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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/06/11 11:43, 提供元: フィスコ

HCH Research Memo(3):エンジニア派遣を起点に、ITコンサル・開発など戦略領域へ事業拡大

*11:43JST HCH Research Memo(3):エンジニア派遣を起点に、ITコンサル・開発など戦略領域へ事業拡大
■事業概要

1. 事業区分
ヒューマンクリエイションホールディングス<7361>は事業区分をエンジニア派遣のSES、及びM&A仲介・コンサル、ITコンサル・開発、保守運用・BPOの戦略領域としている。『答えを創る次世代の経営課題コンサルティング企業』への進化に向けて、SESを起点に、M&Aも駆使しながら成長分野である戦略領域へ事業拡大している。

2. SES事業
SESは同社の創業以来の主力事業である。現在はBKSが東京、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡の合計6拠点において、プロジェクトチーム単位などでエンジニア派遣を展開している。豊富な人財リソースを活用してグループ内の事業変革を支えるシステム・プロダクト開発も行い、グループ間でのナレッジ共有、グループを通じた高収益案件へのアサイン、エンジニアのスキル育成とグループ内人財共有といったグループシナジーを強化している。

2025年9月期の年間エンジニア数(2025年9月期末時点のグループ在籍エンジニア数×12ヶ月とビジネスパートナーの年間累計数の合計)は8,456名で、同社グループ最大の要員を有するシステムエンジニア・プログラマー集団である。基本戦略として特定の技術分野(セキュリティ、クラウド、モビリティ等)や顧客の業種・規模等にこだわらず、幅広く全方位的に技術・顧客展開することにより業績変動リスクの低減を図っている。2025年9月期の取引先企業数は合計354社(うち上場企業が68社、資本金1億円以上の企業が179社)で、顧客の業種別比率は製造・流通が32.8%、通信・メディアが23.9%、金融サービスが17.9%、公共・医療が14.0%、エネルギー・その他が11.5%となった。

なお同社はシステム開発の上流案件を重視した戦略により、SESでは派遣人員数の大幅な拡大よりも、エンジニアクラス構成を上流にシフトさせることによる単価上昇及び収益性向上を推進している。通期ベースで見ると、SES人員数は2022年9月期611人工/人月から2025年9月期705人工/人月へ15%増加、SES契約単価は590千円/月から667千円/月へ13%上昇したが、エンジニアクラス別構成比はPG(プログラマー)が70.9%から43.9%へ低下し、単価の高いSE(システムエンジニア)が18.7%から38.4%へ上昇、PL(プロジェクトリーダー)が10.4%から17.7%へ上昇している。

3. 戦略領域事業
戦略領域は、主にHCFAがM&A仲介・コンサルを、ACF(2026年4月1日付で吸収合併したHMB及びTARAを含む)がITコンサル・開発を、SLG及びコスモピアが保守運用・BPOを展開し、SMBの顧客をターゲットとして、M&A仲介・コンサル・開発・保守運用までをグループで提供できるワンストップビジネスモデルを構築している。顧客基盤・案件情報・ナレッジ・人財リソースの連携によりグループシナジーを発揮する体制だ。

HCFAは中小企業の事業承継や成長戦略支援に特化し、全国規模のネットワークと豊富な案件情報を生かしたM&A仲介を強みとしている。2025年8月にはGrowthix(株)よりM&A仲介事業を譲り受け、ネットワークを拡大した。

ACFはSIの上流工程を担い、顧客企業の経営課題解決コンサルティングや要件定義などを提供している。2025年10月には(株)NTTデータのアソシエイトパートナー(AP)に認定、AWS(Amazon Web Services)よりAWSセレクトティアサービスパートナーに認定された。またグループ各社のソリューション連携を加速させるため、BaaS(Backend as a Service)※の新プロダクト開発を進めている。旧 HMBは、企業の基幹業務(財務会計、管理会計、人事労務、購買物流等)の最適化・効率化を支援するBPR(Business Process Re-engineering)コンサルタントとして、主にERP(Enterprise Resource Planning=統合基幹業務システム)アプリケーション導入・開発などのソリューションを提供している。旧 TARAは、AIソリューション分野において幅広い業種の大手企業や地方自治体向けに、オリジナル開発された人物検知AIカメラを駆使し、当該機器から得られるデータ分析に基づいた次世代店舗モデル構想設計、データサイエンスによるマーケティング強化、店舗オペレーション高度化・省力化などの経営課題解決コンサルティングを提供している。なお2024年9月にはWebマーケティングコンサルティングの(株)ONE CRUISEと業務提携した。旧 TARAのAIカメラソリューションなどとの連携を推進する。

※ アプリ開発で必要なサーバー側の機能(認証、DB等)をAPI経由で提供するクラウドサービス。

SLGはシステム更改、機能拡張・改善、保守・運用などのインフラ整備を行うエンジニア集団である。コスモピアは主に中央省庁や大手BtoC企業向けに、BPO(Business Process Outsourcing)分野におけるシステムサポートやサポートデスク運営受託などのサービスを提供している。


戦略領域が高成長、SESは安定成長

4. 事業別売上高の推移
直近5期の通期ベースでの売上高の推移を見ると、連結売上高は2021年9月期の5,035百万円から2025年9月期の8,945百万円へ1.8倍に拡大した。このうち戦略領域は1,042百万円から3,642百万円へ3.5倍に拡大し、売上高構成比も20.7%から40.7%へ上昇した。一方で、SESは3,993百万円から5,303百万円へ1.3倍に拡大した。戦略領域に比べると伸び率は小幅であるものの成長基調に変化はない。なおSESの売上高構成比は79.3%から59.3%へ低下した。トレンドとして戦略領域の高成長が連結売上高の拡大をけん引し、SESは安定成長を継続している。


「ボトムアップ型の変革アプローチ」で深みのあるソリューションを提供

5. 特徴・強み
同社の特徴・強みとしては、創業以来のSESをベースに戦略領域(システムコンサル及び受託開発・保守運用)へ事業領域を拡大したことにより、SIの上流工程から下流工程まで(コンサルから受託開発・保守運用、エンジニア派遣まで)一貫したサービスを提供し、上流工程からでも下流工程からでも顧客の経営課題解決にアプローチできる体制を構築したことが挙げられる。SESでは現場を知るエンジニアが課題を解決できる実装力、戦略領域ではグループシナジーで課題を特定・解決できるコンサル力が強みであり、上流工程だけでは実現しがたい顧客の経営課題解決に対して、グループ各社の強みを生かした「ボトムアップ型の変革アプローチ」で深みのあるソリューションを提案・価値提供できる。さらに、2025年4月にHCFAがグループインしたことにより、M&A仲介・コンサルを含めたワンストップビジネスモデルを構築した。


SESを安定収益源として戦略領域への展開を加速

6. リスク要因・収益特性と課題・対策
システム開発・ITサービス業界の一般的なリスク要因として、企業のIT・DX投資の動向、大型案件の反動、個別案件ごとの採算性、プロジェクト進捗遅れや不採算化などによって業績が変動する可能性がある。また人財難・採用難が受注拡大のネックとなる可能性がある。同社の場合、現状は売上高の約6割を占めるSESが安定収益源となっていることに加え、今後の事業環境として、SMBにおいては経営課題解決のためのIT・DX投資や事業後継難等を背景とするM&A需要が中長期的に高水準に推移すると予想される。したがって今後はSESの安定的な成長を図りつつ、より利益率の高い戦略領域への展開を加速させる方針だ。そして人財面ではコンサルタントやプロジェクトマネジャーといった経営課題を抽出して提案できる人財の採用・育成を強化するほか、パートナー企業との連携も強化する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)


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