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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/09/24 11:22,
提供元: フィスコ
日揮HD:利益率改善で通期黒字へ、LNGを中心に受注機会拡大
*11:22JST 日揮HD:利益率改善で通期黒字へ、LNGを中心に受注機会拡大
日揮ホールディングス<1963>は、国内独立系の総合エンジニアリング企業として業界トップの地位を占める。創業以来90年を超える歴史を有し、LNG(液化天然ガス)プラント建設に強みを持つ。
事業セグメントは大きく2つに分かれる。第一に総合エンジニアリング事業で、売上高の約9割を占める。エネルギーや産業インフラ、環境関連の大規模プラント建設を中心に、海外案件比率が高いことも特徴だ。第二に機能材製造事業で、触媒やファインケミカル、ファインセラミックスといった製品の開発・製造・販売を手掛ける。こちらは売上構成比で1割程度だが、安定的な収益源としてグループ収益の下支え役を果たしている。総合エンジニアリング事業のビジネスモデルは、一括請負(ランプサム)契約でプラントのEPC(設計・調達・建設)役務を受注・遂行する。4年から5年にわたる工期である大型案件を工事進行基準で収益計上する。工期の初年度は設計業務が中心、2〜3年目に資機材調達や建設工事が進むことで工事進捗が伸び収益も大きく立ち上がる「S字カーブ型」の収益構造を持つ。
2026年3月期第1四半期は、連結売上高1,898億円(前年同期比7.0%減)、連結営業利益78億円(同2.5%減)と前年同期比で減収減益であった。背景には、2026年3月期通期業績見通しにおいて、これまで収益の中心であった複数の海外大型案件の工事進捗がピークアウトするためその反動がある。ただし営業利益は小幅減にとどまり、円安によるプラス影響などが効いた。総合エンジニアリング事業では、建設中のLNGカナダプロジェクトのLNGプラント第1系列から初出荷を達成、第2系列も完成間近である。米国エチレン増設工事やイラク製油所近代化プロジェクトも収益に寄与し、案件の多様性が利益安定に貢献している。
通期見通しは連結売上高6,900億円(前期比19.6%減)、連結営業利益210億円(黒字転換)を計画。大型案件の一巡による減収は避けられないものの、遂行中プロジェクトの採算管理の徹底によって利益を確保できる見通し。為替前提は1ドル=140円で、円安に振れれば追加的な収益の上振れもあり得る。機能材製造事業は原材料費や減価償却負担が前年同期比では利益減少要因となる一方、ファインケミカル・ファインセラミックス分野の需要は底堅く高水準の利益を確保できる見通し。中長期的にも収益寄与が見込まれる。
足元の受注残高は、アジアと中東の比率が高いが、北米やアフリカでも大型案件を受注・遂行する方針であり、特定地域への過度な集中を避けている。またエネルギートランジション案件ではLNGの需要拡大を背景に受注機会が拡大しているが、半導体・データセンター、水素・アンモニア、再生可能エネルギー、カーボンニュートラル関連分野の実現可能性の高い案件にも取り組んでいく方針にあり分野の多様化も進めている。
競合は千代田化工建設や東洋エンジニアリングといった国内同業、さらには米国や欧州のグローバルEPC企業である。同社の強みは、長年蓄積してきた高度な設計・建設技術と技術統合力、大規模・複雑なプラントをEPC遂行できるプロジェクトマネジメント力にある。さらに、機能材製造事業という独自の収益源を持つ点で、収益の安定性を確保している。
中期経営計画(2021〜2025年度)は今期が最終年度にあたり、売上高8,000億円、営業利益600億円、ROE10%を掲げていた。売上高は2024年度に8,000億円を突破し目標を達成した一方、利益面では総合エンジニアリング事業での追加費用計上により未達となる見通し。次期中計では、利益率改善と成長領域への受注拡大が焦点となる。特にエネルギートランジションや、新エネルギー、先端技術産業(半導体・データセンターなど)領域の案件獲得が鍵となる。長期的にも、世界的なエネルギー需要の多様化とカーボンニュートラル政策、生成AIの進展の追い風を受け、成長余地は大きい。
株主還元については、2026年3月期の年間配当40円を予定。現中期経営計画中は、配当性向30%、下限配当40円(2024年に15円から40円へ引き上げ)。PBR1倍割れの状況が続き、自己株式取得を含めた株主還元の積極化が望まれる。
《HM》
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