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フィスコ投資ニュース配信日時: 2026/06/11 13:02, 提供元: フィスコ 坪田ラボ Research Memo(2):眼疾患領域の研究開発と商業化を目的に設立された大学発ベンチャー*13:02JST 坪田ラボ Research Memo(2):眼疾患領域の研究開発と商業化を目的に設立された大学発ベンチャー■会社概要 1. 会社沿革 坪田ラボ<4890>は2012年に、慶應義塾大学医学部眼科学教室の教授であった代表取締役社長の坪田一男(つぼた かずお)氏によって設立された(株)ドライアイKTが前身となる(2015年2月に現在の商号に変更)。坪田氏は、定年を迎えるまでに何か世の中の役に立つ仕事がしたいとの想いを持ち、医療機器や医薬品の輸入超過問題を解消するため、自身が長く研究に携わってきた眼科領域のサイエンスを商業化につなげるべく起業を決断した。また当時、国内の大学では研究は行うものの、その成果を社会に役立てられるようなイノベーションを起こす大学が少なく、自身が先頭に立って大学発ベンチャーの成功モデルとなることで、その道筋を切り開くとの想いで事業活動を進めてきた。 現在の主力開発パイプラインであるバイオレットライトを用いた近視進行抑制デバイスを着想したのは2014年ころで、きっかけはIOL(人工眼内レンズ)手術後に視力が低下する患者と維持する患者に分かれ、その差が眼内レンズの違い(バイオレット光を透過するレンズと遮断するレンズ)によるとの仮説を立てたことから始まる。最初にヒヨコで、その後近視モデルマウスで研究を進めた結果、仮説どおりの結果を得られ近視進行抑制の作用機序も解明した。具体的には、360nm〜400nmのバイオレットライトを照射することで、網膜内層にある非視覚型光受容タンパク質「OPN5」が活性化し、血流改善により脈絡膜厚を維持することで、近視進行を抑制する作用を解明した(血流不足になると脈絡膜厚が菲薄化し近視進行要因となる)。バイオレット光は太陽光のなかに含まれるため、屋外活動の減少に起因するバイオレットライト不足が近年の近視有病率の急激な上昇の一因になっているとも言える。 坪田氏は同研究の成果を論文として学術専門誌で発表するとともに、近視進行抑制デバイス(TLG-001)に関する特許出願を国内外で進めるなど知財戦略も強化していった。2019年5月には、ジンズホールディングスと実施許諾契約を締結し、共同開発を進めている。また、「OPN5」の活性化により目の血流が改善するのであれば、脳の血流についても改善する効果があることを予見し、うつ病やパーキンソン病などを対象とした研究も完了している。 その後も国内外でライセンス活動を積極的に進めており、2020年10月にロート製薬<4527>と近視抑制点眼薬(TLM-003)に関する実施許諾契約を締結し共同開発を開始したほか、2021年4月にマルホ(株)とマイボーム腺機能不全の処置剤(TLM-001)に関する国内及び米国、フランス、英国、ドイツ等への実施許諾契約を締結した。また、2022年6月に東京証券取引所グロース市場に株式上場を果たし、同年12月にフランスのLaboratoires Thea(以下、Thea)※とTLM-003の米欧等を対象とした独占実施許諾契約を締結した。直近では近視関連市場として存在感の大きい中国への展開も進めており、2024年7月に眼科領域の企業や研究機関が集積し「Eye Valley」とも呼ばれる浙江省温州に日本企業で初めて事務所を開設した。同年9月に大手眼科用医薬品メーカーのShenyang Xingqi Pharmaceutical Co., Ltd.と特定の特許に関する中国での独占的実施許諾契約を、2025年3月に大手眼科用医薬品メーカーであるサンフラワー社の関連会社Beijing Yijie Pharmaceutical Technology Co., Ltd(以下、BYPT)と中国、香港、マカオ、台湾におけるTLG-001のライセンス許諾契約を締結した。 ※ 眼科領域に特化した欧州の大手独立系製薬企業グループ。従業員数は1,600人以上で、世界75ヶ国で製品が販売されている。 なお、2025年6月にはヘルスケア領域への展開を目的として、化粧品の製造業及び製造販売業の許可を取得し、同年11月よりハーバード大学の研究を基盤にDelavie Sciences, Inc.が開発したエイジングケア基礎化粧品ブランド「aeonia」の国内独占販売を開始した。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》 記事一覧 |