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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/05/13 14:03, 提供元: フィスコ ククレブ Research Memo(3):コンパクトサイズのCREを対象にソリューションサービスを提供(1)*14:03JST ククレブ Research Memo(3):コンパクトサイズのCREを対象にソリューションサービスを提供(1)■ククレブ・アドバイザーズ<276A>の会社概要 2. 事業内容 同社は、CREのなかでも大手不動産企業が金額規模などの問題で取り扱わないコンパクトサイズ(数億円〜おおむね20億円)の工場・物流倉庫・研究所等の物件にフォーカスして、不動産テックを活用しながら企業間の不動産ニーズのマッチングやソリューションの提供を行っている。これらを通じて、今あるストック(不動産)を大切に再生するという想いを「Compact CRE for Reborn」として表し、その頭文字を取った「CCReB(ククレブ)」が同社社名の由来となっている。 (1) ビジネスモデル 同社は、不動産テックを自社で活用し効率的にCREソリューションビジネスを展開しながら、不動産テックについては外部販売しサブスクリプション収入も獲得している。事業はCREソリューション事業の単一セグメントであるが、CREソリューションビジネスと不動産テックビジネス(外部販売)の2つのビジネスを展開しており、2025年8月期中間期の売上構成比はCREソリューションビジネスが95.4%、不動産テックビジネスが4.6%となっている。 CREソリューションビジネスのサービス提供フローは、新規案件探索のための情報入手ツールとして、「CCReB AI」「CCReB CREMa」を活用している。「CCReB AI」では、企業の有価証券報告書や中期経営計画書、各種IR資料、財務データが蓄積されており、これら膨大な定性・定量情報をAIエンジンで分析することで、企業の潜在的な不動産ニーズを可視化し、スコアリングしている。同社は一定以上のスコアとなっている企業に対して、CREアドバイザリーをはじめとした各種CREソリューションサービスを提案し、成約につなげている。不動産売買のマッチングに関しては「CCReB CREMa」も活用している。「CCReB CREMa」ではCREに関する6千件超の売買/賃借案件が登録されている(所在地域や規模、業種など簡易な属性データ)。登録データを拡大することでマッチング確率・案件数も増加するため、同社では「CCReB CREMa」の登録データを収益成長を図るための生簀(いけす)と捉え、KPIとして位置付けている。そのほか不動産テックとして、業界の最新情報を収集・分析・発信するBtoBポータルサイト「CCReB GATEWAY(ククレブゲートウェイ)」や、各種テックシステムとこれまでに蓄積してきたCRE提案ノウハウをベースデータに生成AIを活用したCRE提案サポートシステム「CCCHAT(ククチャット)」を開発・運用している。「CCCHAT」は社内システムとしてCREアドバイザリー業務に活用しており、これを活用することで業務経験が少ない営業社員でも効果的な営業提案を行うことが可能となり、生産性向上に寄与している。 (2) CREソリューションビジネスの概要 企業のCRE戦略をサポートするために、同社は顧客(企業・不動産プレイヤー)のニーズに合わせて、CREアドバイザリー、CREファンド組成、プロジェクトマネジメント、バランスシート(以下、B/S)を活用した不動産投資・賃貸、不動産仲介といったソリューションサービスを提供している。2024年8月期の売上構成比は、B/Sを活用した不動産投資で29.9%、B/Sを活用した不動産賃貸で21.2%、不動産仲介で22.2%と3つのソリューションでほぼ8割を占め、CREアドバイザリーが6.7%、CREファンド組成が4.3%、プロジェクトマネジメントが4.0%となっている。 CREアドバイザリーでは、企業に対してCREの有効活用(売買、賃貸、その他取引)に関するソリューションの提案・助言を行うほか、不動産プレイヤーに対してCRE営業戦略の助言などを行っており、これらコンサルティングに関する固定報酬やアドバイザリー報酬を売上げに計上している。このため、売上総利益率は9割程度と高くなっている。(なお、いずれのサービスにおける売上総利益率も目安となり、個別案件によって売上総利益率は異なる可能性がある。) CREファンド組成は、資産の売却意向を有する企業に対してSPC※等を活用して他の不動産プレイヤーとともにファンドを組成し、同資産の取得から運用・売却までをマネジメントするサービスとなる。同社単独で固定資産を取得するケースもあるが、15億円以上の案件に関しては資金負担が大きくなるため、ファンド組成により顧客ニーズに応えている。サービス対価として、ファンド運営に伴うアセットマネジメント報酬やプロパティマネジメント報酬、出資金に応じた配当収入を売上げに計上している。売上総利益率は7〜8割程度となる。なお、大型物件に関しては大手不動産会社に紹介して、仲介手数料を獲得するといったケースもある。 ※ 企業が保有する資産の流動化や資金調達などを目的に設立される特別目的会社。 プロジェクトマネジメントでは、資産の保有意向を有する企業に対して、CREの有効利用に関する提案及び実施、テナント誘致・建物プラン策定・ゼネコン選定などのコンサルティングサービスを提供しており、同サービス提供に関する報酬等を売上げに計上している。プロジェクトごとの期間は比較的長く、売上総利益率は7割程度となっている。 B/Sを活用した不動産投資・賃貸は、売却意向を有する企業の資産を同社で取得し賃貸収入や売却収入を得るビジネスのことで、売却時の売上総利益率は3〜5割、賃貸収入に関しては修繕工事や維持費用などがかかることもあり2割程度となっている。売却に伴う利益率は、(入札ではなく)直接取引先から相対取引で取得することができるなどの要因により、一般的な不動産の売却における利益率よりも高い水準にある。 不動産仲介は「CCReB CREMa」を利用した不動産売買・賃貸の仲介サービスであり、媒介手数料収入を売上げに計上している。売上総利益率は9割程度となる。「CCReB CREMa」は物流施設や工場など事業用不動産に特化したマッチングシステムで、秘匿性を保ちながら全国のユーザー(企業、不動産会社、金融機関、設計・建築会社)との物件情報のマッチングを行っている。物件の所在地(市町村レベル)エリアや用途地域(工業地域、住居専用地域等)、資産の規模などいくつかのデータを登録し、マッチングエンジンを使ってスコアリング化してマッチング確率のランキング表示を行っており、スコアが一定以上の案件についてアプローチしていくため、成約までの期間を短縮化することが可能となる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》 記事一覧 |