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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/03/26 12:06, 提供元: フィスコ

アンジェス Research Memo(6):OMNI技術供与先の開発パイプラインで2026年の臨床試験入りを見込む

*12:06JST アンジェス Research Memo(6):OMNI技術供与先の開発パイプラインで2026年の臨床試験入りを見込む
■アンジェス<4563>のEmendoBioの開発状況

2. 事業戦略
EmendoBioはイスラエルの紛争長期化もあって2024年に事業構造改革を実施し、現在はゲノム編集技術に関する研究者とITエンジニアで20名程度の体制である。事業戦略としては財務状況を踏まえ、これまで開発してきた250を超えるOMNIヌクレアーゼやOMNIプラットフォームのライセンス活動に集中している。

ライセンス契約に関しては、2024年3月にがん免疫療法の一種であるTCR-T細胞療法※1の開発で業界をリードするスウェーデンのAnocca※2と、OMNI-A4ヌクレアーゼの使用権についての非独占的ライセンス契約を締結した。AnoccaはOMNI-A4ヌクレアーゼを用いて、難治性固形がんにおけるKRASタンパク質の変異を標的とした開発を進めている。また、2025年9月には同ライセンス契約の適用範囲を拡大することに合意したことを発表した。AnoccaではOMNI技術を高く評価しており、今後の開発パイプラインにもOMNIヌクレアーゼを積極的に活用していくものと見られる。Anoccaでは2026年にもOMNI-A4を用いた開発パイプラインの臨床試験を開始する予定で、マイルストーン収入が見込まれる。なお、当初の契約では契約一時金も含めてマイルストーンの総額が最大100百万USドルであったが、ライセンス契約の適用範囲を拡大したことでさらに膨らむ可能性がある。なお、TCR-T細胞療法では、Adaptimmune Therapeuticsの開発したアファミトレスゲン オートルーセル(TECELRA)が転移性滑膜肉腫の一部を適応対象として、2024年8月に米国で初めて製造販売承認を取得している。

※1 TCR-T細胞療法とは、患者のリンパ球を採取し、がん抗原特異的なT細胞受容体(T-Cell Receptor)をT細胞に導入して再び患者に輸注する遺伝子改変T細胞療法のことで、難治性固形がんでの開発が進められている。
※2 2014年に設立されたバイオベンチャーで、科学者・エンジニア・ソフトウェア開発者を中心に従業員数は100名を超える。特定の抗原を認識するTCRを発現するT細胞を選別、培養する技術を保有しており、複数のがん標的に対するTCR-T細胞療法のライブラリーを持ち、40を超える製品候補を抱えている。

そのほかの企業との契約交渉については、現在スイスの製薬企業1社でOMNIプラットフォームの技術評価試験を進めているようで、高評価が得られれば2026年内にもライセンス契約に発展する可能性がある。また、2025年1月には米国スタンフォード大学と、ゲノム編集技術を用いた新規がん治療法の開発に関する共同研究契約を締結した。遺伝性の難治性乳がん治療について、スタンフォード大学が持つ細胞への薬剤送達技術と、EmendoBioのOMNIヌクレアーゼを使ってがん細胞特異的にゲノム編集を行い、がん細胞の治療抵抗性を低下させることにより、がん細胞のみを死滅させる新たな治療法の開発を目指している(研究期間約2年、研究費約130万USドルを予定)。2026年末頃に研究成果を論文として発表する予定だ。また、開発した技術の知的財産をスタンフォード大学とシェアするため、必要となる拠点(小規模ラボ)を大学近辺に設ける予定だ。OMNIヌクレアーゼの開発については、今後コンピュータサイエンスの技術力が必要となるが、スタンフォード大学には同領域で優秀なエンジニアが豊富に在籍しており、将来的にはこれら人材をリクルートして米国に研究開発拠点を移すことも検討している。



■ACRLの取り組み状況

スクリーニング検査から確定検査、バイオマーカー検査へと領域を拡大

2021年7月より開始した希少遺伝性疾患の拡大新生児スクリーニング検査は、検査数が2022年12月期の約1万件から2倍増ペースで拡大し、2025年12月期は約9万件を受託した。CReARIDからの検査受託に加え、2024年8月以降は群馬県、沖縄県などの地方自治体(またはその関連団体)からも受託を開始したことが要因だ。2025年からは新たに長野県からの受託を開始したほか、CReARIDが2025年3月末で受託サービスを終了したことに伴い、直接クリニックから検査を受託するようになり、1件当たりの単価も上昇した。ただ、検査機器や人的リソース面で処理能力が上限に達している状況にあり、2026年12月期においては微増にとどまる見通しだ。能力増強投資については、HGF遺伝子治療用製品の上市を経営の最優先課題として資金を投下する計画のため、実施時期については財務状況などを見極めて決定する方針だ。

同社は検査領域拡大の取り組みとして、2024年5月より希少遺伝性疾患の遺伝学的検査(確定検査)を開始した。さらに、2025年9月よりムコ多糖症の2次スクリーニング並びに経過観察、治療効果のモニタリングなどを目的としたバイオマーカー検査についても開始し、希少遺伝性疾患検査をワンストップで提供できる体制を構築した。従来、これらの検査をすべて行う検査所はなく、医療機関では異なる検査所に依頼する必要があり手間がかかっていたため、同社の検査所を活用することで利便性も向上する。確定検査やバイオマーカー検査の件数そのものは圧倒的に少なくなるため、業績への直接的なインパクトは軽微だが、これら希少遺伝性疾患に関する検査を多く行うことで、新たな治療薬候補品を見出す機会が増えるため、今後も同事業への取り組みを継続する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《HN》

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