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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/09/24 13:34, 提供元: フィスコ フルサト・マルカHD Research Memo(4):2025年12月期中間期は、一過性の人件費増加の影響により減益*13:34JST フルサト・マルカHD Research Memo(4):2025年12月期中間期は、一過性の人件費増加の影響により減益■フルサト・マルカホールディングス<7128>の業績動向 1. 2025年12月期中間期の業績概要 2025年12月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比1.2%増の79,779百万円、営業利益が同11.7%減の1,507百万円、経常利益が同14.1%減の1,856百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同65.2%減の996百万円となった。売上高は建設資材が減収となったものの、機械・工具が堅調に推移し、建設機械の好調も寄与して小幅増収となった。利益面は、プロダクトミックス改善などにより売上総利益率が上昇したが、一過性の人件費増加(賞与引当期間見直し及び新人事制度導入の影響)により営業利益・経常利益は減益となった。親会社株主に帰属する中間純利益については、前年同期の特別利益に計上した投資有価証券売却益2,267百万円の剥落に加え、特別損失に固定資産撤去費用95百万円を計上したことが影響した。 売上総利益は前年同期比2.5%増となり、売上総利益率は同0.2ポイント上昇して16.1%となった。機械・工具のプロダクトミックス改善や建設機械の増収効果などが寄与した。販管費は同4.8%増加し、販管費率は同0.5ポイント上昇して14.2%となった。この結果、営業利益率は同0.3ポイント低下して1.9%となった。 営業利益の前年同期比199百万円減益の増減要因分析は、増収に伴う売上総利益の増加で151百万円増加、売上総利益率の向上で167百万円増加があったものの、営業費の増加で11百万円減少(荷造運賃減少で22百万円増加、広告宣伝費増加で32百万円減少)、人件費の増加で465百万円減少(賞与引当期間見直し影響で300百万円減少、新人事制度導入影響で156百万円減少)、一般管理費の増加で42百万円減少(組織再編に伴うIT費用発生で21百万円減少、コンサル費用増加で21百万円減少)となった。ただし賞与引当期間見直し及び新人事制度導入の影響は一過性要因であり、この影響を除くベースでは、営業利益は増益となる。営業外損益では受取配当金が同39百万円減少、為替差損益が同62百万円悪化(前年同期の為替差益29百万円に対して為替差損32百万円を計上)となった。 なお期初計画に対しては、売上高がおおむね計画水準となり、売上総利益は計画を小幅に上回ったが、販管費が計画を上回ったため、営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する中間純利益はいずれも計画を下回った。 2. セグメント別の動向 機械・工具は売上高(外部顧客への売上高)が前年同期比1.4%増の51,963百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同15.4%増の972百万円となった。売上面は微増収にとどまったが、営業利益は商品ミックス改善(低採算の機械卸売の減少など)により、販管費の増加を吸収して2ケタ増益となった。また全体として売上高・営業利益ともにおおむね計画水準となった。国内機械は5.3%減収となった。直需は機械工具メーカー向け一部大口案件などで微増となったが、卸売が先行き不透明感を背景とする中堅・中小企業の新規設備投資抑制の影響を受けた。国内工具は0.8%増収となった。直需は新規設備投資抑制の影響で微減となり、卸売は季節性商品拡販効果などにより微増となった。海外売上高は同13.1%増の12,774百万円で、海外売上比率は同1.7ポイント上昇して16.0%となった。中国(同34.4%減の709百万円)は日系自動車メーカーの不振の影響で減少したが、北米(同18.7%増の8,627百万円)が射出成形機等の関税引き上げ前の駆け込み需要などで大幅に増加したほか、東南アジア(同17.0%増の3,436百万円)ではタイにおける既存設備更新案件、インドネシアにおける食品業界向け大口案件などが寄与した。 建設資材は売上高が前年同期比4.8%減の20,730百万円、営業利益が同62.1%減の282百万円となった。計画を下回り減収減益となった。主力の鉄構資材の減収による売上総利益の減少に加え、販管費の増加も影響した。鉄構資材は同10.5%減収となった。資材価格高騰、人手不足、4週8閉所等により建設投資が停滞した影響で、鉄骨需要が低調となった。配管資材は同4.5%増収となった。半導体・電子部品関連向けが堅調に推移した。住宅設備は同13.0%増収となった。新設住宅着工戸数が減少するなかでも、高付加価値商品の販売や施工付き案件への注力により増収となった。 建設機械は売上高が前年同期比20.4%増の4,859百万円、営業利益が同81.7%増の140百万円と、計画を上回る大幅増収増益となった。クローラークレーンが主要仕入先の出荷停止終了による反発需要などで増加したほか、製品価格改定効果や、基礎工事業者への杭打機等のレンタル需要増加も寄与した。 IoTソリューションは売上高が前年同期比23.5%増の2,226百万円、営業利益が同49.9%増の186百万円と、計画を上回る大幅増収増益となった。物理セキュリティ分野でデータセンターや配送センター向けの需要が好調となったほか、機器販売分野で大手警備会社を通じた個人宅向けを含む監視カメラ需要が堅調となったこと、システム構築分野でデータセンター向けを含む複数の下期予定の大型案件が早期化したことも寄与した。 自己資本比率は60.6%。財務の健全性は高い 3. 財務の状況 財務面では、2025年12月期中間期末の資産合計は前期末比2,467百万円減少して118,354百万円となった。主に現金及び預金が3,144百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が4,588百万円減少、電子記録債権が1,465百万円減少した。負債合計は同1,975百万円減少して45,472百万円となった。主に契約負債が1,057百万円増加、賞与引当金が324百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が2,425百万円減少、未払法人税等が771百万円減少した。なお、長短借入金合計残高は同32百万円増加して949百万円となった。純資産合計は同491百万円減少して72,881百万円となった。為替換算調整勘定が218百万円増加した一方で、利益剰余金が897百万円減少(親会社株主に帰属する中間純利益計上で996百万円増加、剰余金の配当で1,871百万円減少)した。この結果、自己資本比率は同0.7ポイント上昇して60.6%となった。キャッシュ・フローの状況を含めて全体として特に懸念点は見当たらず、財務面の健全性は高いと弊社では考えている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展) 《HN》 記事一覧 |