TradeStation 2000i
受講ノート2

第2回 自分の相場観をチャートに表示してみよう

前回はインストゥールとデータの取り方を勉強しました。
今回はそのデータから実際にチャートを表示し、そこにテクニカル指標を組み込む方法を学びます。
データの取り方に支障が会った場合は、omegaresearch社のHPで、
そのケースに当たるかどうか調べることができます。

チャートの意義を定義する

 チャート上にテクニカル指標を図示する意味は、
トレードのための道標(ロード・マップ)を作成することにあります。
その道標をもとに、自分自身の売買規律に基づいた対応をします。

この「対応」の意味するところは、発注する場合、利益を取るための仕掛けの建玉方針だけでなく、
自分を守るための損限りの方針を含んでいます。
チャートで導かれる道標の中には、大けがをしないための道標があることを肝に銘じておく必要があります。
すなわち、建玉をするときには必ず、損限り注文を置く場所を絶対に決めておかなければなりません。

特にネットで売買する場合、マーケットが大きく動く中、注文が通らないことがあります。
日本から米国市場での売買をする場合、寝ている間に大きく引かされることもあるかもしれません。
この必ず損限り注文を置くことを「Disaster Stop」と呼んでいます。

損限り法には建玉法と同じく、個性があるのが前提ですが、
例えばLast Swing High(Low)を参考にするやり方があります。
そこから数ティック、リスク許容度に応じて損限り注文を置くやり方です。

 Last Swingはローカルズがよく参考にする指示・抵抗で、
ラリー・ウィリアムズの短期売買法』の29ページにも、その考え方が解説されています。

 「マーケットの魔術師」の一人であるトム・ボールドウィンは、
1000回の売買のうち800回がスクラッチ(トントン)で、150回が負け。残りの50回で財を築いたそうです。
手数料の無いローカルズならではですが、1打席1打席にこだわらず、
トータルで結果を残そうとする考え方は、参考にすべきでしょう。

売買の判断材料を定義する

売買判断は人それぞれですが、今回は移動平均線(Moving Average)トレーダーを例にして、
チャートの出し方を解説します。

  1. 移動平均線(8日と40日)で、マーケットのトレンドを判断します。
    そして短期線(8日)が長期線(40日)を割り込んだら売り、超過したら買いを建てます。

  2. そのフィルターとして、ADX(14日)でトレンドの強度を見ます。
    読み方としては、
    上昇=トレンド強大化
    下降=トレンド弱小化(手仕舞い期)
    80超=トレンドの最終局面
    20未満=トレンドの初期段階、と定義します。

  3. ストキャスティクスで、値動きとの逆行(ディバージェンス)を探します。
    このときトレンドが転換期にあると見て、売買方針の変更を考慮します。

では、実際にチャートを出してみましょう

デスクトップ上にあるアイコン「TradeStation」をクリックし、
トレードステーションを立ち上げる。[create a new workspace]をチェック→[OK]。

Workspaceは、エクセルのスプレッド・シートのように表示されますが、
そのスペースの中にいくつかのウィンドウを表示させることができます。
例えばWorkspace上に、ある銘柄のいろいろな時間枠のウィンドウを表示させたり、
関連する銘柄(オーツ、コーン、大豆)のウィンドウを並べて表示させたりするなど、
何かの目的に特化させます。

ツールバーにあるアイコンの[create TradeStation chart window]をクリックします。
すると「Create chart window」というダイアログ・ボックスが表示されます。
そこで見たい銘柄を[symbol]に記入します。
例えば、T-ボンドの2000年8月限であれば、「USU0」と記入します。
次に足の数や、種類などの設定が出てきますが、まずはそのままOKを押してみましょう。
するとチャートが表示されます。

では次に移動平均線を入れてみましょう。
[Insert]→[indicator]→[Mov Avg 2 lines]を選択→[OK]。
「Format Indicator」のダイアログ・ボックスが開きますので、
「Inputs」のパネルをみて、期間等の設定をします。
たとえば、「Length1」が「9」となっていますが、ここをダブル・クリックしてみましょう。
そうすれば、自分の好みの数値に変えることができます。
ここでは例として、「8」と「40」を入力してみます。
「Style」のパネルでは、表示する線の大きさ等を設定できます。
たとえば[weight]の[▼]ボタンを押して、幅を一つ太くしてみましょう。

同様にしてストキャスティクス(Slowの14日)、ADX(14日)を出してみましょう。

例えば、ストキャスティクスとADXを重ねて表示したい場合、
ADXの「Format Indicator」で、「Properties」のパネルを出します。
そこに「Subgraph」の[▼]を押して、[two]とすれば、
ストキャスティクスと同じ2段目に、表示することができます。

またテクニカル指標を一時的に隠しておきたい場合、
[format]→[analysis techniques]で「format analysis techniques」のボックスが開くので、
そこの[status]をクリックすれば、「off」に切り替わります。
右クリックで[format analysis techniques]を出しても、同様にできます。

時間枠の設定

開いたチャートは、ツールバーのアイコンにある[Data Compression]で時間設定を変えることができます。

1つのワークスペースに、どのようにウィンドウ画面を表示するかは人それぞれですが、
17インチのモニターであれば、1tick、100tick、3min、5min、30min、60minと6画面を置くことができます。
3分足が5分足よりもいち早くトレンドを確認することがあります。
2〜3日間の短期売買であれば、5分足、60分足、日足が、
数週間の中期売買であれば、60分足、日足、週足、月足が参考になるでしょう。

トレンドの考え方

マーケットがトレンドとなっている場合は、売り手と買い手が不均衡の状態にあると考えます。
逆に保合となっていれば、売り手と買い手が均衡状態にあると考えます。

強気トレンドの定義

短期線が長期線を下に割り込む寸前で、上方向に回復した場合、
「Kissed Up」といって、強気トレンドを確認したとみて、買いを仕掛けます。

TIPS


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