＜「まえがき」より＞
米国の経済は、日本のバブル経済とほぼ同じ磁器、クリントン政権下で徐々に回復に向かい、約十年間に及ぶ市場最長の好景気を記録しました。ところが、2001年はじめ頃から急激に悪化し、9月11日のテロ事件でほとんどとどめを刺されたような格好になりました。しかし、早くも2002年3月31日には1〜3月期の実質国内総生産はが年率5%前後の高成長になるとの予測が、発表されました。米国の景気はわずか1年でほぼ回復基調に入ったのです。企業の合理化、生産性と品質の向上、ベンチャービジネスの基盤の確立などによて、不況にも耐えられる体質が米国では形成されてきていたのです。米国の経済が、その下降期にも日本ほどのダメージを受けず短期回復が可能だったのはなぜか、米国企業の底力の根源は何かを考えることは、日本の景気回復対策を考えるうえで大いに役立つでしょう。
＜目次＞
プロローグ 本物の国際ビジネスマンがここにいる―国際的経営者四人からのメッセージ
第1章 小泉改革が唱えた「痛み」に応えるための日米ビジネス比較―働く意味と環境の違いを知る
第2章 米国型経営システムの強味、ストックオプション・社外重役―透明な経営とグローバルスタンダード
第3章 日本ではなぜベンチャー企業が育たないのか？―ベンチャー企業育成の日米格差を検証する
第4章 勝ち残るベンチャー企業はこうして造られる―教育現場で培われる米国のベンチャー精神
第5章 官民一体で行われるベンチャー支援―「人材投資」の意識がベンチャーを育てる
エピローグ 日本再生への期待―あとがきに代えて
＜著者紹介＞
樫木正行(かしき・まさゆき)
立命館大学理工学部卒業、京都大学工学博士号取得。丸善製油株式会社入社。米国丸善石油技術他党バイスプレジデントを経て、ローム&ハース社シップレーLLC(米国)に転職、国際マーケティング担当バイスプレジデントとして現在に至る。1997年から2001年8月まで、日米ビジネス比較論を「日米パーセプション。ギャップ」としてビジネス情報誌「エルネオス」に連載。2001年4月から現職のまま立命館大学客員教授に就任。
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