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フィスコ投資ニュース配信日時: 2026/03/18 11:06, 提供元: フィスコ ロジザード Research Memo(6):AI活用基盤の構築やパートナー戦略を推進。営業モデルの進化にも着手*11:06JST ロジザード Research Memo(6):AI活用基盤の構築やパートナー戦略を推進。営業モデルの進化にも着手■ロジザード<4391>の業績動向 2. トピックス (1) 生成AIを活用した業務効率化への取り組み 同社は社内データを活用した生成AI利用に向け、ローカルLLM※を用意し、実業務を見据えたAI活用基盤を構築している。社内にAIサーバーを構築し、生成AIの業務活用を想定した実行環境を整備した。業務への適用可否を検証するため、データをセキュアに扱える環境を確保している。また、仕様や要件に基づく仕様駆動型の生成AI活用も試行しており、実地検証フェーズながら生成AIを活用したコーディングを開始している。将来的には開発効率及び業務効率の向上が期待される。 ※ (Local Large Language Model)の略。ChatGPTのようなクラウド型AIと異なり、社内サーバーやPC上で動作する生成AIのこと。データを外部に送らずに利用でき、機密情報を扱う業務に適している。 クラウド型生成AIではなく自社環境を選択した理由は、データ管理の観点にある。共用クラウド環境ではデータの取り扱いに慎重さが求められるが、自社サーバー上でAIを稼働することで外部に情報を出さずに活用できる。これによりセキュリティを担保した安全なAI活用が可能となる。機密性の高い社内データを扱う同社の事業特性を踏まえれば、合理的な選択である。 具体的な活用領域としては、サービス・製品マニュアルを取り込み、社内向け問い合わせ対応AIとして活用する取り組みが進められている。さらに、過去のカスタマーサポート履歴を学習させることで、類似質問や課題への対応スピード向上を図る。社内文書や業務マニュアルを集約し、業務上の疑問や確認事項を迅速に参照できる環境を整備することで、ナレッジの共有と業務効率化を同時に推進している。ローカルLLMの活用は単なる技術導入にとどまらず、生産性向上と競争力強化を支える基盤整備であり、中長期的な収益力向上に寄与する取り組みであると評価する。 (2) サービス認知と販路拡大に向けた取り組み 同社はパートナー戦略を成長モデルとして推進し、新たな案件獲得に向けた体制強化に注力している。その具体策として、オービックビジネスコンサルタントと「BSP(Bugyo Solution Partner Program)契約」を締結した。これにより、オービックビジネスコンサルタントが有する全国約3,000社の二次代理店網を通じて、同社主力製品である「ロジザードZERO」の販路開拓が可能となった。自社単独での営業活動に加え、既に確立された販売ネットワークを活用することで、リーチの拡大と案件創出の効率化が期待される。 さらに、ビジネスパートナー取引基本契約を締結し、オービックビジネスコンサルタントの製品である「奉行クラウドシリーズ」を同社が販売可能となったことで、双方が相互に製品を提案できる関係を構築した。顧客に対し、業務システム全体を俯瞰したソリューション提案が可能となる点は、単なる販路拡大にとどまらず、提案力の高度化にも寄与する。今後は同様の取り組みを拡大し、パートナー連携を軸とした拡販体制を整備することで、安定的かつ継続的な案件獲得の加速を目指す。 (3) 受注拡大に向けた営業活動の進捗と今後の方針 事業環境の変化を踏まえ、同社は営業モデルの進化に着手している。SaaSを起点としつつ、より高付加価値な提案領域へ踏み込んでいく。BtoB領域では顧客ニーズの高度化及び個別化が進展しており、とりわけ大型案件においては従来以上に深い業務理解と個別対応を伴う提案が求められている。この変化を受け、営業活動の内容及び提案範囲の見直しを進めている。 足元では営業アプローチの高度化により、上流工程への関与機会が徐々に増加している。複数の大型案件において要件定義が進行中であり、単なる製品導入提案から業務設計段階への関与へと役割が拡張している点は重要である。提案領域を拡張することで、中長期的な成長基盤を構築するとともに、受注機会の創出を図る。短期的な成果のみならず、顧客との関係深化を通じた継続的な収益機会の獲得が営業戦略の中核となっている。 (4) 製品開発における進捗状況 同社は堅実な技術基盤を軸に、信頼性と安定稼働の深化を図りつつ、UX向上及びBtoB領域に向けた機能開発を推進している。第1四半期では信頼性及び安定稼働の強化に注力してきたが、第2四半期はその基盤をさらに強化するとともに、ユーザー視点での使いやすさ向上に取り組んだ。また、今後の事業拡大を見据え、BtoB特有の管理機能など必要機能の構築に着手しており、既存価値の強化と新規価値創出の両立を図っている。 「ロジザードZERO-LINK」では、急激な出荷件数増加時にも安定稼働を維持できる体制と仕組みの強化を進めている。顧客の出荷業務を妨げないための追加改修を随時実施し、サービス基盤の信頼性向上に注力している。BtoB領域向けには、特有の管理機能を踏まえた開発を進めており、本格展開を見据えた機能拡張を予定している。 「ロジザードZERO」では、検索条件保存及び画面表示選択機能を実装し、詳細検索条件の事前登録及び呼び出しを可能とした。また、ハンディ画面機能表示順設定により、ユーザーごとに異なる利用機能に応じて表示位置や順序を任意設定できるようにした。固定ロケーション表示機能では、商品ごとに決められた置き場に合わせたロケーション表示を任意文字列で登録可能とし、作業高速化と管理効率化を支援している。入荷看板発行機能は入荷検品情報をもとに明細単位で帳票出力を可能とし、現場での活用を促進する。さらに、ピッキング検品機能によりハンディターミナル単体でのピッキング検品を実現し、紙媒体依存からの脱却を進めた。加えて、ハンディ入荷分納登録機能を実装し、分納予定登録をハンディターミナルから行えるようにしている。これらは現場オペレーションの効率化と作業負荷軽減に直結する改善であり、UX向上の具体的成果と評価できる。 (5) 「SOC2 Type2」報告書を新たに取得 クラウドWMS「ロジザードZERO」において、「SOC2 Type1」に続き、2026年2月に「SOC2 Type2」報告書を新たに取得したことを発表した。SOC2は米国公認会計士協会が定めるTrustサービス規準に基づき、組織の内部統制を評価する保証報告書であり、「セキュリティ」を必須項目とし、「可用性」「処理の整合性」「機密性」「プライバシー」を含む5つのカテゴリーで構成される。 Type1が特定日時点での内部統制の設計及び整備状況を評価するのに対し、Type2は一定期間にわたり適切に設計・整備され、かつ有効に運用されているかを評価するものである。今回のType2取得は、単発的な対応ではなく、継続的な運用と改善が実践されていることを示すものである。同社は情報セキュリティを一時的対策ではなく、組織的かつ再現性のある体制のもとで運用している。今後も内部統制の見直し及び運用改善を継続し、信頼性の高いサービス提供を追求していく。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司) 《HN》 記事一覧 |