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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/12/26 11:34, 提供元: フィスコ ナック Research Memo(4):クリクラ、レンタル、美容・健康事業が堅調(2)*11:34JST ナック Research Memo(4):クリクラ、レンタル、美容・健康事業が堅調(2)■ナック<9788>の業績動向 2. セグメント別の動向の続き (3) 建築コンサルティング事業 売上高は2,188百万円(前年同期比6.7%減)、営業損失142百万円(前年同期は65百万円の損失)となった。なお、販管費にはナックハウスパートナー(株)ののれん償却額20百万円を含む。計画比では売上高は24.5%未達、営業利益は20百万円の計画に対し損失での着地となった。コンサルティング部門では、ターゲット顧客である地場工務店において、住宅業界の着工棟数減少や建築基準法改正への対応、コロナ融資の返済開始等の課題を抱え、財務的な事情から経営改善への投資を行う余裕のない状態が続いている。2026年3月期に入ってからは、法改正による工期延長や建築コストの増加が上積みされ、工務店のさらなるキャッシュ・フロー悪化を招いている。対策として、これらの課題解決を目指す商品を2025年3月期に複数上市し、積極的に販促したものの、受注状況は例年に比較して落ち込みが大きく、売上高は901百万円(同28.3%減)となった。ナックハウスパートナーでは、住宅フランチャイズを展開するエースホームブランドにおいて、加盟店での上棟数が増加したことや新規加盟店が増加したことにより売上高は1,299百万円(同18.3%増)と大きく増収となった。損益面ではコンサルティング部門での減収が響き、前年同期比で営業損失の幅がさらに拡大することとなった。 (4) 住宅事業 売上高は4,366百万円(前年同期比16.9%減)、営業損失は199百万円(前年同期は197百万円の損失)となった。なお、販管費には(株)秀和住研ののれん償却額22百万円を含む。計画比では売上高は19.1%未達、営業損失は120百万円の予想に対し79百万円上乗せされた。(株)ケイディアイでは東京都内の地価高騰の影響から用地仕入に苦戦した。元々分譲住宅の販売を主としており、用地取得においても一定以上の規模を持つものが対象となるが、競争の激しい地域だけに思うように確保できず、結果として販売数が減少したことで売上高は2,409百万円(同16.7%減)と減収となった。(株)ジェイウッドでは2025年3月期からの受注残が少なかったことに加え、2026年3月期に入ってからの法改正に伴う工期の長期化により引き渡し棟数が伸び悩んだ。1棟当たりの単価を高く設定する施策を採ったものの、売上高は1,000百万円(同34.5%減)と減収となった。秀和住研((株)秀和を含む)では、豊富な商品ラインナップを有するモデルハウスを活用して受注拡大を図り、秀和住研の売上高は761百万円(同1.4%減)と前年同期並み、秀和の売上高は194百万円(同205.0%増)と大きく増収となった。損益面では、ケイディアイでの物件販売において適正利益の確保に努めたものの、ジェイウッドの減収が響き、営業損失は拡大した。 (5) 美容・健康事業 売上高は3,155百万円(前年同期比0.0%減)、営業利益は70百万円(同57.9%減)となった。販管費にはJIMOS、(株)トレミーののれん償却額45百万円を含む。計画比では売上高は7.2%未達、営業損益は損失60百万円の予想に対し黒字での着地となった。化粧品や健康食品の通販等を行うJIMOSでは、主要ブランドである「MACCHIA LABEL(マキアレイベル)」や「SINN PURETE(シンピュルテ)」を中心に広告を強化して販促活動を進めた結果、売上高2,727百万円(同3.1%増)と増収を確保した。なお、JIMOSではナックの子会社であった(株)アップセールを2025年4月に吸収合併しており、増収幅は前年同期の両社売上の合算に対応する。(株)ベルエアーでは会員の高齢化に伴う販売数減少がかねてより課題であったが、対面での販促イベントが奏功して売上高は136百万円(同0.8%増)と前年同期をわずかだが超えた。トレミーでは、2025年3月期から継続している主要取引先からの受注減少に対応すべく、新規顧客開拓や取引拡大を図ったものの穴埋めには至らず、売上高は355百万円(同27.3%減)となった。利益面ではJIMOSにおける広告販促への積極投資やトレミーの減収が響き大きく減益となった。 (6) その他 2026年3月期から新たに設定された「その他」部門では、韓国食品スーパーを運営する「Yesmart」事業、TOMOEワインアンドスピリッツ(株)、中古品買取の「買取大吉」フランチャイズ加盟店を展開する(株)ナックライフパートナーズが取り組みを展開している。売上高は753百万円(前年同期比57.1%増)、営業損失は157百万円(前年同期は34百万円の損失)となった。販管費にはTOMOEワインアンドスピリッツののれん償却額1百万円を含む。計画比では売上高は5.8%未達、営業損益は40百万円の損失予想に対して157百万円の損失となった。203百万円の収益を計上した「Yesmart」事業では、既存の3店に加えて2026年3月期に入り、中間期末時点で2店舗(宇都宮・北本)、2025年10月には2店舗(日野・太田)を新規出店し、現在は計7店舗を運営している。当面は7店舗体制でビジネスモデル確立のための運営ノウハウを蓄積する方針で、時期を見て事業規模拡大に向けた施策を展開する考えだ。TOMOEワインアンドスピリッツでは売上高398百万円(同0.3%減)とほぼ前年同期並みとなった。従来のBtoB販売に加え、ナックグループ企業の顧客に対するBtoC販売を進めている。2026年3月期はBtoB販売が好調に推移した一方、ワインのサブスク等の通販によるBtoC販売の伸びが鈍化したことが主な要因となった。「買取大吉」事業は売上高185百万円(同132.1%増)と大きく増収となった。2026年3月期に入り5店舗目の新規出店を行っており、出店後の業績は順調に推移した。 (執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一) 《HN》 記事一覧 |