携帯版 |
![]() |
![]() |
|
フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/09/03 11:01, 提供元: フィスコ Jオイル Research Memo(1):2025年3月期は過去最高益を達成するなど、修正後の中期経営計画は順調に進捗*11:01JST Jオイル Research Memo(1):2025年3月期は過去最高益を達成するなど、修正後の中期経営計画は順調に進捗■要約 1. 油脂メーカー大手で、「おいしさ×健康×低負荷」をテーマに付加価値を提供 J-オイルミルズ<2613>は、(株)ホーネンコーポレーション、味の素製油(株)、吉原製油(株)の3社が統合して設立された油脂メーカー大手である。油脂事業では主に家庭用油脂、業務用油脂、ミールの製造・加工・販売を行い、スペシャリティフード事業において、乳系PBF部門では業務用マーガリン、食品素材部門ではスターチ製品や、トコフェロールなど大豆機能性素材、大豆シートなどの製造・加工・販売を行っている。あぶら、でんぷん、たんぱくなどの植物性原料に、独自の加工技術やアプリケーション技術を用いることで、従来の「おいしさ×健康」というテーマに“低負荷”を加えた付加価値を提供し、社会課題の解決への貢献を目指している。原料を輸入に依存しているため、海外の市況変動に影響されやすい収益構造だが、統合3社が培ったノウハウや技術に加え、3社が融合したからこそ発揮できる強みを基盤に、収益性と成長性の向上を図っている。 2. 三者三様の強みから、素材、技術力、顧客接点という強みに進化 同社の強みの源泉は、統合した3社がそれぞれ持っていた強みとそのシナジーにある。もともと味の素製油は油脂のおいしさ研究などに、ホーネンコーポレーションは原料を使い切る取り組みなどに、吉原製油は油種のバラエティなどに強みがあった。こうした三者三様の強みを掛け算することで、広範な商品カテゴリーの確立といった同社の特徴を醸成してきた。近年は、3社が統合から融合へとステージを引き上げたことで、スターチなどおいしさをデザインするために必要となる様々な素材、そうした素材を要素技術と組み合わせて長持ち機能など顧客の課題解決につなげる技術力、コンビニや外食など業務油脂から日本全国の一般飲食店まで幅広い顧客接点という強みを発揮している。 3. 修正後の第六期中期経営計画は順調に進捗 同社は、成長基盤の確立と成長加速によって持続的に成長するという2030年度の目指すべき姿に向け、2025年3月期を最終年度とする第六期中期経営計画を実行していた。しかしタイミング悪く、ウクライナ情勢の悪化に伴うさらなる原材料価格の急激かつ長期的な高騰や、新型コロナウイルスの影響による外食需要の低下、急速な円安など環境が大きく変化し、2022年3月期〜2023年3月期の利益水準が大きく低下した。このため、第六期中期経営計画を2年延長して見直しを行い、構造改革と収益基盤の強化、積極的な投資など成長に振った戦略を推進している。目標値も一部修正し、2027年3月期に営業利益110億円などを目指している。修正後は、2025年3月期に過去最高益を達成したほか、外部環境に応じた適正価格での販売や、業務用油脂の販売重量の拡大など、順調に進捗している。 4. スプレッドコントロールによる価格適正化などにより、2025年3月期は過去最高益を更新 2025年3月期の業績は、売上高230,783百万円(前期比5.5%減)、営業利益8,572百万円(同18.3%増)と統合後の最高益となった。収益改善の大きな要因は、スプレッドコントロールによる油脂汎用品の価格適正化、“低負荷”の長持ち油や業界別の課題を解消する「TXdeSIGN(R)」シリーズの堅調などにあり、在庫の抑制が進んだことで資産効率も改善した。2026年3月期については、売上高240,000百万円(前期比4.0%増)、営業利益9,000百万円(同5.0%増)と最高益の更新を見込んでいる。「おいしさ×健康×低負荷」をベースに成長戦略を加速する。なお、2026年3月期第1四半期の業績は、売上高56,290百万円(前年同期比3.8%減)、営業利益1,003百万円(同56.8%減)となっている。 ■Key Points ・「おいしさ×健康×低負荷」をテーマに付加価値を提供する油脂メーカー大手 ・素材、技術力、顧客接点という強みを活かして第六期中期経営計画を推進中 ・2025年3月期は過去最高益を達成し、2026年3月期は収益改善により過去最高益更新を見込む (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光) 《HN》 記事一覧 |