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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/10/03 10:35,
提供元: フィスコ
堺化学工業:事業ポートフォリオ変革を加速、高水準の株主還元も魅力
*10:35JST 堺化学工業:事業ポートフォリオ変革を加速、高水準の株主還元も魅力
堺化学工業<4078>は1918年、酸化亜鉛の製造販売で創業した化学メーカー。大阪府堺市に本社を構え、創業以来培ってきた粉体プロセシングと、有機合成のコア技術を基盤に、無機・有機の多岐にわたる化学製品を開発・製造・販売している。現在は、将来のありたい姿である「Smart Materialで社会に貢献できるエクセレントカンパニー」の実現に向け、事業ポートフォリオの変革を強力に推進している。
同社は事業ポートフォリオについて、成長事業、安定事業、効率化検討事業の3つに分類し事業推進を加速している。成長事業としては、電子材料、化粧品材料、有機化学品の3事業である。特に電子材料事業では、主にMLCC(積層セラミックコンデンサ)向け材料を手掛け、AI関連需要の拡大などを背景に半導体市況が堅調な点が追い風。化粧品材料事業では、日焼け止めに使われる微粒子酸化チタン・酸化亜鉛を主力としている。成長事業全体としては、専門特化したニッチ市場で強固なポジショニングを構築する戦略を実施している。また、粉体プロセシングと有機合成のコア技術を強みとし、顧客との長期にわたる取引実績があり、大きな参入障壁となっている。
次に、効率化検討事業では、酸化チタン・亜鉛製品、樹脂添加剤、触媒、無機材料が含まれる。酸化チタン・亜鉛製品では、汎用的な白色顔料である酸化チタンやゴム製品の加硫促進助剤である酸化亜鉛などを扱うが、不採算製品の統廃合や価格改定を進め、収益性を大きく改善させている。尚、顔料級酸化チタンについては2025年末に生産終了を予定している。樹脂添加剤事業においては、自動車や電線向けに塩化ビニル用安定剤を供給し、安定した収益基盤を築いている。
取り巻く事業環境について、同社は変化の好機と捉えている。主力の電子材料事業では、生成AIやデータセンター関連の需要拡大が半導体市場の成長を牽引する見通しだ。化粧品市場においては中国経済の減速は継続しているが、紫外線対策意識の高まりなど高機能な原料への需要は堅調に推移すると見込まれる。自動車産業におけるEV化の進展に伴う部材需要の変化など、注視すべきリスクも存在するが、同社はこうした環境下で、高付加価値製品へのシフト、事業ポートフォリオの最適化を強力に推進している。
2026年3月期の業績予想は、売上高は前期比1.9%増の86,000百万円、営業利益は同6.7%増の6,500百万円、経常利益は同3.5%増の6,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同9.7%増の5,500百万円を見込む。半導体市況の回復による電子材料事業の復調や、効率化検討事業における収益改善が継続し、増収増益を見込む。第1四半期実績では、上期予想に対する経常利益の進捗率は58.4%と順調だが、第2四半期には夏季の工場定期修理があるなど概ね計画に沿う内容となっている。
同社は、中期経営計画として「変革・BEYOND2030」(FY2024-2026)を推進中であり、最終年度の2027年3月期には営業利益9,000百万円、ROE8%以上という定量目標を掲げる。また、事業ポートフォリオの変革として、成長事業の営業利益構成比を60%以上に高めることを目指している。営業利益目標の達成には、成長事業である電子材料、化粧品材料のトップライン成長が不可欠となるが、同社はM&Aを含めた成長投資を継続していく計画である。
株主還元については、中計期間の3年間で総額8,000百万円以上の株主還元を実施する方針を掲げ、DOE(株主資本配当率)3%を目安とした安定配当を継続するとしている。自己株買いについても機動的に実施し、利益計画超過の際には追加的な株主還元を検討するとしている。2026年3月期の年間配当は1株当たり130円(予想配当利回り4.48%)を予定している。足元では、2025年5月に2,500百万円を上限とする自己株式取得を決議しており、株主還元強化、資本効率改善への強い意志がうかがえる点はポジティブ。
投資の視点では、中計で掲げる事業ポートフォリオ変革が着実に進捗し、収益構造が改善している点は高く評価できる。特に、半導体関連の電子材料事業が、成長ドライバーとしての役割を担い今後も成長を牽引していくことが期待される。また、DOE3%目安の安定配当と機動的な自己株買いを組み合わせた積極的な株主還元策は、株価の下支え要因として機能しよう。足元も株価水準はPER8.2倍、PBR0.59倍と割安感があり、投資妙味があると考える。
《HM》
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