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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2026/07/06 13:06,
提供元: フィスコ
リケンNPR Research Memo(6):事業環境変化に対応した事業ポートフォリオ改革を推進
*13:06JST リケンNPR Research Memo(6):事業環境変化に対応した事業ポートフォリオ改革を推進
■リケンNPR<6209>の成長戦略
1. 事業環境
グローバル自動車市場は新興国を中心に需要拡大基調が見込まれるものの、地球温暖化やエネルギー問題に対応するため環境規制やEV化が加速し、中長期的にICEの減少が予想されている。一方で、水素エンジンやe-fuelエンジンの開発も進められている。EVとHEV(Hybrid Electric Vehicle)のWell to WheelでのCO2排出量を比較すると、現在研究開発が進められている燃費効率50%のエンジンを搭載したHEVは、EVに対して競争力があることが示されており、HEVが次世代モビリティの選択肢になり得る可能性を示唆している。また2023年3月にはEU(欧州連合)が、ガソリンエンジン車の新車販売を2035年に禁止するという従来の方針を変更し、CO2と水素を原料とする合成燃料を利用するエンジン車に限り2035年以降も容認することとした。このほかにも、EVの使用済車載電池の処理方法が課題となっていること、米国のトランプ政権が脱炭素化に向けた環境規制を後退させる方針を示していることなどにより、現状はEV化進展スピードがやや鈍化している。
このような「自動車業界は100年に1度と言われる大変革期」という事業環境の変化に対応し、同社はガソリンエンジンのさらなる低燃費化や水素・代替燃料などを使用する次世代エンジンへの対応など、エンジンの進化に向けた技術開発を推進する。また、EV化進展スピードがやや鈍化しているものの、中長期的なEV化の流れは不変という認識を踏まえて非ICE領域での事業拡大にも注力する。さらに積極的なM&Aの活用や、将来性と採算性を念頭に事業ポートフォリオの入れ替えを実行することで、BEV進展に対するレジリエンスを強化し、持続的な成長を目指す。
経営統合シナジー創出の進捗は順調
2. 第一次中期経営計画(2025年3月期〜2027年3月期)
同社は2024年2月に第一次中期経営計画(2025年3月期〜2027年3月期)を策定し、持続的成長と企業価値向上の実現に向けて中期経営方針を、1) 経営統合によるシナジー創出、2) 事業ポートフォリオ改革、3) サステナビリティ経営の強化・成長基盤の整備とし、最終年度となる2027年3月期に売上高1,800億円、経常利益率9%以上、ROE8%以上を目指している。また長期ビジョン「2030Vision」の目標値は2031年3月期に売上高2,000億円、経常利益率12%以上、ROE10%以上としている。シナジー創出・事業ポートフォリオ改革・バランスシート最適化により、株主資本コスト(7〜8%)を上回る資本収益性(ROE)を実現する。
定量目標の達成状況として、経常利益率9%以上については2026年3月期に価格適正化効果や経営統合シナジーを含むコストダウン効果によって10.6%となり、最終年度目標を1期前倒しで達成した。経常利益173億円は金額ベースで過去最高(リケン+NPR単純合計との比較)だった。ROE8%以上については2026年3月期に特別利益計上も寄与して9.2%となり、最終年度目標を1期前倒しで達成したうえ、株主資本コスト(7〜8%)を上回る資本収益性(ROE)も実現している。2027年3月期は外部環境の不透明感を考慮して一時的に減益・ROE低下予想としているものの、2026年4月のグループ再編に伴う効果も含めて、経営統合シナジー効果は2025年3月期からの累計で30〜35億円程度と目標(3ヶ年合計で30億円)を達成する見込みであり、進捗状況は順調と言えるだろう。
経営統合シナジー創出では、売上面では相互のブランド力や販売ネットワークの活用、製品ラインナップ充実などによる既存事業のシェア拡大、技術提案型営業体制の確立や水素/代替燃料対応などによる多彩なソリューションの提供、新製品の創出・事業化を推進する。コストシナジーは3ヶ年合計30億円の効果を計画している。内訳としては、事業部門では共同購買による調達コスト低減(仕入品の仕様統合、安価な内製加工品の相互供給など)、ロジスティクス拠点の集約(関東圏物流拠点の集約など)、国内外拠点の生産最適化などによる製造コスト削減(双方のモノづくりノウハウ共有、加工工程移管・集約、余力設備の有効活用、併注アイテム・類似アイテムの仕様統合など)で14億円、管理部門ではコーポレート機能統合、ITインフラ統合、その他販管費削減などで16億円としている。
キャッシュアロケーションとしては、3年間で創出するキャッシュ630億円(営業キャッシュ・フロー600億円+政策保有株式等の資産売却30億円)を、さらなる成長と株主還元に向けて適切に配分する。具体的にはキャッシュアウトとして株主還元に200億円(配当性向40%以上、3ヶ年平均総還元性向70%以上)、戦略投資に430億円(設備投資・M&A等の成長投資に400億円、研究開発費に従来水準から30億円増加)を計画している。成長分野へのインオーガニック投資としては2026年4月にHHCを買収(83.5百万米ドル)した。なお政策保有株式の縮減も進めており、純資産比率は2024年3月期末時点の24.1%から2026年3月期末時点の15.9%まで低下した。今後は2027年3月期末に15.0%以下、2030年3月期末に10.0%以下への縮減を目標としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
《HN》
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