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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/09/24 11:42, 提供元: フィスコ

イード Research Memo(2):Webメディア・コンテンツの運営やリサーチ・ECソリューションサービスを提供

*11:42JST イード Research Memo(2):Webメディア・コンテンツの運営やリサーチ・ECソリューションサービスを提供
■事業概要

1. 会社概要
イード<6038>は、誰もがメディアになる世界をプロデュースするため、自社Webメディアの運営を中核にインターネット広告やEC物販、各種サービスを提供するCP事業と、リサーチソリューションやECソリューションを提供するCS事業の2つの事業を展開している。2000年の設立以来、M&A戦略を推進しながら事業規模を拡大してきた。2026年6月末時点の連結子会社は8社((株)エンファクトリー、(株)ネットショップ総研、SAVAWAY(株)、エフ・アイ・ティー・パシフィック(株)(以下、FITP)、(株)リンク、(株)エディト、(株)webCG、(株)Sun Smile)で、連結従業員数は287名(臨時従業員含む)である。

2. 事業内容
(1) クリエイタープラットフォーム事業(CP事業)
自社で運営するWebメディアを通じて配信されるインターネット広告※や、メディアコンテンツ及びデータの課金・販売(EC物販含む)が売上の過半を占める。このため、いかに効率的にWebメディアの媒体価値を向上させるかが収益拡大のカギとなる。そのほか、メディア・EC関連システムの開発・提供や出版ビジネス、2022年に子会社化したFITPの自動車及びIT関連ビジネスなどが含まれる。

※ 主に運用型広告(アドネットワークによる売上)、アフィリエイト広告(成果報酬型広告)、提案型広告(メディア側による企画・提案または顧客要望に基づいて制作する記事広告等)、純広告(バナー広告、メール広告等)が含まれる。

同社が運営するWebメディア数は、2026年6月末時点で21ジャンル86メディアで、前期末から4メディア増加した。特徴は、自動車やIT、エンターテインメント、教育、暮らし、EC分野など各業界に特化したヴァーティカルメディアを運営している点にある。なかでも、自動車分野のWebメディア「Response.(レスポンス)」は日本最大級の自動車総合プラットフォームで有料会員向けサービスも提供するなど、同社が運営するWebメディアのなかでも中心的な存在となっている。また、出版ビジネスはパズル・アニメ分野の雑誌を中心に発行していたが、2025年6月期末で不採算が続いていたパズル雑誌から撤退した。

(2) クリエイターソリューション事業(CS事業)
CS事業では、リサーチソリューションとECソリューションを提供している。リサーチソリューションは、自動車及び通信業界向け調査業務が売上の大半を占める。一方、ECソリューションでは、EC事業者向けにECサイト構築システム「marbleASP」を提供している。同サービスは低コスト・短納期・高拡張性が特徴で、会員数が数十万人規模のECサイトにも対応している。


Webメディア・コンテンツを効率的に運用する

自社開発システムが強み
3. 特徴と強み
(1) 「iid-CMP」
同社の強みは、CP事業において数多くのWebメディアやコンテンツを効率的に運用するためのプラットフォーム「iid-CMP」(イード・コンテンツ・マーケティング・プラットフォーム)を自社で構築していることにある。「iid-CMP」では、1) 高い集客機能(SEO施策、SNS対応、Webページ高速表示、スマートフォンを含めた最適なユーザビリティとユーザーエクスペリエンスなど)による売上アップの実現、2) ローコストオペレーション(システムの共同利用・CPUリソース分散機能、ポータルサイトへのニュース記事提供フォーマットの共有化、最適なネットワーク広告・アフィリエイト広告の共同運用など)によるコスト最適化、3) データベースの蓄積・管理機能(コンテンツにより取得したビッグデータ管理)、4) 編集の効率化を図るためのコンテンツマネジメント機能(ニュース記事・写真の投稿、文章校正・類似度チェック)と、4つの機能を活用することで、Webメディアの早期収益化を実現している。2023年以降はコンテンツ作成・編集工程を中心にAI技術の活用を積極的に進めており、2025年からメディアプラットフォーム開発において、米Anthropic PBCの開発AIエージェント「Claude Code」を全担当エンジニアに導入するなど、AIネイティブな開発体制を構築した。AI技術の活用により、開発スピードの大幅向上や品質と再現性の向上などにつなげている。

(2) M&A戦略
同社は自社開発だけでなく、M&AによりWebメディア・コンテンツの取得を積極的に進めている。M&Aについては、経営陣の人的ネットワークを主な情報入手ルートとしており、常時5サイト程度を検討している。事業取得する場合は、投資回収期間5年を目安に計画を策定し、取得後2年以内の黒字化達成を事業継続の判断基準としている。「iid-CMP」のプラットフォームを活用することでコスト低減と売上アップを実現し、手掛けたWebサイトのほとんどが収益化している。20年を超えるWebメディアの運営実績やM&Aの成功実績が評価され、相手先あるいはその親会社から売却交渉の声が掛かるケースも増えている。同社はこれらの候補案件から有力メディアを精査し、長年蓄積してきた経験を基に適正価格で取得している。

(3) 専門メディアを起点とした事業展開力
同社のもう1つの強みは、21ジャンル86メディアを通じて各業界のユーザーや企業、キーパーソンとの接点を構築している点にある。こうした専門性と業界ネットワークを起点に、広告だけでなく、有料会員、イベント、データ、EC、法人向けサービスなどへ事業領域を広げる「360度ビジネス」を展開している。

そのほか、新規事業領域での協業を目的とした戦略的な出資も積極的に実施している。出資案件のうち株式上場を果たした企業は、クリエイター向けプラットフォーム「note」を運営するnote<5243>、自動車のサブスクサービス「定額カルモくん」を展開するナイル<5618>の2社がある。未上場企業としては「オールタイムレンタカー」事業を展開するバリュートープ(株)、バーチャルキーやEV用小型充電器を開発・製造する(株)ジゴワッツ、インターネット総合映画メディア「シネマトゥデイ」を運営する(株)シネマトゥデイなどがある。

また、事業ポートフォリオの見直しはM&Aによる取得・育成だけにとどまらない。事業価値を高めた後、より成長が期待できる外部資本・事業会社への株式譲渡も選択肢としている。2020年の(株)絵本ナビ株式の一部譲渡(現在も持分法適用関連会社)や今回のエンファクトリー株式譲渡はその事例であり、回収した資金を次の成長投資や株主還元へ再配分する「資本循環型」のポートフォリオ経営が今後の注目点となる。AI時代にコンテンツ生成の参入障壁が低下するなか、長年蓄積したブランド、会員基盤、コンテンツ、業界との関係性は、同社の差別化要因として重要性を増すものと弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《HN》

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