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第3回 長期分散投資をするなら必ずインデックスファンドで

2007/05/14

資産運用に関して「安定志向」、「安全志向」が強い方にとっては、前回のコ ラムでご紹介した2つの投資手法

(1)「安く買って高く売る」
(2)「長期投資+分散投資」

のうち、(2) の方法が向いているといえます。(2) の方法は、(1) の方法で必 要となる知識やテクニックもいらず、株式投資や資産運用に時間をかけなくて も済むのです。そして、値動きの互いに異なる複数の資産に分散して投資しま すから、値動きのブレ幅も抑えることができます。

例えば、日本株式、日本債券、外国株式、外国債券に投資した場合、過去30年 の平均で、年率での利回りが、それぞれ8%、4%、10%、6%であったとし ましょう。そして、将来準備したい目標金額を達成するには、年率7%の利回 りが必要と計算されたとします。

すると、投資に回す資金を、日本株式、日本債券、外国株式、外国債券にそれ ぞれ25%ずつ振り分けて運用すれば、過去の実績から、(8%+4%+10%+ 6%)÷4=7%の利回りが期待でき、目標額に達するような運用ができる、 ということになります。

さて、(2) の方法にて資産運用をする場合、非常に重要なことがあります。そ れは、「必ず市場全体の値動きに連動したインデックスファンド」に投資する ということです。

上で例として数字をあげた、8%、4%、10%、6%という利回りは、あくま でも、日本株式なら日本株式の「市場全体」に投資した結果なのです。

仮に、インデックスファンドではなくアクティブ型のファンドを用いて (2)の 方法にて資産運用をおこなおうとすると、大きく次の2つの問題点が生じるこ とになるのです。

・20年、30年といった長期間の運用成果についてのデータがないため、過去の 実績から将来期待できる利回りを推定できない。そのため、例えば「年率7% の利回り」を目標としたとしても、日本株式、外国債券などといった各資産に、 資金をどのような割合で振り分ければ目標の利回りが期待できるかが計算でき ない。

・「各ファンドごとの運用成果の巧拙」という、将来の不確定要素が加わるこ とになり、運用結果がさらに大きくブレる可能性が出てくる。

くれぐれも、「アクティブ型ファンドに投資すれば、インデックスファンドよ りさらに高い利回りを見込める」などとは思わないようにしてください。事前 にどのアクティブ型ファンドが実際に市場平均より高いパフォーマンスを出せ るかなど分かりません。無理にアクティブ型ファンドで冒険するのではなく、 手堅くインデックスファンドでいくべきなのです。

特に老後の生活資金確保のための運用など、長期安定運用が必要なものについ ては、インデックスファンドを使った長期分散投資を心がけるようにしましょ う。

次回は、投資家にとって常に頭を悩ませる、「銘柄選び」について考えていき たいと思います。


足立武志
公認会計士、税理士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)
株式会社マーケットチェッカー取締役

1975年生まれ 神奈川県出身 一橋大学商学部経営学科卒業。資産運用に精通した公認会計士として、執筆活 動、セミナー講師等を通じ、個人投資家が資産運用で成功するために必要な知識や情報の提供に努めている。

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