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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/07/02 15:06, 提供元: フィスコ 日産東HD Research Memo(6):「店舗ネットワーク刷新戦略」を加速*15:06JST 日産東HD Research Memo(6):「店舗ネットワーク刷新戦略」を加速■業績動向 3. トピックス 日産東京販売ホールディングス<8291>の中期経営計画における「店舗ネットワーク刷新戦略」を加速するため、2025年3月期は新規出店・移転・建替え・リニューアルを過去最多となる7拠点で実施した。内訳は、東伏見店(2024年4月)、東八三鷹店(同年8月)、U-Carひろば鹿浜店(同年9月)、ルノー練馬・アルピーヌセンター練馬(同年10月)、葵交通(同年5月)、「車検館」青梅店(25年1月)、八王子店(同年3月)で、顧客利便性の向上、従業員の働きやすさ、店舗機能の高度化を図った。特にEVに対応するインフラ構築や、次世代型店舗としてエネルギーマネジメントなどを積極的に推進するとともに、ソーラーパネルやEVのリユースバッテリーを活用して地域の環境や防災に貢献する蓄電システムを設置するなど、モビリティ拠点としての役割も強化した。 2025年3月期は、これらの店舗ネットワークをベースに、継続的に地域や社会への貢献を行った。東京都が実施する「TOKYOこども見守りの輪プロジェクト」に参画し、2024年6月に東京都との間で覚書を締結した。また、同社の販売店や事業所において地域の子どもたちの安全・安心を見守る活動に取り組んだ。地域で開催される様々なイベントにおいてEVを活用した電力を提供、災害など万一の際に活用でき静かな非常用電源として好評であった。日産東京販売が運営する「三郷ファーム」では、水耕栽培により生産した多種多様な野菜を、定期的に子ども食堂に寄付している。また、2014年以降、交通遺児育英会への寄付を毎年続けている。 新型車などで増収予想も、先行費用で減益見込み 4. 2026年3月期の業績見通し 2026年3月期の業績は、売上高145,000百万円(前期比2.4%増)、営業利益7,000百万円(同5.6%減)、経常利益6,500百万円(同11.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益4,000百万円(同7.2%減)を見込んでいる。減益予想とはいえ営業利益は引き続き高水準を見込む。持続的成長に向け、人的資本の充実や顧客利便性の向上、店舗投資など中期経営計画に沿った取り組みを引き続き着実に進め、事業の成長を図るとともに企業価値の向上に努める考えである。 売上面については、新型車やマイナーチェンジ車の投入と、店舗ネットワーク刷新により増収を見込む。そのため、試乗車や出店(大型2店の統合・移転・増床を予定)など積極投資を実施する計画である。こうした積極投資は試乗車の管理や在庫効率化によって吸収する予定だが、物価上昇に伴うコスト圧力に加え、待遇向上や採用・教育、働く環境の整備などの人的資本投資や、支援システム導入といったDX投資などの先行的な費用の増加により営業利益は減益を見込んでいる。 事業別では、新車販売は、2025年6月に発表された新型「リーフ」と、人気ゾーンの新型ハイブリッド軽自動車の新型車の計2車種がけん引し、マイナーチェンジ車を含めて販売台数と収益をともに引き上げる計画である。また、前期の店舗ネットワーク刷新が集客力と商談力の向上に通期寄与するとともに、AIを活用した営業支援(顧客ターゲティング・販売スキル支援・在庫管理)によって販売活動の効率化と受注率の向上を図る。特に、これまで営業マンの勘所で見極めていた顧客ターゲットを販売ビッグデータから抽出できるようにしたり、ロールプレイングを人対人から人対AIにすることで様々なシチュエーションへの対応を1人で習得できるよう販売スキルの向上を効率化する。個人リースについては、構成比が拡大することを想定しており、新車販売台数の増加とともに顧客基盤の強化につなげる考えだ。 中古車販売は、足元は相場が緩やかに下落しはじめたため減収を想定するが、高収益な小売販売の比率を一段と高めることで収益の最大化を進める。中古車個人リースは、引き続き拡販を進めることで再販車両の活用と新たなリピート需要の創出を図る。整備事業は、35万件の顧客基盤を背景にした安定的な整備入庫により微増収を見込み、「車検館」は新規出店効果(青梅店)などにより4期連続増収増益を予想する。手数料収入等は、新車の販売拡大により増加に転じると見られる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《HN》 記事一覧 |