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1907年世界金融恐慌
本書の内容紹介にもふれているように、大恐慌といえば1929年世界大恐慌が有名ではあるが、本書は1907年の金融危機を題材にし、その広がりや不況の深さを時系列的に記している。なぜ暴落が起こったのかを7つの発生源を明示しながら分析していることが非常に興味深い内容となっている。また、2007年のグローバル金融危機も1907年の金融危機との類似点があったとの主張となっており、7つの発生源が存在していたとの分析であった。 さて、金融危機や恐慌やバブルについて書かれた著名な本として、「根拠なき熱狂」、「狂気とバブル」、「欲望と幻想の市場」、「大暴落1929」など市場心理やバブルが崩壊するプロセス等を知る上で参考になる書籍と同様に、本書もバブル崩壊を発生させるメカニズムについて、なぜ株価暴落が起こるのかを予知するヒントを与えてくれる価値ある内容となっております。最後に本書の肝である「完璧な嵐を生み出す七つの要素」つまり不況を生むシグナルについて触れながら、小生なりに現状の市場環境に照らす。
まだまだ考えるだけでも多くのことを記載できるが、つまり多くの複雑な要因が絡まりあった市場環境であり、何かをきっかけに一本の糸が切れ、解決なき心理状況に陥ることによって、いずれ現代版の金融バブルは大きく崩壊するのだろう。 投資家という立場からすれば、経済的な傷口を最小限にするためにも、歴史から学ぶ姿勢は大切だと思いますので、本書をご一読することをお勧めいたします。特に7つの発生源について触れている箇所の1907年・2007年当時の投資環境が明瞭に記されており、何度も読み返す価値があり、危機に適応する叡智を手にすることができるだろう。知は力なり。生き残れる投資家としてありたい。 三度の飯より相場好き
1907年の金融恐慌は、1929年の大恐慌より知られていませんが、この間の株式市場の下落率は37%位、期間は1年位であり、下落率なんと89%位!下落期間も驚きの4年位と長く深い1929年の大恐慌の時代より、金融政策や財政政策等が進歩している現代においては、1907年の金融恐慌のほうが参考になると思われます(ちなみに2020年のコロナショックの下落率は35%位)。よって、金融危機に至るところから終了まで詳細に記載してあるこの著書は、今後役に立つ局面が訪れる可能性があります(歴史は韻を踏む by マーク・トウェイン)。 この1907年の金融恐慌の間には、ハント兄弟の出来そこないである、ハインツ兄弟によるユナイテッド銅株の買占めや、金融界のドン、ピアポンド・モルガンの金融機関を救うための戦い、カリスマ性があったといわれるセオドア・ルーズベルト大統領(おいのフランクリン・ルーズベルトが1929年からの大恐慌のさなかに大統領になったのは歴史のめぐり合わせというべきでしょうか?)等の要人達が、金融危機に対してどのような対応したかが興味深い読みどころです。 ちなみに、この1907年の金融恐慌後にアメリカ中央銀行FRBが設置されたわけです。どっかの国のように、為替市場は管轄外といいながら、同じく管轄外の株式市場や債券市場にさんざん無駄に介入するという矛盾にとどまらず、通貨安での物価上昇で庶民を苦しめて、さらに金利抑え込みで政府の財政支出に免罪符を与えるという多くの弊害を生んだ総裁や、利上げしすぎで、不動産市場のみならず、経済自体をぶっこわして長期不況を招いた総裁など、独立性や存在自体に疑義が生じる中央銀行もありますが、それに比べてFRBは、「インフレファイター」ボルカーや「マエストロ」グリーンスパンなど、相対的に優れた金融政策をしているので、FRBの存在意義は設立から現代まで十分にあるといっていいでしょう。 bblue 50代 自営業兼投資家
米国の1929年大恐慌は大変有名だが、1907年の金融危機はその危機の広がりや不況の深さにおいて勝るとも劣らない。 本書は1907年の金融恐慌について、その背景や米国金融市場全体に広がっていった様子など数日の動きを克明に追うことで当時の状況や海外市場への連鎖など正確に再現している。 特に金融危機の詳細な分析において、「大規模な金融危機は、投資家や預金者が警戒心をもって反応してしまうような独特な力、つまり、市場を襲う完璧な嵐と呼ぶにふさわしいエネルギーが一点に集中することによって発生する」という指摘は、まさしくその通りだと思う。 歴史と相場は繰り返すもの。予め当時の状況を正確に理解しておけば、万が一、同様の事象が発生しても、上手く対処できるのではないだろうか。是非、一読をお勧めする。 炎のディーラー 投資歴27年 商品説明ページへ お買い物かごに入れる
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