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フィスコ投資ニュース配信日時: 2026/02/19 11:03, 提供元: フィスコ 平和RE Research Memo(3):2025年11月期は譲渡益寄与で増収増益。DPUは20期連続で過去最高を更新*11:03JST 平和RE Research Memo(3):2025年11月期は譲渡益寄与で増収増益。DPUは20期連続で過去最高を更新■平和不動産リート投資法人<8966>の業績動向 1. 2025年11月期の業績概要 2025年11月期(第48期)は、営業収益10,704百万円(前期比5.4%増)、営業利益5,985百万円(同7.7%増)、経常利益5,207百万円(同6.7%増)、当期純利益5,206百万円(同6.7%増)となった。営業収益及び各段階利益は、2025年7月16日公表の期初予想を上回って着地した。なお、REITでは、税引前利益の90%超を分配金として支払う場合には法人税が免除されることから、当期純利益は経常利益とほぼ同水準となっている。 内部成長では、オフィス・レジデンスともに賃料改定額が過去最高を更新し、ポートフォリオ全体の賃料収入成長率は年率3.3%(前期比1.0ポイント増)となった。バリューアップ工事によるダウンタイム(空室期間)がありながらも期中平均稼働率は97.5%(同0.3ポイント増)と高稼働が継続している。外部成長では、公募増資後の借入余力を活用した物件取得に加え、17期連続となる資産入替に伴う含み益顕在化のサイクルを継続した。財務運営においても、調達期間と金利固定化比率の水準を維持し、公募増資により保守的なLTVコントロールを継続するなど、健全な財務基盤を維持した。 1口当たり当期純利益(EPU)は、4,160円(前期比75円増)となった。一方、賃貸EPUは2,681円(同4円減)となった。オフィスとレジデンスの内部成長及び外部成長の寄与があったものの、金融費用の増加や資産譲渡先行の影響(物件売却による賃料の減少)の影響が上回ったためである。 さらに、投資主還元の強化方針に基づき、資産入替に伴う含み益の顕在化による譲渡益計上に加え、一時差異等調整積立金の定期取崩し額200円/口の実施により、DPUは3,950円(同100円増)、と20期連続で過去最高水準を更新した。こうした分配金の大幅増加は、投資主還元の強化に経営の軸足を移した結果である。潤沢な内部留保と含み益を背景に、継続的な物件取得、財務基盤の安定化、安定的な分配金支払いの好循環が機能している点が評価される。 2. 財政状態 2025年11月期末の財政状態は、資産合計272,935百万円(前期末比10,530百万円増)、純資産133,158百万円(同7,547百万円増)、有利子負債128,370百万円(同2,483百万円増)となった。平均調達金利は1.186%(同0.107ポイント上昇)となったが、当面は満期を迎える調達コストと新規調達コストは、同等または新規の方が高くなる予想である。今後も主要金融機関との良好な関係を背景に、安定した資金調達が可能と判断される。また、平均調達年数は7.2年、長期有利子負債比率は100.0%、金利固定化比率は70.6%と設定し、将来の金利上昇リスクに備えている。金利上昇に対しては、内部留保や含み益を活用したバリューアップ工事による賃料増額によって吸収する計画である。さらに、大手都銀による80億円のコミットメントライン(必要な時に借りられる、銀行からの融資枠)も確保しており、不測の事態への対応力も高い。 鑑定LTV(期末の鑑定評価額(帳簿価額+含み損益)に対する有利子負債の割合)は40.4%と、良好な低水準を維持している。同REITでは、同比率40〜50%を標準水準として維持し、上限を65%に設定しているが、現在はその範囲内でも低い水準にある。鑑定評価額の増加に伴い、長期的に同比率は低下傾向にあり、近年は横ばいながら良好な低水準で推移していることから、財務の安全性は高いと評価できる。 ■今後の見通し 2026年11月期までDPUの最高更新を予想。保守的な前提で達成は十分に可能 ● 2026年5月期と2026年11月期の業績見通し 2026年5月期(第49期)は、営業収益8,954百万円(前期比16.4%減)、営業利益4,109百万円(同31.3%減)、経常利益3,170百万円(同39.1%減)、当期純利益3,170百万円(同39.1%減)を見込む。2026年11月期(第50期)は、営業収益9,092百万円(同1.5%増)、営業利益4,231百万円(同3.0%増)、経常利益3,220百万円(同1.6%増)、当期純利益3,219百万円(同1.6%増)を見込んでいる。 1口当たり当期純利益(EPU)は、2026年5月期2,532円(同1,628円減)、2026年11月期2,572円(同40円増)を予想する。賃貸EPUは、2026年5月期2,727円(同46円増)、2026年11月期2,747円(同20円増)を見込む。これは、金融費用の増加を賃料上昇で補い、物件譲渡による賃貸利益の剥落を公募増資で取得した成長資産によってカバーする計画によるものだ。こうした収益構造を背景に、「投資主還元強化」の方針に基づき内部留保取崩しを実施することで、DPUは2026年5月期3,990円(同40円増)、2026年11月期4,010円(同20円増)と、過去最高水準の更新を計画している。 これらの予想は、既に確定している外部成長(物件譲渡や物件取得)や内部成長の実現を織り込む一方、今後の含み益顕在化を伴う資産入替による物件取得や物件譲渡益を織り込んでいない。同REITでは、今後も物件譲渡益の計上によって内部留保の拡充を図りつつ、分配金の増加を実現する。また、予想については、保守的な稼働率やNOI利回りを前提にしており、今後の金利上昇懸念に対しても、内部留保や含み益を活用したバリューアップ工事により賃料増額を強力に推進するとしており、業績予想は十分に達成可能な水準であると弊社では見ている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希) 《HN》 記事一覧 |