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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/11/19 17:24,
提供元: フィスコ
野村不動産HD:「プラウド」を軸に堅調成長、海外展開で収益基盤を強化
*17:24JST 野村不動産HD:「プラウド」を軸に堅調成長、海外展開で収益基盤を強化
野村不動産ホールディングス<3231>は住宅事業「プラウド」、オフィス・商業・物流を含む都市開発、仲介・資産運用・運営管理などのサービス事業まで幅広く展開する総合デベロッパーである。野村證券を起源とする企業グループとして、富裕層ネットワークを活用した高価格帯住宅の販売力を強みに持つ。首都圏中心の新築分譲マンションシリーズ「プラウド」は、用地取得から販売までの回転期間が短く、資金回収が早い事業モデルが特徴で、競合他社と比べてもキャッシュフロー効率が高い点が際立つ。
同社の事業は、住宅、都市開発、海外で構成される「デベロップメント分野」と資産運用、仲介・CRE、運営管理で構成される「サービス・マネジメント分野」に大別される。住宅事業では、顧客ニーズを細かく反映し、付加価値の高い分譲マンション開発を強みとする。都市開発では、オフィス・物流・商業施設を投資家向けに開発・売却する循環型モデルを構築。加えて、ファンド組成やビル・マンション管理などのサービス・マネジメント分野が拡大しており、景気変動に左右されにくい安定収益の基盤となっている。海外事業では、ベトナムを中心とした都市開発に継続参画し、ASEANでの成長を取り込む体制を整えている。
同社の強みは、第一に売却益を生みやすい「資産回転モデル」である。売却を前提に開発する棚卸資産(約11,000億円)に加え、保有を前提とする有形固定資産(約9,000億円)についても適切なタイミングで売却し、含み益(約3,000億円)を積極的に実現して利益確保と資産効率向上を実現している。大手デベロッパーの中でも保有資産が相対的に小さく、ROA・ROE重視の戦略が鮮明だ。第二に、サービス・マネジメント分野の高い収益安定性が挙げられる。資産運用、仲介・CRE、運営管理はノンアセット型事業として高い利益率と継続収益を生み、住宅・都市開発の市況に左右されにくい。
2026年3月期第2四半期(中間期)の連結業績は、売上高3,977億円(前年同期比4.3%増)、営業利益571億円(同16.3%減)、純利益313億円(同26.2%減)と増収減益となった。減益要因は、浜松町ビルディング建替に伴う建物簿価の減損損失等、「BLUE FRONT SHIBAURA」開発に関連した前向きな特別損失であり、事業の成長性は維持されている。
住宅部門は計上戸数の減少(約700戸)が利益を一時押し下げたが、分譲マンション市場では販売価格・売上高粗利率ともに高水準を維持しており、売上高粗利率は目標約20%に対し通期見込みは24%台後半と好調である。住宅事業は季節性が強く、計上は下期に偏重する傾向があることから、通期での回復が期待される。都市開発部門は収益不動産の売却が寄与し増収となった。一方、大型プロジェクトの竣工に伴い一時的な費用が増加し減益となったものの、物流施設や商業施設の需要は強く、投資家需要も底堅い。空室率は緩やかに改善しており、収益不動産の売却環境は引き続き良好である。海外部門は前期のベトナム・ハノイにおける大型案件の反動減が響いた。今期はホーチミン・ハイフォンの計上を予定している。仲介・CRE、資産運用、運営管理の3部門は総じて増収増益で、サービス・マネジメント分野の成長が全体の安定性を支えている。
通期見通しは売上高9,400億円(前期比24.1%増)、営業利益1,220億円(2.6%増)の過去最高益を計画している。住宅・都市開発の進捗は計画通りで、仲介・CRE事業が特に好調であることから、上振れ余地も残る。海外事業は金利動向や為替の影響で計上タイミングがずれる可能性があるが、国内事業の強さがリスクを吸収する構造となっている。
同社は現在、3か年計画(2025-2027年度)の初年度にあり、2028年3月期に事業利益1,600億円、年平均成長率8%という高い利益成長を掲げている。住宅・都市開発の大型案件の進行に加え、賃貸住宅・シニア住宅への1,000億円、ホテル分野への1,000億円、物流施設への3,000億円投資など成長投資を加速。ホテルでは新タイプの宿泊事業を推進し、シニア住宅では健康増進プログラムと高品質住環境を組み合わせた差別化戦略を取る。また、資産・資本効率面ではネット投資3,500億円に抑制し、ROA・ROEの着実な向上を図る。海外は、ベトナム中心からフィリピンへ拡大し、先進国では米英の賃貸住宅・オフィスを柱に2軸で成長を狙う。
株主還元は14期連続の増配を予定し、2026年3月期の年間配当は36円(前期比2円増)。配当利回りは3.9%と高水準である。中期的には総還元性向40〜50%、DOE4%下限を掲げ、株主還元強化を明確にしている。また、自社株買いも選択肢としており、財務健全性・事業投資とのバランスを踏まえながら柔軟な資本政策を実行する方針だ。
同社は、四半期ベースでは計上タイミングの影響で業績が変動するものの、プロジェクト進捗や販売計画は中長期的に安定しており、一時的な振れに左右されず成長を続けられる事業構造となっている。加えて、住宅・都市開発ともに需要が堅調な市場環境が追い風となり、成長を後押ししている。高い資産回転力と安定したサービス収益、そして海外成長の余地により、今後も「利益成長と株主還元の両立」が見込まれる。高配当利回りと14期連続増配を背景に、長期投資としての魅力も高い企業である。
《HM》
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