| 携帯版 |
|
|
|
フィスコ投資ニュース配信日時: 2026/06/11 12:45, 提供元: フィスコ ネットイヤー Research Memo(5):生成AI普及を追い風にして業績は成長ステージに突入へ*12:45JST ネットイヤー Research Memo(5):生成AI普及を追い風にして業績は成長ステージに突入へ■ネットイヤーグループ<3622>の今後の見通し 2. 中期経営計画 (1) 中期経営計画の概要 同社は2025年6月に3ヶ年の中期経営計画を発表した。2024年6月に代表取締役社長CEOに就任した廣中氏の強いリーダーシップの下、「生成AIを最大限活用することに全振りする」ことを活動指針として掲げた。今後3年間で、「戦う市場領域を高付加価値領域、戦う社員を高付加価値人材へと転換」「企業のマーケティング領域をデジタル×AIで支援」「売上高営業利益率を安定的に10%計上する仕組みをつくる」「市場における当社ブランディングを強化する」の4点の実現に向けた取り組みを推進中だ。 営業戦略としては、重点顧客(年間取引高5億円以上)を増やすべく、候補企業となりうる新規顧客(年間取引高1〜5億円)の開拓と育成に注力していく。ロングテールの顧客企業群(取引高1億円以下)については、徹底的に生成AIを活用することで収益性の向上を図っていく。また、NTTデータグループとの協業についても生成AIの利活用をテーマとしたコンサルティング案件を中心に拡大を目指す。NTTデータグループは2025年4月に、OpenAIと戦略的提携を発表し、OpenAIの国内初の販売代理店として「ChatGPT Enterprise」の提供を開始している。今後、各業界に特化したAIエージェントの開発プロジェクト等において同社が参画する可能性がある。 業績目標としては、2028年3月期に売上高52億円、営業利益5.2億円、営業利益率10%を掲げている。2026年3月期を生成AIを事業面で利活用する転換期と位置付けて受注の拡大と生産性向上に取り組み、既述のとおり売上高、営業利益ともに当初計画を超過達成し、順調な滑り出しとなった。2027年3月期は売上計画を当初目標の41.0億円に据え置き、営業利益は2.0億円から3.5億円に引き上げた。同社では、生成AI技術が予想を上回るペースで進化している状況を鑑み、「生成AI Ready」を前提としたフルファネルマーケティング支援を強化する考えで、中期経営計画についても今後見直す予定だ。プロジェクトの生産性については、社内での生成AIの活用によるさらなる引き上げも可能と見ており、将来的には従業員数200名程度で売上規模を現在の2倍程度にまで拡大し、利益率も10%をさらに上回る水準に達することを見据えている。 (2) 生成AIの重点領域 a) 既存顧客のデジタルメディアを生成AI仕様に転換 インターネットを使った情報の検索行動において、これまではブラウザ検索が中心であり、企業はデジタルメディア(自社Webサイト)について、ブラウザ検索のアルゴリズムに沿った形でSEO対策を進めてきた。しかし、ここ1〜2年で探索行動が生成AIツールに移行してきた影響でブラウザ検索による流入件数が減少傾向にあり、これに対処するためデジタルメディアもAIO/LLMO対策に対応した仕様に変換するといったニーズが増加している。UX/CXを起点にこれまで数多くの企業のデジタルメディアを手掛けてきた同社にとっては、受注拡大の好機となる。 b) 生成AIツールの活用で社内外の生産性を向上 生成AIツールを積極的に活用することで、社内外での生産性向上を推進する。既にその効果は原価率の改善や販管費の抑制などで顕在化し始めているが、今後もさらなる活用の推進によって全体の収益性向上につなげていく。社外での活用例としては、デジタルメディアの開発に生成AI技術を活用することで受注単価は従前とほぼ同水準ながらも要員数を削減できている。また、ホテル業界における夜間のフロント電話応対業務や、コールセンター業務の一部でAIツールの導入実績が増えてきている。 c) ABACモデル時代の企業側のAIエージェント開発に注力 同社では近い将来、企業と顧客(消費者等)のコミュニケーションが、双方のAIエージェントで完結する世界が到来することを想定しており、これを同社ではABACモデルと呼称している。この新しい時代に向けたサービス展開の第1段階として、企業側のAIエージェントの開発を進めている。OpenAIと戦略提携したNTTデータグループとの協働により競合他社に対する優位性も高まるものと見ている。 (3) 人材戦略 人材戦略については、生成AI関連の技術者の育成・採用を強化している。育成については社内でのリスキリングを実施しつつ、キャリア採用についてはエージェント会社を絞り込み、インセンティブを増やしてでも優秀な人材の採用を進める考えだ。また、生成AI領域でのブランド力強化を採用力の向上につなげるべく、生成AI活用事例を積極的にPRしているほか、カンファレンスなどでの発表も行い認知度の向上を図っている。また、中長期的な視野で事業の主軸となる人材を定め、戦略的に確保・育成するとともに、それらの人材のパフォーマンスを最大化するための人事制度改革にも着手している。具体的な導入時期は未定だが、なるべく早期に新制度の運用を開始したい考えだ。なお、採用に関しては従来、キャリア採用のみであったが、今後は新卒採用の開始も検討している。生成AI関連の技術者は引く手あまたで採用数も限られるためで、新卒からの採用・育成も選択肢の1つとなる。 (4) NTTデータグループとの協業 NTTデータとの資本業務提携以降、NTTデータが持つ顧客資産や技術力を背景として、案件拡大や新規顧客の開拓など一定の成果に結びつけてきた。直近は特定案件の規模縮小及び終了により減収基調が続き、2026年3月期の売上構成比は13.3%とピークであった2023年3月期の34.5%から半分以下の水準に低下したものの、2027年3月期以降はいくつかの協働案件なども手掛けていくことで、中期的には売上構成比で20%強の水準まで引き上げたい考えだ。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》 記事一覧 |