| 携帯版 |
|
|
|
フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/12/08 15:32, 提供元: フィスコ リソー教育グループ Research Memo(2):TOMAS、名門会、伸芽会を中心に各種教育サービス事業を展開*15:32JST リソー教育グループ Research Memo(2):TOMAS、名門会、伸芽会を中心に各種教育サービス事業を展開■会社概要 1. 事業内容 リソー教育グループ<4714>は2025年9月に持株会社体制に移行した。グループ各社の管理機能を同社が担い、子会社として学習塾事業や英語スクール事業及び生徒募集勧誘事業を行うTOMAS、家庭教師派遣教育事業を行う名門会、幼児教育事業や長時間託児事業及び長時間学童保育事業を行う伸芽会、学校内個別指導事業を行うスクールTOMAS、人格情操合宿教育事業とスクール事業(体操教室、サッカー教室)を行うプラスワン教育、会員制カフェ事業及び社員の福利厚生事業等を行う(株)リソーウェルフェア、グループ会社の講師採用、育成、紹介事業を行う(株)ココカラTチャーズ、超難関校受験特化型学習指導事業を行う(株)駿台TOMASの8社を傘下に置く。 事業セグメントは学習塾事業、家庭教師派遣教育事業、幼児教育事業、学校内個別指導事業、人格情操合宿教育事業の5事業に分けて開示している。直近5年間(2021年2月期〜2025年2月期)の事業セグメント別売上構成比は学習塾事業が売上高の5割強で推移しており、家庭教師派遣教育事業、幼児教育事業と合わせた3つの事業で全体の9割弱を占めている。また、学校内個別指導事業が5.3%(2021年2月期)から10.3%(2025年2月期)と上昇傾向となっている。高品質な教育サービスだけでなく学校における教師の過重労働問題の解消と進学実績の向上を支援するサービスとして認知度が高まり、私立の中高一貫校を中心に導入校が広がっていることが背景にある。 直近5年間の事業セグメント別利益率は、主力の学習塾事業や家庭教師派遣教育事業が1ケタ台後半の水準で比較的安定的に推移している。幼児教育事業は競争激化による売上減の影響もあって2022年2月期の19.7%から2025年2月期は7.9%まで落ち込んだ。名門幼稚園・小学校受験のパイオニアとして約70年の実績を持つ伸芽会が、合格実績という顧客目標を実現することで高いブランド力と収益性を維持してきたが、ここ数年は競合他社との競争激化によって収益性が低下しており、今後の課題となっている。逆に学校内個別指導事業は売上規模の拡大とともに利益率も上昇し、2025年2月期は14.2%と同社事業の中で最も収益性の高い事業となった。 (1) 学習塾事業 学習塾事業では、TOMASが進学個別指導塾「TOMAS」を首都圏で104校(2025年8月末時点、以下同様)展開しているほか、英会話スクールの「インターTOMAS」(幼児〜社会人を対象)を12校、医学部受験専門個別指導塾「メディックTOMAS」を4校展開している。また、駿台TOMASで最難関校受験専門の個別指導塾「Spec. TOMAS」を1校(自由が丘校)運営している。 「TOMAS」は小学生から高校生までを対象とした完全1対1の進学個別指導塾で、同社によると各生徒のスキルに応じて個人別「合格逆算カリキュラム」を作成・提供することで、個別指導塾として難関志望校合格者数トップの実績を実現している。講師は学生や社会人等のアルバイト講師が大半を占め、学習相談・サポートなどを正社員が対応することで顧客満足度の高い「安心で確実なサービス」の提供を可能としている。生徒数の構成比は小学生がおよそ4割、中学生が3割弱、高校生が3割強である。また、「Spec. TOMAS」は小学1年生〜6年生を対象とし、最難関中学校の合格を目指すべく講師も正社員として採用しているのが特長だ。入塾のための試験を実施しており、不合格となった生徒には近隣の「TOMAS」を紹介している。 (2) 家庭教師派遣教育事業 家庭教師派遣教育事業では、名門会が、TOMASが展開していない全国主要都市に「名門会」を35校展開している。社会人のプロ講師が家庭教師としてサービスを提供しており、同社によると進学実績を公表できる唯一の家庭教師センターである。毎年多数の難関校合格者を輩出しており、特に医学部で高い合格実績を上げている。2022年には医学部受験指導に特化した「メディック名門会」を開始し、現在3校(大阪、神戸、京都)を運営している。プロ講師による完全個別指導のほか、カリキュラムサポーター(カリキュラム作成等の学習全般の実行支援)、ティーチングアシスタント(問題演習のサポート)、コンシェルジュ(生活環境やメンタルケア)が付くなど、フルサポート体制を敷くことで志望校の合格実現に取り組んでいる。また、首都圏以外をサービスエリアとする完全個別指導塾として「TOMEIKAI」を7校(九州エリア5校、東海エリア2校)展開しているほか、双方向型オンライン授業を行う「名門会Online」のサービスを提供している。 (3) 幼児教育事業 幼児教育事業では、伸芽会が首都圏を中心に「伸芽会」22教室(首都圏21教室、関西1教室)を展開している。生徒一人ひとりの発達に応じた個人別合格プログラムと「想像力を伸ばす」教育により、毎年名門校でトップクラスの合格者を輩出している。また、学童・保育事業として「伸芽’Sクラブ」を首都圏で33校(学童24校、託児9校)展開している。託児では伸芽会式教育メソッドを取り入れた受験対応型託児を、学童では独自の学習カリキュラムを取り入れた受験対応型学童保育を提供しており、仕事と育児を両立させるワーキングペアレンツから高い支持を得ている。学童24校の中には、コナミスポーツ(株)との業務提携によりコナミスポーツクラブ施設内に開設している「コナミスポーツ伸芽’Sアカデミー」3校も含まれる。 (4) 学校内個別指導事業 学校内個別指導事業では、スクールTOMASが学校と契約し、放課後の時間を活用して同社が派遣した講師による個別指導(場所によってはオンラインによる個別指導)を行っている。他社との違いは、講師だけでなく社員が運営管理者として学校に常駐し、生徒一人ひとりの学習状況を把握して適切な学習アドバイスを行うほか、学校や保護者とも情報共有を行っている点にあり、顧客満足度の高いサービスにより差別化を図っている。質問型個別指導やカリキュラム型個別指導のほか、AI教材(atama+(アタマプラス))などと組み合わせた個別指導サービスなど、顧客ニーズに応じた幅広いサービスを提供していることも強みとなっている。稼働開始1年目は1学年からスタートし、1年ごとに稼働学年数を増やすパターンが一般的で、2026年2月期の稼働校数は91校(前期は86校)となっている。 (5) 人格情操合宿教育事業 人格情操合宿教育事業では、プラスワン教育で体操教室を11校、サッカー教室を5校運営しているほか、土・日曜日や夏休みなどの長期休暇を利用した体験型教育プログラム「School Tour Ship」を企画・提供している。様々な体験を通して行動力や判断力を養い、知的好奇心を育むことが目的である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《MY》 記事一覧 |