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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2026/07/01 11:03,
提供元: フィスコ
日産東HD Research Memo(3):新車と中古車が回転し、ストックが積み上がる
*11:03JST 日産東HD Research Memo(3):新車と中古車が回転し、ストックが積み上がる
■日産東京販売ホールディングス<8291>の事業概要
1. 事業内容
同社の事業は、個人リースを含む新車販売、中古車販売、整備事業などで構成されている。事業全体でカーライフのワンストップサービスを提供し、付加価値の高い提案とメンテナンスや金融商品など自動車関連サービスによって顧客のLTV(ライフタイムバリュー)を最大化するとともに、モビリティを事業として展開していくことでグループシナジーを追求している。収益構造を見ると、例年、新車が売上高の少なくとも50%以上を占める一方で、売上総利益では整備などのストックビジネスによってバランスが取られている。また、新車を販売することで中古車販売の回転が良くなり、整備などのストックビジネスが積み上がるという安定したバリューチェーンを築いている。なお、日産自動車と日産東京販売の関係は、日産東京販売が日産自動車から新車や部用品を仕入れて一般消費者などに販売するというだけでなく、先端技術車のPRや試乗会開催、急速充電器の拡充などを通じて、日産自動車と消費者をつなぐ役割も担っている。
(1) 新車販売
連結子会社の日産東京販売では、日産自動車が製造するEVやe-POWER、ガソリンの新型車を、軽自動車から商用車まで全車種ラインナップしており、都内約100の店舗を通じて販売している。現在これらの店舗は、最先端の新型車と多様化した顧客の期待やライフスタイルにあわせ、「ニッサン・リテール・コンセプト(NRC:Nissan Retail Concept)」という新世代店舗へのリニューアルを続けている。ルノー車については、日産東京販売社内においてルノー車専門のバーチャルカンパニーとして販売店3店舗を運営、全国のルノーディーラーでNo.1の販売実績を誇っている(2025年3月期実績)。なお、少子高齢化や人口減少、自動車保有率の低下傾向などを背景に、新車販売台数が全国で450万台程度と横ばいで推移する時代において、ディーラーが企業として成長するには、スケールメリットや集約化によって新車販売の収益性を高めるとともに、個人リースや中古車販売、整備など新車販売以外の事業を成長ドライバーとする独自戦略を展開する必要がある。
(2) 個人リース「P.O.P」
個人リースは、同社がリース会社に販売しリース会社が個人にリースするため、新車販売の1形態と言える。自動車を所有するモノというより利用するモノと考える消費者や、諸手続きや所有の煩わしさを軽減したい消費者にとって、利便性の高いサービスとなっている。このため現在、個人リース市場が拡大しているが、1997年よりサービス展開してきた経験と、「P.O.P」という独自のブランドによって、同社は東京都で約4割という高いシェアを占めている。また、カーリースの契約では残価や残存期間など制度や仕組みの説明にEVと同様の高いスキルが求められるため、EVで培った同社の経験や営業力は大きな強みとなっている。「頭金ゼロ・コミコミ・定額」のワンプライス販売も評判で、一般的に通常の新車買い替えサイクルが7〜8年、リース契約が6〜7年と言われるなか、約8割の顧客が3年で次の新車に乗り換え、しかもリピート率は9割以上に達している。新車販売の回転が上がるうえ状態の良い中古車も増えるので、同社にとって非常に効率の良いビジネスと言える。近年、ガソリンスタンドなど様々な業種が参入してきたが、消費者の選択肢が広がることから市場活性化につながっており、経験豊かな「P.O.P」にとって強い追い風となっている。
(3) 中古車販売
中古車の買取・販売は、収益の1つの柱であると同時に新車買い替えを促進する機能もある。仕入は主に新車販売時の下取車や買取、オークションなどで調達しており、近年はリースアップした車も増えている。販売は、日産自動車による厳しい認定基準をクリアした同社を含む「クオリティショップ」で取り扱っており、充実した保証やアフターサービスも提供している。仕入・販売ルートはこのように様々だが、同社の主流は、収益性の高い自社在庫を自社の店舗で消費者に直接販売する「小売販売」である。なお、新車個人リースの好調をヒントに中古車販売の新たな形態として中古車個人リースを2024年3月期から開始、これから伸ばしていくところである。
(4) 整備事業
整備は、日産東京販売のストックビジネスの柱として各店舗を中心に事業展開しており、メンテナンスパック会員は13万件超、グループ内の整備入庫の総台数は約66万台となっている(いずれも2025年3月期実績)。また、大規模総合自動車整備会社で連結子会社のエヌティオートサービス(株)は、専業としての確かなサービス品質と最新鋭の設備によって、鈑金・塗装や車検整備、納車整備などを行っており、グループ内の整備を集中的に扱うセンターとしての役割を果たしている。事業所は東京に7拠点、埼玉に1拠点あり、高級輸入車のアルミボディにも対応できる業界屈指の高い技術力を有している。車検は、日産東京販売及び日産ブランドに依存しない車検専門店「車検館」で扱っている。「車検館」は東京を中心に神奈川、埼玉、千葉に13店舗のネットワークを有している。全店が最新設備をそろえた指定工場で、メーカーを問わず幅広い車種の自動車を入庫でき、国家資格を持つ検査員による確かな技術に基づく検査がセールスポイントである。また、価格やサービスにも定評があり、顧客の8割以上がリピーターで好調な業績を続けている。
(5) その他の事業
このほか、損害保険・生命保険の代理店や車両輸送・登録代行業務、日産車をベースにしたキャンピングカー専門のディーラー、不動産賃貸など、自動車販売周辺の事業へと多角化することでグループとしてシナジーを高め、幅広いユーザーの獲得につなげている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
《HN》
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