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フィスコ投資ニュース配信日時: 2026/03/13 16:43, 提供元: フィスコ Zenken Research Memo(3):専門領域特化型メディアと海外人材の育成、不動産賃貸を展開(1)*16:43JST Zenken Research Memo(3):専門領域特化型メディアと海外人材の育成、不動産賃貸を展開(1)■事業概要 1. 事業内容 Zenken<7371>はWEBマーケティング事業を展開するマーケティングセグメント、海外のエンジニア人材や介護人材等を日本企業へ紹介する人材事業や語学研修・教育、留学斡旋などを手がける海外人材セグメント、保有不動産の賃貸を行う不動産セグメントの3つの事業を展開している。 (1) マーケティングセグメント マーケティングセグメントは主に、ニッチ市場に特化した専門メディアを通じて、企業の集客支援を行っている。延べ8,400以上のメディア制作・運用実績を有しており、クライアント企業の商品・サービスの特徴と合致するニーズを持つユーザーをマッチングさせる制作技術とノウハウを蓄積してきた。 事業の起点となるのは、クライアントが勝つべき市場や競争環境を整理し、どのようなターゲットに、どのような訴求と手段で価値を届けるべきかを設計することである。同社は、クライアント商材の強みや独自性が生きる市場を徹底調査し、業界研究や競合分析をもとにポジショニング戦略を提案するとしている。 近年、Web検索に加えて動画やSNS、AIを介した情報接触が広がるなか、同社の専門メディアは単なる集客手段ではなく、市場構造や競争環境を俯瞰し、クライアントの最適解を見極めるための戦略基盤として機能している。そのうえで、Webメディアという単一チャネルでの集客に依存するのではなく、適切なタッチポイントを見極めながら施策を組み立て、新たな見込み顧客の開拓・創出を支援する。中期経営計画でも、従来のWebマーケティングによる集客支援に加え、チャネルの多角化や支援領域の拡張を通じて顧客成果の最大化を目指す方針を示している。 さらに、BtoBの製造業に関しては、AIに推薦(引用)されることがWeb集客に効果をもたらすことが確認されており、LLMO(Large Language Model Optimization)やGEO(Generative Engine Optimization)といったAIの参照元として利用される頻度は高い水準にある。これは、Web上にはない、AIでは代替できない専門性の高い一次情報を取得し、AIに選ばれる状況をつくっていることが要因である。開示資料でも、高い専門性・信頼性・構造化されたコンテンツがAIに選ばれる傾向があることを、同セグメントのトピックとして示している。 (2) 海外人材セグメント 海外人材セグメントは、日本企業の人材不足という構造的課題に対し、海外人材の紹介と教育を組み合わせたソリューションを提供する事業である。主な顧客は、エンジニア人材や介護人材等の確保に課題を抱える企業である。同社はエンジニア人材ではインド・ベンガルールの工科系大学、介護・宿泊分野ではインド政府系機関NSDCIやインドネシアの送り出し機関などと連携し、日本語教育、就労後の定着支援までを一貫して担い、単なる人材紹介にとどまらない仕組みを構築している。 人材事業では、主に海外エンジニア人材と海外介護人材等の紹介を行っている。エンジニア分野では、将来的な人材不足を背景としてインドの有力工科大学と提携し、現地大学内に設置したジャパンキャリアセンターを通じて日本企業とのマッチング機会を創出している。理工系教育を受けた学生に対して日本語教育や就労支援を行い、紹介手数料と教育関連収益を得るモデルである。介護分野では、インドやインドネシアの特定技能人材を中心に紹介を行い、登録支援や生活支援までを含めた定着支援を提供している。介護福祉士資格の取得を見据えた5年間の語学教育プログラム「ZENKEN NIHONGO 介護」を展開し、長期就労を前提とした育成を行うとともに、埼玉県久喜市の介護施設運営を通じて、外国人材活用のモデルケース構築にも取り組んでいる。また自治体からの受託事業も拡大しており、受け入れから資格取得支援までを包括的に支援する体制を整えている。加えて、美容業界に特化した求人メディア「美プロ」を運営し、広告収益を得ている。 教育事業では、法人向け語学研修、留学斡旋、日本語教育を展開している。法人向け語学研修では、企業のニーズに応じたカリキュラムを自社開発し、TOEIC対策やビジネス英語、海外赴任前研修など実務直結型の講座を提供している。講師は厳格な選考と研修を経て配置され、対面とオンラインの双方でサービスを提供している。留学斡旋事業では、米国大学への正規留学を軸に高校留学・交換留学・企業派遣留学など幅広いプログラムを取り扱う。円安環境下でもマレーシアなどアジア圏への留学需要を取り込み、多様な選択肢を提示している。日本語教育事業では、法務省及び文部科学省の認可を受けた日本語学校を運営し、日本企業で就業可能な水準までの教育を提供している。 同社の強みは、人材紹介と教育機能を統合した垂直統合モデルにある。海外大学との直接連携により母集団形成を内製化している点は参入障壁となる。日本語教育や資格取得支援を自社で行うことで定着率向上に寄与し、受け入れ企業の負担を軽減している。また自治体や教育機関との連携実績も信頼性を高める要素である。人材不足という中長期的テーマを背景として、人材紹介・教育・定着支援を一体で提供する体制が同業他社との差別化要因となっている。 (3) 不動産セグメント 不動産セグメントは、自社保有ビルの賃貸により安定的な収益を確保する事業である。東京都新宿区に立地するオフィスビルを、企業や各種法人に賃貸している。都心の交通利便性を生かし、事業活動の拠点を求めるテナントにオフィス空間を提供している。同社は「全研プラザ」「Zenken Plaza II」と2棟のオフィスビルを保有している。いずれも新宿駅から徒歩約5分の立地にあり、交通アクセスに優れている。「全研プラザ」は地上10階建てで、延床764坪を一括で貸し出している。まとまった面積を確保できるため、本社機能やコールセンターなど一定規模の拠点ニーズに対応できる設計となっている。「Zenken Plaza II」は1フロア約50坪の区画を10フロア分有しており、フロア単位での賃貸が可能である。成長段階に応じて拡張を検討する企業や、独立性の高いオフィス環境を求めるテナントに適している。収益源は不動産賃料が中心であり、同社の事業ポートフォリオにおける安定収益基盤を形成している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬) 《HN》 記事一覧 |