監修者まえがき
本書はウイリアム・J・オニールの著した“How to Make Money in Stocks”の第四版の邦訳である。本書の初版は1988年に出版されており、以来改定を重ねながら部数を伸ばし、ベストセラーとなった。著者のオニールはジャック・シュワッガーの手による『マーケットの魔術師』(パンローリング)にも取り上げられた伝説的なトレーダーであり、株式市場の投資家であれば彼の名を知らない者はいないであろう。
さて、よく知られているようにオニールはCANSLIMと呼ばれる銘柄スクリーニング法を考案し提唱している。それは長期にわたって継続して上昇する可能性が高い企業を機械的に選び出す手法である。この手法が素晴らしいのは、一つには時を経てもその有効性が保たれていること、そしてもともとルールが考案された米国株式市場のみならず世界各国の株式市場で同じように通用することである。 (続きを読む)
まえがき――100年間でアメリカが生んだ超成長株から学び利益を得る
2000年と2008年に市場が暴落して以来、ほとんどの投資家は、苦労して稼いだ財産を貯蓄したり投資したりするならば、もっと自ら率先してその方法を学ぶ必要があることに気がついた。ところが、多くの投資家たちはどこに行けばいいのか、だれを信用すればいいのか、今より格段に投資成績を向上させるには何をやめなければいけないのか、ということを知らないのだ。
バーナード・マドフ(ナスダック元会長で詐欺罪により服役中)にお金を渡せと言っているのではない――彼は人の財産を取るだけ取って、それを何に投資しているのかを教えてくれないだろう。そうではなく、優れた投資本を何冊か読んだり、投資セミナーに参加したり、投資クラブに加わることを強くお勧めする。そうすることで、しっかりと自信を持って投資する方法を学ぶことができるからだ。少なくとも、しっかりした原理や実績のある法則や方法などをよく理解するべきであり、それがあなたの投資ポートフォリオを長期にわたり守り育てることになる。アメリカ国民の半数が貯蓄や投資をしている。今こそ、必要な知識を身につけ、賢明にそれを行う方法を学ぶときなのだ。
筆者が投資を始めたときも、おそらくあなたと同じような間違いを犯してきた。だが、だがそこから学んだことがある。 (続きを読む)
第1章 銘柄選択の極意
本書では、まず初めに1880〜2008年までの超成長株100銘柄のチャートを収録した。これらをよく研究してほしい。これらの企業の株価がどのような段階を経て目を見張るような上昇をしたのか、その極意を発見することだろう。
投資はまだ初心者で、チャートを見ても意味が分からない――そんな読者も安心してほしい。どんなに成功している投資家だって、だれもが初めは初心者だったのだ。そこで本書では、重要な買い銘柄と売りの決定的な合図を、チャートから見つけだす方法を伝授している。成功するためには、歴史によって実証された信頼性のある買いと売りの規則性を学ぶ必要があるのだ。
これらのチャートを詳しく見ていくと、1900年だろうと2000年だろうと、時代にかかわらず幾度も繰り返される特定のチャートパターンがあることに気がつくだろう。これらのチャートパターンを認識できるようになれば、機関投資家による買い集めの対象になっている銘柄を見極めることができるので、大きな強みになる。
売り上げ、収益率、ROE(株主資本利益率)のそれぞれが大幅に増加している銘柄を見つけること、そして機関投資家による買い集めを示している強いチャートパターンを見つけること――この両方ができれば、読者諸君の銘柄選択および売買タイミングが大幅に改善されることにつながるのだ。