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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/05/22 12:03, 提供元: フィスコ 株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(3)*12:03JST 株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(3)ヘリオス<4593> 我々が開発している細胞治療薬は、すでにある標準的な治療薬に加えて併用することによって、そうした「自立して生活できる方」の割合を、明確に増やすことができるというデータが出てきております。非常に期待が持てる薬であると考えています。 ●はっしゃん はい、ありがとうございます。 実は私の父も、脳梗塞を経験しているのですが、やはり一度発症すると脳細胞が死んでしまって、結果として半身が動かなくなる、そういった後遺症が残ってしまうんですよね。そこでお伺いしたいのですが、たとえばiPS細胞のような「万能細胞」を注射することで、失われた脳の細胞の代わりとなって、それが脳機能を再生させる、あるいは復活させる、そういったイメージで考えてよいのでしょうか? ■ヘリオス 鍵本様 はい、そうですね。 脳梗塞の治療方法、そして我々の薬の作用メカニズムについてですが、当社が想定している仕組みは、今からご説明するようなイメージになります。 完全に死んでしまった細胞を再生させるということではありません。というのも、我々の免疫システム、つまり体内のバイ菌などをやっつける仕組みは、決して完璧ではないんです。 まず、脳梗塞が起きると、血管が詰まります。そして、その先にある細胞へ血液が届かなくなります。すると酸素も届かなくなり、その部分の細胞がまず死んでしまうわけです。 問題はその後です。死んでしまった細胞が、周囲に「サイトカイン」と呼ばれる物質を放出し続けます。そのサイトカインによって、まだ健康だった周囲の細胞にも影響が及んでしまう。つまり、死んだ細胞が近くにあることで、免疫システムが「このあたり一帯が感染しているのではないか」と勘違いし、必要のない範囲まで攻撃を始めてしまうんです。 当社の治療アプローチでは、骨髄由来の細胞を大量に投与することによって、この免疫の暴走を止める「そこはもう攻撃しなくていい」「そこは敵じゃない」と、免疫にブレーキをかけるような役割を果たします。その結果、不要なダメージを抑えることができるというわけです。 これが、我々が想定している治療メカニズムであり、実際に日本国内において約200名の患者さんにこの細胞を投与した結果、こうした働きがあることがわかってきました。 ●はっしゃん なるほど。少し複雑なメカニズムではありますが、要するに「二次災害」の影響が非常に大きいということなんですね。 ■ヘリオス 鍵本様 そうです。まさに「二次災害」のようなものですね。 その免疫の暴走をしっかり抑えることによって、患者さんの「予後」、つまり、自分で生活できるようになる方の割合が大きく増えるという結果が出てきています。 ●はっしゃん それは本当に、完成させていただきたいですね。正直、そう思います。 ■ヘリオス 鍵本様 我々としても、1日でも早く薬として実用化できるように、現在、規制当局との協議を進めております。何としても薬にしていきたいと考えています。 ありがとうございます。それでは、少し話を戻させていただきます。 医薬品にはいろいろなタイプがあり、それぞれにモダリティ(治療手段)があります。その中で、我々はまず「骨髄由来の細胞」を先行して開発してきております。 会社としては、2011年に創業し、2015年に上場を果たしました。現在は社員数が58名ほどで、住友ファーマ様との合弁会社など、複数の関連子会社とともに事業を進めています。 こちらに会社設立時の「設立趣意書」があるのですが、すべてを読み上げることはいたしません。ただやはり、新しいクラスの薬を世の中に出すというのは、それなりに胆力が必要なことだと、私自身強く感じています。 私はもともと、九州大学の眼科で見つかった薬を1社目で事業化し、世界中のデファクトスタンダードとなるまでに育て上げました。米国FDAの承認も取得し、グローバルに流通する医薬品として確立することができました。 ただ、その道のりは決して平坦ではなく、本当に山あり谷ありでした。それでも、医薬品というのは、患者さんのもとに届くまでは絶対に諦めてはいけないという信念を持って取り組んだ結果、その薬は今、多くの国で使われ、非常に高く評価されているものになっています。 今回のプロジェクトも、まさにそれと同じです。この後でもお話が出てくるかと思いますが、4年ほど前に、脳梗塞と肺炎に対する医薬品の承認取得を目指していましたが、当時は思うように進まず、株価も下落しました。 しかし現在、肺炎に関しては承認申請の道筋がきれいに整ってきています。脳梗塞についても、承認に向けた具体的な調整が進みつつある段階です。この2つの薬をしっかり世に届けることを、今年中に確実に実現したいと考えています。 当社は神戸に研究体制を構築しており、博士号を持つ研究者が多数在籍しています。日々、iPS細胞の研究や、骨髄由来の細胞の製造、品質管理など、多岐にわたる業務に取り組んでいます。 1つ強調したいのは、当社が企業として以下の5つの機能をすべて社内に保有している点です。遺伝子改変、動物実験、分析、業務プロセスの開発など、医薬品開発における一連の研究開発を自社内で完結できる体制があることが、大変重要だと考えています。これは「垂直統合」と言われますが、外注では難しい領域です。新しい医薬品をゼロからつくり上げるには、すべてを社内で管理・開発する必要があります。 株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(4)に続く 《MY》 記事一覧 |