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フィスコ投資ニュース配信日時: 2026/06/12 12:41, 提供元: フィスコ 東邦ガス Research Memo(1):2026年3月期は微減収ながら増益。エネルギー各事業で顧客数増加*12:41JST 東邦ガス Research Memo(1):2026年3月期は微減収ながら増益。エネルギー各事業で顧客数増加■要約 東邦ガス<9533>は、愛知県、岐阜県、三重県を地盤に、都市ガスからLPG、電気、周辺事業を展開する総合エネルギープロバイダーである。基本理念は「東邦ガスは、グループ各社とともに、人々との信頼のきずなを大切にし、うるおいと感動のあるくらしの創造と魅力にあふれ、いきいきとした社会の実現に寄与します。」であり、地域社会への貢献を実践している。2022年に100周年を迎えた歴史ある企業であり、時代とともにエネルギーの原料転換(石炭→石油→天然ガス)を経験し、脱皮を繰り返してきた。都市ガス事業においては、東京ガス<9531>、大阪ガス<9532>とともに業界トップ3社の1社であり、ものづくり産業が盛んな東海3県において、業務用の販売量が多いのが同社の特徴である。子会社30社及び関連会社40社、従業員数6,074名を擁し(2026年3月末時点)、都市ガス、LPG、電気のトータルで地域の顧客約312万件(2026年3月末)にエネルギーを提供している。 1. 業績動向 2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比0.8%減の6,510億円、営業利益が同2.9%増の317億円、経常利益が同16.9%増の378億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同23.6%増の314億円となり、売上高は前期並み、各利益は増益となった。セグメント別の売上高は、ガス事業(売上高:前期比0.6%減の4,265億円)は微減、LPG・その他エネルギー事業(同4.8%減の967億円)は減少した一方、電気事業(同3.0%増の988億円)は顧客数が同25千件増、販売量が同2.9%増と順調に拡大した。利益面では、ガス事業のスライドタイムラグ(期ずれ差益)の拡大(前期比約30億円増)や、電気事業のセグメント利益拡大が営業増益をけん引した。 2027年3月期の連結業績予想は、原油価格100ドル/バレル、為替レート160円/ドルの前提で、売上高が前期比2.9%増の6,700億円、営業利益が同40.2%減の190億円、経常利益が同34.0%減の250億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同26.9%減の230億円と、増収減益を見込む。外部環境の変化に伴う原材料費上昇で都市ガス販売価格が上昇し、189億円の増収となる見通し。一方、利益面では、原料市況の変動(前期比125億円の減益要因、主にスライドタイムラグによるもの)等から減益を予想する。なお、政策保有株式の売却による特別利益の計上は引き続き期待できる。中東情勢の緊迫化やホルムズ海峡の通航乱れなどにより原油価格が高騰したが、下半期に向けて段階的に解消に向かう仮定の下で(2026年5月末時点)、この予想はやや保守的と考えられる。 2. 成長戦略・トピック 中東情勢による影響については、同社は中東地域からLNGを調達しておらず(調達先はマレーシア、米国、豪州など)、現時点で安定供給への直接的な支障はない。ただし、市況変動に伴う調達価格の上昇や、地域経済の停滞によるエネルギー販売量への影響には注視が必要である。 中長期的な成長に向けては、現在推進中の中期経営計画(〜2028年3月期)において事業構造の変革を進めている。具体的には、都市ガス及びLPG事業といったコア事業で強固な顧客基盤と安定的なキャッシュ・フローを創出する。そこで得た資金を、電気、海外、地域を基点とした周辺ビジネスなどの戦略事業に積極投資し、グループ全体の利益拡大を図る方針である。 戦略事業である電力事業では、自前の大規模電源開発を進めている。建設中の知多火力発電所7号機(2029年10月運転開始予定)と8号機(2030年1月同)を合わせ、計131.98万kWの発電能力を確保する計画だ。さらに、再生可能エネルギーの出力変動に対応する調整力として、機動力の高いガスエンジン発電設備の建設(出力10.5万kW、愛知県半田市にて2030年度までに運転開始予定)を決定している。同社のLNG調達力や四日市発電所でのガスエンジン発電設備の運営知見を活かし、電力の安定調達を目指す。 3. 株主還元策 現在進行中の中期経営計画(2026年3月期〜2028年3月期)では、利益成長に応じた累進的増配を目指す計画である。また、自己株式取得を進め、2028年3月期末の自己資本4,000億円を目安に最適化を図っている。 2026年3月期は年90.00円(前期比10.00円増配、配当性向26.5%)を実施し、年間300億円の自己株式取得も完了したことで総還元性向は100%を超えた。2027年3月期は、2026年4月1日付で実施した1株につき4株の株式分割を反映し、年間配当22.50円(分割前換算で前期と同額の90.00円、配当性向35.6%)を予想しており、また、自己株式取得についても、2026年4月1日〜2026年9月30日を期間とする上限150億円(2026年3月公表)の自己株式の取得が決議されており、総還元性向が高くなることが想定される。 ■Key Points ・東海3県を地盤に、都市ガス、LPG、電気、周辺事業を展開する総合エネルギープロバイダー。ガス事業とLPG関連事業が中核。大黒柱のガス事業等で培った強固な顧客基盤と、エネルギー知見を活かしたソリューション提案力が強み ・2026年3月期は、原料市況変動等のプラス影響により経常増益 ・2027年3月期は、中東情勢に起因する原料関連の市況変動等により経常利益で前期比34.0%減の250億円を予想 ・2026年3月期は前期比10.00円増の年90.00円配当。自社株買い300億円と合わせ総還元性向100%超 (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫) 《HN》 記事一覧 |