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第6回 生き残りのために絶対必要な「損切り」

2007/06/24

株式投資ではいかにして利益を得るか、ということももちろん大事ですが、そ れよりもっと重要なことがあるのです。それは、「いかにして大失敗を防ぐか」 ということです。

日本の株式市場の歴史をみても、1989年のバブル崩壊、2000年のITバブル崩壊、 そして2006年の新興市場バブル崩壊と、事あるごとに多くの個人投資家が大き な痛手を被りました。その理由は、「買った値段より株価が大幅に下がってし まった」ためです。逆にいえば、買った値段より株価が大幅に下がる前に売っ ておけば、大損害は防げるということです。

つまり、株式投資においては、「損切り」を実行することが、自分自身の資産 を大きく目減りさせないために、そして取り返しのない失敗をしないためには、 絶対に必要なのです。

実は、多くの個人投資家は、「損切り」の重要性は頭では分かっているのです。 ただ、それを実行に移せないだけなのです。そんな方は、例えば「逆指値」の 注文を取り扱っている証券会社(主にネット証券)で、「損切りの価格を下回 ったら売り」、という逆指値の売り注文を出しておくのです。そうすれば、自 分の意思にかかわらず、機械的に損切りを実行することができます。

損切りのルールに特に決まったものはなく、自分に合ったスタイルでよいので すが、参考までに筆者が採用しているルールを紹介します。基本的には、買い 値が直近につけた安値を下回ったら損切りとします。上昇途中で買ったため、 直近の安値がない場合、または直近の安値と買い値が大きく離れている場合は、 買い値から最大で10%下がったら損切りします。

また、損切りは個別銘柄ごとに実行してもよいですし、複数の銘柄を1つのポ ートフォリオと考え、ポートフォリオ全体の買い値の合計額から10%下がった らポートフォリオに含まれる保有株をすべて損切りする、という方法もありま す。

評論家や専門家、ファイナンシャルプランナーの中には、「株式投資は長期保 有が前提で、長期的にみれば株価は上昇する。したがって、損切りなど不要で ずっと持ち続けていればよい」という人もいます。しかし、実際にバブル時の 高値で買った株が塩漬け状態になって困っている投資家が多く存在することか らも、この考え方は間違っています。

結果的に見れば、株価が下がっても持ち続けることで、その後株価が上昇して 買値を上回ることもあるでしょう。でも、それよりも株価が下がりつづけて、 取り返しのつかない損失が生じる事態だけは何が何でも避けなければなりませ ん。

「もう少し持てば上がるかも」という根拠の無い期待を持つのはやめ、取り返 しのつかない失敗になる前に、損切りをすべきなのです。もし損切りした後、 株価が反転して上昇に転じたならば、また買いなおせばよいだけの話です。 「いかにして儲けるか」ではなく、「いかにして損失を最小限にとどめるか」、 これが資産運用の世界で生き残るための鉄則です。


足立武志
公認会計士、税理士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)
株式会社マーケットチェッカー取締役

1975年生まれ 神奈川県出身 一橋大学商学部経営学科卒業。資産運用に精通した公認会計士として、執筆活 動、セミナー講師等を通じ、個人投資家が資産運用で成功するために必要な知識や情報の提供に努めている。

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