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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/09/10 12:05, 提供元: フィスコ

さくらKCS Research Memo(5):2026年3月期は、システム構築の伸長と採算改善により増収増益を達成

*12:05JST さくらKCS Research Memo(5):2026年3月期は、システム構築の伸長と採算改善により増収増益を達成
■業績動向

1. 前中期経営計画の概要
さくらケーシーエス<4761>は前中期経営計画(2024年3月期〜2026年3月期)で、「情報セキュリティが確保され続けることを前提としたうえで、収益力の大幅な飛躍とその利益を源泉とした投資サイクルの確立によりサステナブルな成長を目指す」ことを基本方針として掲げた。そのうえで、(1) 情報セキュリティ強化、(2) 原点回帰、収益基盤の維持・強化、(3) 創造的分野や自社製品・技術による事業拡大、(4) 人(社員等)への投資強化、(5) 社内インフラ投資の強化、の5項目を重点施策として取り組んだ。

具体的な計数計画について見ると、最終年度である2026年3月期に、売上高242.0億円、営業利益9.2億円(営業利益率3.8%)、経常利益10.0億円、親会社株主に帰属する当期純利益6.9億円、ROE3.5〜4.0%、配当性向30〜40%を目指す計画であった。利益を源泉とする投資サイクルを確立する方針の下、計画期間の3ヶ年では売上高・利益ともに着実な成長を目指していた。ただし、計画の起点である2023年3月期の実績は、売上高23,588百万円、営業利益993百万円、営業利益率4.2%、経常利益1,038百万円、親会社株主に帰属する当期純利益748百万円であった。最終年度計画はこれに対して、売上高こそ612百万円の増加を見込む一方、営業利益は73百万円の減少、営業利益率は0.4ポイントの低下を前提とする内容であった。

2. 2026年3月期の業績概要
前中期経営計画最終年度である2026年3月期の連結業績は売上高23,790百万円(前期比5.6%増)、営業利益1,404百万円(同1.9%増)、経常利益1,605百万円(同7.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,224百万円(同6.9%増)となった。経常利益は2期連続、親会社株主に帰属する当期純利益は3期連続で上場来最高益を更新した。期初予想との比較では、売上高が3.9%、経常利益が3.5%、親会社株主に帰属する当期純利益が14.4%それぞれ上回った。営業利益は0.3%上回り、ほぼ予想どおりの着地となった。

売上面では、金融・公共・産業の各部門でシステム構築が好調に推移したことに加え、公共・産業部門でシステム機器販売が伸びたことが増収に寄与した。売上総利益は、増収効果に加え、収益性の高い案件獲得や不採算案件の抑制がプラスに寄与したことから6,854百万円(前期比9.6%増)となり、売上総利益率は28.8%と前期比1.1ポイント改善した。

利益面では、販管費が前期比11.8%増の5,450百万円となり、売上総利益の伸びを上回る2ケタの増加となった。積極的な採用活動に加え、教育研修拡充やベースアップ(2期連続の約5%の引き上げを実施)などの人材投資、AIをはじめとする研究開発投資を行ったことが費用増加の主因となった。この結果、営業利益の伸びは前期比1.9%増にとどまり、営業利益率は5.9%へ低下した。営業外損益では、資金運用による受取利息が前期の27百万円から107百万円へ増加したことから、経常利益は前期比7.5%増の1,605百万円となった。特別損益では、連結子会社であるKCSソリューションズにおいて減損損失51百万円を計上した一方、投資有価証券売却益94百万円を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は同6.9%増の1,224百万円となった。

前中期経営計画の最終年度目標と比較すると、売上高は24,200百万円の計画に対して23,790百万円にとどまり、未達となった。一方、営業利益は920百万円の計画に対して1,404百万円、営業利益率も3.8%の計画に対して5.9%と、いずれも計画を大きく上回った。経常利益は1,000百万円の計画に対して1,605百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は690百万円の計画に対して1,224百万円と、いずれも計画を大幅に上回った。ROEは3.5〜4.0%の計画に対して6.0%、配当性向は30〜40%の計画に対して50.3%となり、資本効率と株主還元の面でも計画を超える水準となった。同社はほぼすべての財務目標を達成したと総括している。

なお同社は、2025年4月1日付の組織変更に伴い、2026年3月期より金融関連部門の一部を産業関連部門に集計する方法へ変更している。以下の増減率は、前期の数値を変更後の区分に組み替えたうえで比較したものである。

金融関連部門は売上高6,541百万円(前期比8.0%増)、営業利益1,444百万円(同10.4%増)となり、増収・増益を確保した。SMBCグループ向け情報化投資案件が好調に推移し、システム構築が増加したことが寄与した。

公共関連部門は、売上高7,141百万円(同3.5%増)、営業利益1,386百万円(同21.3%増)となり、増収及び2ケタ増益となった。自治体情報システムの標準化案件が順調に進捗し、システム構築が増加したほか、機器更新案件によるシステム機器販売の伸びも業績を押し上げた。

産業関連部門は、SAPビジネス案件によりシステム構築が増加したことに加え、システム機器販売やそれに付随した機器設定案件などが寄与した。売上高は10,107百万円(同5.5%増)、営業利益2,054百万円(同5.3%増)となり、増収増益を確保した。

品目別売上高は、情報サービスが20,928百万円(前期比4.5%増)、システム機器販売が2,860百万円(同14.1%増)となった。情報サービスの内訳は、システム構築が前期比6.7%増の14,928百万円と好調に推移したほか、その他の情報サービスも同6.9%増の1,741百万円へ伸びた。一方、システム運用管理は同3.3%減の4,259百万円へ減少した。なお、システム構築の受注高は前期比4.8%増の15,344百万円、期末の受注残高は前期末比10.6%増の4,320百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)



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