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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2026/07/10 11:34,
提供元: フィスコ
アーレスティ Research Memo(4):独自技術とグローバル供給体制で競争優位性を構築(2)
*11:34JST アーレスティ Research Memo(4):独自技術とグローバル供給体制で競争優位性を構築(2)
■アーレスティ<5852>の事業概要
2. 事業概要
同社は事業をダイカスト事業、アルミニウム事業、完成品事業の3セグメントに分けている。これらのグローバルに展開する事業を支えているのは人材、技術、ものづくり力である。同社は創業以来培ってきたダイカスト技術とグローバルな生産体制を強みとしており、25-27年度中期経営計画では「SMARTなものづくり」を経営の重要テーマに掲げ、生産性と収益性の向上を推進している。また、グローバル各拠点で同一水準の技能や知識を習得できる教育体系としてグローバルRSTラーニング(RST学園)を展開しているほか、全拠点の技術者が改善事例や課題を共有するグローバルKaizenミーティング、QCサークル活動などを通じて継続的な改善活動を推進している。製造現場では、センシング技術やCAEを活用したデータ分析、統計的手法による品質改善にも積極的に取り組んでおり、グローバルで均質かつ高品質なものづくり体制を構築している。さらに近年は、DXやシミュレーション技術を活用した開発・生産プロセスの高度化を進め、開発リードタイムの短縮や生産効率の向上にも取り組んでいる。
(1) ダイカスト事業
a) 事業概要
自動車向けを主とするダイカスト製品、ダイカスト用金型、ダイカスト周辺機器の製造・販売を行っている。ダイカスト製品は製品設計(湯流れや強度解析を含む)、金型製作、試作、量産(ダイカスト鋳造、機械加工等)という工程を経て生産されるが、グループ会社の多くがこれらの工程や関連設備の開発・製造を担っている。また、アルミニウム事業においてダイカスト用二次合金や鋳物用二次合金を製造しており、原料から製品までグループ内で一貫して供給できる体制を構築している。
製造現場では「アーレスティプロダクションウェイ」の考え方の下、良品のみを次工程へ流す品質重視の生産体制を構築している。さらに、鋳造工程における流量、温度、速度、圧力などのデータを収集・分析し、最適な製造条件を追求するOPCC(Optimal Process Condition Control)活動を全工場で推進している。重点製品については製造条件と品質データを紐付けた統計的品質管理を実施している。
また、センシング技術やCAEを活用したデータ分析、DXを活用した開発・生産プロセスの高度化を進めることで、品質向上と開発リードタイム短縮を図っている。
b) 技術力と競争優位性
同社の競争優位性は、独自のダイカスト技術とグローバル供給体制にある。独自工法であるHiGF(High GF Casting)法やNI(New Injection Casting)法によって高品質・高強度なダイカスト製品の製造を実現し、自動車部品への適用領域を拡大している。また、図面1つで世界各地の工場において同一品質の製品供給を可能とする「ワンプリントマルチロケーション」体制を構築しており、顧客のグローバル展開や地域ごとの需要変動に柔軟に対応できる体制を整えている。
電動車向けでは、E-AxleやX in 1など大型かつ複雑形状の部品への対応力を強みとしており、電動化に伴う新たな需要を取り込んでいる。また、接合技術や軽量化技術の開発も進めており、次世代車体構造への対応を強化している。
生産拠点は日本、北米、中国、インドに展開している。北米では米国及びメキシコに生産拠点を有しており、現在は米国・メキシコ拠点の一体運営強化による収益改善を推進している。生産品目や設備の最適配置、人材・ノウハウの共有などを進めることで、北米事業全体の収益力向上を図っている。北米は売上高ベースでグループの約3割を占める重要市場であり、同地域の収益改善は今後の利益成長を左右する重要なテーマとなっている。
一方、インドは同社が成長市場として位置付ける地域である。自動車市場の拡大を背景に受注量は増加基調で推移しており、2024年12月に竣工した第2工場の稼働率も高水準に達している。今後もモータリゼーションの進展や自動車生産台数の増加が期待されることから、同社では将来的な能力増強も視野に入れながら事業拡大を進めており、中長期的な成長ドライバーとして期待されている。
(2) アルミニウム事業
ダイカスト向けや鋳物向けから特殊用途向けのアルミニウム合金地金まで約40種類の地金を同社熊谷工場で生産している。全国から集まるアルミ缶、サッシ、自動車の解体スクラップなどのほかに、アルミニウム新塊や添加材などの原材料を元にアルミニウム合金地金を生産しており、強度・耐性など原材料の知見を生かして用途にあわせた材料の提案を可能にしている。また、合金地金生産においては、特にScope3 category1(原材料調達)の観点から、CO2排出量の多い高炭素新塊を減らし、リサイクル材料の使用比率の拡大を進めている。そのために、高い延性を必要とするためアルミ新塊を使用している車体系部品について、延性の低いリサイクル材を活用した高延性アルミ合金の製造技術を開発するなど、独自の配合技術を進化させ、各品種の合金生産において新塊をリサイクル材に置き換えられる「CO2排出量の少ない合金地金」の開発・製造に取り組んでいる。
(3) 完成品事業
主要製品はフリーアクセスフロア(配線・配管を床下に収める二重床システム)の「モバフロア」で、クリーンルーム向けフリーアクセスフロアでは国内トップクラスのシェアを占める。全国各地のクリーンルーム、データセンター、コンピュータルーム、工場、オフィスなどに幅広く納入されており、東京スカイツリー、東京都庁舎、横浜ランドマークタワーでも採用されている。また、中国の大手半導体装置メーカーなど中国・東南アジアでも売上を拡大している。日本ではアーレスティ栃木が製造、同社が製品企画・施工・販売を行っているほか、中国では同社の指導を受けて合肥阿雷斯提が製造している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
《MY》
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