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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/08/05 11:08,
提供元: フィスコ
ユビAI Research Memo(8):2025年3月期はグレープシステムが通期で寄与し増収増益
*11:08JST ユビAI Research Memo(8):2025年3月期はグレープシステムが通期で寄与し増収増益
■ユビキタスAI<3858>の業績動向
1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の連結業績は、売上高4,138百万円(前期比19.0%増)、営業利益96百万円(同34.8%増)、経常利益92百万円(同6.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益91百万円(同176.8%増)と増収増益となった。売上高、各段階の利益とも期首の業績予想を上回った(売上高は2.9%増、営業利益・経常利益は約2.4倍、親会社株主に帰属する当期純利益は22百万円の損失予想から113百万円増)。
2023年10月に子会社化したグレープシステムの業績が通期で計上されたことが収支に大きく寄与した。事業セグメント別では、グレープシステムの売上高の約6割を占めるSS事業の売上高が前期の約1.5倍と大幅に伸長し、グループの事業領域が大きく拡大した。また、グループの技術、顧客、人材などの経営リソースの効率化のため、2024年7月にグレープシステムとSS事業を担う子会社エイムのオフィスを統合し、同年8月には同社がエイムを吸収合併した。M&Aによる企業規模の拡大に伴い、のれん償却額や人件費の増加、システムや内部統制など社内体制整備費用の増加、オフィス移転費用などにより販管費は同18.9%増加した。一方、売上高の増加に加えて売上総利益率が前期比0.3ポイント上回り、売上総利益が同19.7%増加したことで販管費の増加を吸収し、営業利益は前期を24百万円上回った。売上総利益率の改善は、単価の改定や自社製品・受託開発の売上増加など製品構成の変化による。のれん償却額は94百万円と前期を27百万円上回り、のれん償却前営業利益は190百万円と前期を52百万円上回った。また、2024年6月までに退任した取締役5名に対する役員退職慰労金の一部45百万円を不支給とし、役員退職慰労引当金戻入額45百万円を特別利益に計上した。加えて、課税所得の見積もりと繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、繰延税金資産の計上と繰延税金負債の取り崩しを行い、法人税等調整額(益)は9百万円と前期比64百万円減少した。そのため、親会社株主に帰属する当期純利益は前期を58百万円上回った。
2. 事業セグメント別動向
(1) SP事業
SP事業は、売上高899百万円(前期比30.5%増)、セグメント損失28百万円(前期は17百万円の利益)と増収減益となった。同社の主力製品でありSP事業のなかで大きなウェイトを占めるQuickBoot(QB:高速起動製品)の一部顧客の製品生産終了などによりロイヤルティが同3.7%減少したほか、データベース製品(DB)も一部顧客の製品生産計画変更の影響などによりロイヤルティが同31.7%減少した。一方、エンベデッドプラットフォーム製品(EP)はセキュリティ製品でロイヤルティを前倒しで受け取る大型案件を獲得するなど同59.1%増加し、グレープシステム製品(GS)のプリンター関連製品と音声コード製品の既存・新規顧客への販売及び契約時一時金が順調に伸長するとともに通期で寄与したことで前期の3倍弱売上を伸ばし、全体では大幅な増収となった。セグメント損益は、GSが増収により前期を14百万円上回り11百万円の利益となったものの、セグメント共通コストが膨らみGS以外の製品が前期を59百万円下回り39百万円の損失を計上し、SP事業全体では前期を45百万円下回り28百万円の損失を計上した。
(2) SD事業
SD事業は、売上高1,318百万円(前期比6.1%増)、セグメント損失 45百万円(前期は14百万円の損失)と増収減益となった。IoT機器セキュリティ検証ツール・サービスの既存顧客からのロイヤルティ及び受託開発売上の増加、BIOS、Bluetooth製品の既存顧客からのロイヤルティおよび受託開発売上、既存顧客向けネットワークマネジメント製品のライセンス売上の前倒しに加えて、グレープシステム取扱い海外製品の売上分の追加により、売上高が前期を上回った。セグメント損益は、セグメント共通コストの増加により損失が前期比で30百万円拡大した。
(3) SS事業
SS事業は、売上高1,005百万円(前期比51.6%増)、セグメント利益 118百万円(前期比182.8%増)と大幅な増収増益となった。グレープシステム以外のSS事業は、データコンテンツ「YOMI」に関する車載機器向けを中心としたライセンス売上が順調に推移するとともに、受託開発売上が既存顧客を中心に好調で、売上高は同8.5%増となった。また、グレープシステムの売上659百万円が加わり、全体の売上高は前期の約1.5倍となった。主にプリント関連、医療関連、空調関連顧客からの案件がグレープシステムの受託開発を支えている。セグメント損益は、グレープシステム以外の事業が増収により損益を前期比21百万円改善させ92百万円の利益を計上したほか、グレープシステムも通期分の売上高の計上により損益は前期を55百万円上回り、全体では前期を76百万円上回った。
(4) DA事業
DA事業は、売上高914百万円(前期比3.6%増)、セグメント利益51百万円(同91.3%増)と増収増益となった。前期にあった官公庁向け大口のスポット受注を、一般企業の調査部門及び政府研究機関への主力パッケージソフトウェア製品である「Origin」※1、高度な画像検出・解析ソフトウェア「MIPAR」※1、AIによる予測・要因分析WEBサービス「Multi-Sigma」※3粉末X線解析データベース「ICDD」※4などのライセンス売上増でカバーした。セグメント損益は、ライセンス売上の増加と、円安による価格改定などにより前期を24百万円上回った。
※1 全世界で50万人を超える研究者・技術者に指示されているグラフ作成・データ解析ソフトウェア。
※2 粒子・細胞・結晶の高度検出・測定に最適なAIを搭載した高度な画像検出・解析ソフトウェア。
※3 製品開発の現場などにおいて、複数の入力パラメーター(材料投入量、温度、時間など)と複数の出力(目的)パラメーター(品質、コスト、環境負荷など)のある「多入力多目的システム」において、AIを利用して最小限のデータとコストで、膨大な条件の組み合わせのなかから最適解を探索するシステム。
※4 結晶材料同定のために75年以上粉末回折データを収集、編集、販売している非営利科学組織ICDD(International Centre for Diffraction Data)が、結晶材料の相同定に使用するために作成している特徴的な格子面間隔、相対強度、関連する物理的・結晶学的特性を示した単相の粉末X線回折パターンのデータベース。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
《HN》
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