〜めざせヘッジファンド!〜
シカゴ絵日記


 

 

 

1月7日〜9日 フューチャーズ&オプションズ EXPO2000 (2)

 

今回のエキスポで印象的だったことは2つある。

どちらもキーワードは「IT」であったが、

1つは「グローベックス同盟、ユーレックス=CBOT同盟への包囲網整う」といったもの。

 

 

写真右はAtosEuronext社のエグゼクティブ・バイス・プレジデントのOliver de Beaufort氏。

左はADX(オーストラリア・デリバティブ取引所)のマネージング・ディレクターのJohn Herron氏。

ヒューロン氏は「テクノロジーが流動性を生む」と言い切る。

 

ドイツ製Eurexの成功に最も刺激されたのは、おとなりのフランスだったのかもしれない。

AtosEuronextは、Atosという、パリバ銀行の資本が13%入っているフランスのITプロバイダーと

Euronext取引所のジョイントベンチャーだという。

Globex2を開発したのが、このAtosEuronextである。

 

AtosEuronextは、これからのキーワードになるクリアリングシステムや、

(開発したクリアリング21はCMEとNYMEXのシステムだったりする)

その他金融システムの開発をしている。4000人の従業員がいるとか…。

 

開発した取引所システムをNSC(Nouveau Systeme de Cotation)といい、

Eurexのようにフランクフルト中心でなく、各取引所が(核となる部分は共通だが)

独自にカスタマイズできて、しかも取引所間で連携できるのが強みなのだそうだ。

そして現株や債権含め、上場商品ならなんでも24時間取引が可能だという。

 

Euronextは、パリ取引所(1998年にパリ証券取引所とMATIFが合併してできた)と

アムステルダム取引所ブリュッセル取引所が合併して

9月22日に正式発足したばかりの取引所である。

主力銘柄はMONEPというオプション部門にあるCAC40株価指数オプションで、

8月までの出来高が、前年比△22.3%の5479万5638枚と、世界4位である。

またMATIF部門のEuro Notional Bondも3304万9313枚で世界8位。

 

取引所としてもパリ取引所は、CMEを抜いて8月までの出来高が世界4位。

唯一出来高を減らしている3位のCBOTも、目と鼻の先にある。

 

Euronextのブースで、「赤ワイン」先物を上場したということで、

赤ワインのボトルをもらう。杯を交わした象徴といったところか?

 

 

ADXも、2001年1月12日に営業予定の新興取引所である。

パリ取引所の資本が11%入っている。

AtosEuronextのNSCシステムによる、24時間完全電子取引所。

非常に早くて、安くて、簡単なのだそうだ。

 

ADXのライバルはSFE(シドニー先物取引所)。

将来のGlobex同盟への加入を見据えているが、

まずはGlobexの一角、SGX(シンガポール取引所)との連携を強めていくということで、

11月7日に合意に達した。具体的には、上場商品の相互乗り入れのようだ。

もちろん日本との連携にも関心があるという。CMEとの関連から、交渉相手は東証か?

 

オープン・アーキテクチャーのシステム、低コストの電子取引、国際連携で流動性を作ろうという戦略のようだ。

取引所のハイテク化を独仏が競争する構図が面白い。時代はヨーロッパか。

 

 

 

 

写真の左がMEFF(スペイン金融先物取引所)。9月6日にGlobex同盟に加入したばかり。

右がBM&F(ブラジル取引所)。商品先物の割合は5%に満たないという。

個人的にはフロアが見られるところが楽しい。いつまであるのか怪しいので、ぜひ見に行きたい。

Globex同盟は、これに加えてCME、SGX、CDX(カナダ・デリバティブ取引所=モントリオール取引所)、Euronext

 

分からないことだらけだが、少なくとも時代が動いていることを体感できるだけで、

このエキスポは一見の価値がある。