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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/08/07 15:01, 提供元: フィスコ 川辺 Research Memo(1):2025年3月期は大幅増益で着地。2026年3月期は先行投資により減益を予想*15:01JST 川辺 Research Memo(1):2025年3月期は大幅増益で着地。2026年3月期は先行投資により減益を予想■要約 川辺<8123>はハンカチーフ、スカーフ・マフラー、フレグランスなど身の回り品・服飾雑貨の製造卸売・小売を展開する老舗専門商社である。海外有名ブランドの百貨店向け卸売を主力として、「インターモード川辺」の名称で多様な消費者ニーズに対応している。 1. 2025年3月期の連結業績概要 2025年3月期の連結業績は売上高が前期比2.3%減の12,769百万円、営業利益が同21.8%増の307百万円、経常利益が同17.4%増の417百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同54.2%増の411百万円となった。期初計画に対して売上高は計画を下回ったものの、各利益は計画を上回る大幅増益で着地した。売上面は物価高に伴う節約志向の高まりや、一部の国内大手量販店の閉店・売場面積縮小などの影響を受けた。利益面は訪日外国人旅行客(インバウンド)の需要拡大に伴って百貨店販路のグループ内製造商材(プリントハンカチーフなど)の好調な推移が寄与した。また、フレグランス事業が商品企画力や販売チャネルの拡充効果で黒字化が定着した。 2. 2026年3月期の連結業績予想概要 2026年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比5.5%増の13,470百万円、営業利益が同25.4%減の229百万円、経常利益が同9.1%減の379百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同45.3%減の225百万円としている。売上面は新規販路の開拓なども推進して増収を見込む。利益面は、新規商材に対する先行投資などを考慮して、減益予想としている。 3. 中期経営計画 同社は「中期経営計画2023NEXT」(2024年3月期〜2026年3月期)を策定し、定量目標は2026年3月期売上高14,550百万円、経常利益300百万円、配当性向40%以上としている。定量目標の達成状況として、経常利益については既に2024年3月期に前倒しで達成した。進捗率はおおむね順調であり、収益力の向上が進んでいると弊社では評価している。次期中期経営計画(2026年5月頃に公表予定)については、単に人件費や原材料費の高騰に対応した「価格転嫁」ではなく、同社の強みである「川上の製造から川下の販売までカバーする垂直型のサプライチェーン」を生かし、消費者が価値を感じる商材を企画・開発・製造・販売して付加価値向上につながる「価値転嫁」へビジネスモデルを転換し、顧客創造・収益拡大・企業価値向上へつなげていく基本方針を示している。 ■Key Points ・ハンカチーフ、スカーフ・マフラー、フレグランスなど服飾雑貨の老舗専門商社 ・2025年3月期は期初計画を上回る大幅増益で着地 ・2026年3月期は先行投資などを考慮して減益を予想 ・次期中期経営計画の基本方針として、「価格転嫁」から「価値転嫁」へのシフト示す (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展) 《HN》 記事一覧 |