著者自己紹介
1960年大分県で生まれる。宇宙に興味があったのだが、高校時代、物理の教師を羽交い絞めにしてからは 文系の道を歩む。大学では哲学しようと思ったが、就職が難しいというので日和って経営学を学ぶ。卒業後、 鉄鋼を輸入したりパワーショベルを輸出したりした後、金利スワップの仲介業務に従事。信用状が無いとにっちも さっちもいかない貿易と違って、口頭で巨額のお金が飛び交う国際金融の世界に接し、哲学の必要性を感じる? 1.5倍くらいかなと思っていた7歳年下イギリス人が自分の3倍の年収を貰っているのを知ってプッツンし、 転職をしつつ現在に到る。現在、英国系通信社でOTCデリバティブおよび国債市場の電子化に関する企画・開発に従事。 日本ポパー哲学会会員、アルコール依存症、尿酸値高し。
目次
第1章 金融哲学の基礎概念
存在論的・超越論的
本質と現象......何がリアリティーなのか?
演繹と帰納......ほらふき男爵のトリレンマ
説明と予測そして理解......科学の三形態
因果性あるいは数学モデルにおける倒錯
第2章 金融経済学の根本問題
マーケットの論理的な存立構造
レポ取引......短期金融市場におけるスコラ論争
二つ時間の狭間で揺れるトレーダー
ウルトラ新古典派としてのデリバティブ理論
オプション理論の経済学としての操
リスクの市場価値あるいはオッカムの剃刀
物心平行説と貨幣の中立性
解釈学的循環と数量ベースのGDP
ノイラートの船としての決済システム変革
第3章 金融数学の哲学的省察
文系・理系から基礎系・応用系へ
オプション理論家の手の内
一つの世界に関する二つの表現方法〜確率過程の双対性理論
不確実なのは人間の知識かそれとも世界の構造か?
瞬間的な利子率......自然対数の底eの意味と意義
偏微分方程式の意味論からの脱出
工学の最強ツール......テイラー級数展開
確率と積分そしてディラックのデルタ
伊藤のレンマあるいは合成微分率
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