(2):メプロHDの買収により業容・事業ポートフォリオを拡大

*11:42JST 児玉化 Research Memo(2):メプロHDの買収により業容・事業ポートフォリオを拡大
■会社概要

1. 会社概要
児玉化学工業<4222>は、樹脂成形加工及びアルミダイカスト、鉄鍛造、粉末冶金の各事業を行うメーカーである。2025年4月1日付でメプロHDを完全子会社化し、金属加工技術を取り込んだ。グループパーパスに「異素材加工技術の統合を軸に、製造業発展の一翼を担う」を掲げ、多様な加工技術を融合し、複数素材・複数部材で構成される機能モジュールをワンストップで提供できる企業への進化を目指している。報告セグメントは2026年3月期から、「樹脂成形事業」「鋳鍛造事業」「粉末冶金事業」の3区分へ再編した。売上高構成比は、樹脂成形事業20.0%、鋳鍛造事業58.8%、粉末冶金事業21.2%となっている。生産拠点は国内10拠点、海外9拠点を展開しており、海外ではタイ、ベトナム、米国、インドに進出している。2020年1月に事業再生ADRを申請したが2023年6月に対象債務を完済し、再生計画を完遂した。収益構造改革を通じた財務体質の改善が、今回の大型M&A実現につながった。なお、2026年3月期に多額の負ののれん発生益を計上しており、メプロHDの企業価値に比べて、買収価格が抑えられていたと言える。

2. 事業内容
(1) 樹脂成形事業
樹脂成形事業は、同社創業来の主力事業である。取扱製品は、自動車向けでは、インストルメントパネル、フェンダーカバーなどの内外装部品を製造している。住宅設備・家電向けでは、洗面化粧鏡、浴室天井、サニタリー部品、冷蔵庫内装部品、エアコン部品などを手掛ける。このほか、ゲーム用パッケージなど幅広い製品を取り扱っている。主要顧客は、自動車分野ではトヨタ自動車、住宅設備分野ではTOTO<5332>・LIXIL<5938>・クリナップ<7955>などの大手メーカーである。同社は、自動車向け製品で培った厳格な品質基準への対応力と大型成形技術を強みとしており、これらを生かし、住宅設備分野への展開拡大と収益力につなげている。

(2) 鋳鍛造事業
鋳鍛造事業は、メプロHD傘下の柳河精機(株)が主体となって展開している。アルミダイカスト製品では、エンジン・足回り部品、二輪用フレームなど、鉄鍛造製品ではモーターシャフトなどを主力製品としている。自動車及び二輪車の基幹部品を幅広く手掛け、売上の6割以上が本田技研工業<7267>(以下、ホンダ)となっている。そのため、ホンダの生産動向の影響を受けやすい事業構造にある。高機能化・軽量化・低コスト化を追求したオリジナル製品への評価が高く、安定した受注を獲得している。

(3)粉末冶金事業
粉末冶金事業は、メプロHD傘下の(株)ダイヤメットが主体となって展開している。ダイヤメットは、三菱鉱業(株)(現 三菱マテリアル<5711>)の新潟金属工業所として創設されたことを起源とし、粉末冶金分野で長い実績を持つ。主力製品は焼結含油軸受や焼結機械部品であり、自動車向けのパワーウィンドウ向けなどのモーター部品を中心に展開している。モーター製造会社を経由して、日系自動車OEMのほぼ全社向けに製品を供給している。品質の高さと生産性を強みとして、世界各地へ製品を納入している。


樹脂・金属・粉末冶金の3素材を扱う唯一無二の技術で、顧客基盤拡大

3. 特徴と強み
(1) 樹脂と金属の融合
同社グループの最大の特徴は、樹脂成形、金属加工、粉末冶金という異なる素材の加工技術をグループ内で保有している点にある。自動車業界では、軽量化やコスト低減を目的として、部品のモジュール化が進展している。同社はこの潮流を捉え、各素材を組み合わせた機能モジュールをワンストップで提供することを目指している。従来、樹脂と金属は成形温度差が大きいことが一体化の障壁となっていたが、スーパーエンプラ※の普及によって樹脂の高温成形が可能となったほか、粉末冶金やダイカストでも低温技術が進展している。これに同社のインサート成形など接合技術と組み合わせることで、樹脂部品と金属部品のモジュール化が可能になりつつある。グループ内で一貫開発できるのは同社のみであり、他社との差別化になる。

※ スーパーエンジニアリングプラスチックの略称。耐熱性や強度に優れ、高温でも加工可能な樹脂素材。

(2) 独自の成形技術
樹脂成形分野における同社の独自技術として、ガラス繊維マットプレス新工法が挙げられる。同工法は、従来では困難とされていた長繊維ガラスの均一分散と複雑形状の成形を両立させる技術であり、高付加価値製品を製造できる。西湘工場(神奈川県)では安定して量産できる体制を構築しており、金属代替部品として大手自動車OEMの高級車向けに採用が進んでいる。同社では、金属部品を全面的に樹脂へ置き換えるのではなく、一部分を樹脂化する「ハイブリッド成形」や「一体成形」を推進しており、軽量化と強度確保を両立できる点が強みとなっている。

(3) 顧客基盤
顧客基盤の面では、同社がトヨタ系、買収した柳河精機がホンダ系のサプライチェーンに深く入り込んでいる点が特徴である。同社工場は関東圏に位置しており、BCP(事業継続計画)を背景とした調達分散化の観点で優位性を持つ。将来的には、樹脂と金属の融合により、系列を超えた部品供給も視野に入れている。また、住宅設備分野では、大手メーカーを主要顧客とし、各社が内製化しにくい大型部品や高難度成形を担い、安定受注を獲得している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)


《HN》

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