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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/07/07 11:31, 提供元: フィスコ

三栄コーポ Research Memo(1):収益基盤の強化を目指す新中期経営計画を開始

*11:31JST 三栄コーポ Research Memo(1):収益基盤の強化を目指す新中期経営計画を開始
■要約

三栄コーポレーション<8119>は80年の歴史を持ち、高付加価値品を主に取り扱う多機能商社である。生活用品全般を扱い、製造・輸出入・卸・小売までのサプライチェーンを幅広く手掛ける。海外には16拠点、国内には直営も持ち、欧州ブランドの日本導入や、良品計画<7453>に代表される商品OEM供給など、付加価値の高い商品を取り扱う点で個性が明確である。事業セグメント別では家具家庭用品事業(2026年3月期売上構成比52.9%)、服飾雑貨事業(同32.7%)、家電事業(同8.3%)、その他(同6.0%)の4事業がある。

1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高が36,332百万円(前期比8.9%減)、営業利益が1,026百万円(同51.0%減)、経常利益が1,156百万円(同46.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が568百万円(同41.7%減)と、減収減益となった。売上高に関しては、服飾雑貨事業の減収(前期比4,338百万円減、前期比26.7%減)が大きく響いた。旺盛な旅行・外出需要を背景に好調だった前期の需要増からの反動が大きかった。連結子会社である(株)ベネクシーについては、ハンズフリーシューズ「Orthofeet(オーソフィート)」事業の譲渡(2026年4月完了)および会社解散を決定し、2026年中の清算に向けて手続きを進める。主力の家具家庭用品事業では、欧州ブランド向けキッチンツールの受注拡大などにより増収となったが、服飾雑貨事業の減収をカバーするには至らなかった。営業利益は、直営店舗数削減による販管費の減少があったものの、減収による売上総利益の減少が上回り、減益となった。

2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績は、売上高が前期比0.5%増の36,500百万円、営業利益が同2.6%減の1,000百万円、経常利益が同13.5%減の1,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同23.2%増の700百万円と、売上高・営業利益ともに前期並みを見込んでいる。売上面では、服飾雑貨事業で減収が予想されるものの、家具家庭用品事業とその他事業の成長でカバーする見込みである。家具家庭用品事業では、欧州ブランド向けキッチンツールの増収、EC事業の堅調のほか、コントラクト事業開始などが好材料であり増収を見込む。服飾雑貨事業では、ベネクシー譲渡による売上はく落、旅行・外出需要の停滞などにより減収を予想する。利益面では、経常利益で一定の利益水準を確保するものの減益となる。ベネクシーに関しては、2027年3月期も売上総利益の減少の影響が残る見込みである。なお、前期まで発生していた減損損失などの特別損失のリスクは大幅に低減している。弊社では、リアルな小売店舗事業から脱却し、商社らしい新事業(環境商材、海外向け販売、EC事業、コントラクト事業、フルフィルメント事業、防災分野など)の成長が確認できる年になると注目している。

3. 成長戦略
同社は、2029年3月期を最終年度とする3か年の新中期経営計画「SANYEI NEXT 2028」をスタートさせた。前中期経営計画では、目標であった経常利益20億円を2年目に達成したものの、外部環境の影響もあり業績のボラティリティが大きかった。事業整理に関しては、段階的に不採算事業から撤退し、キッチン・テーブルウェア販社の清算(2024年)、中国の家電製造工場の閉鎖(2025年)、ベネクシーの清算(2026年)などを断行し、事業整理のめどは立った。成長ドライバーの育成に関しては、1)EC事業の拡大、2)海外売上高の拡充、3)サステナブルビジネスの推進のいずれにおいても規模的には相対的に小さいながらも、成長性の高いビジネスモデルを生み出すことに成功したといえる。次の3年間は、多機能商社の強みを生かしつつ、生活用品サプライチェーンの全体を俯瞰しつつ、様々な切り口で付加価値を提供し、事業ポートフォリオを恒常的に見直しつつ、外部環境の変化に耐える収益基盤を作ることである。2029年3月期までの主な経営数値目標は、経常利益で20億円、親会社に帰属する当期純利益で累計30億円(1年目7億円、2年目9億円、3年目14億円)、ROE10%以上である。

■Key Points
・2026年3月期は前期の旺盛な旅行・外出需要の収束により減収減益
・2027年3月期は事業清算が完了し、海外販売やEC関連の成長が期待できる
・環境変化に耐える収益基盤の強化を目指す新中期経営計画「SANYEI NEXT 2028」を開始



■会社概要

「くらしに、良いものを。」をコンセプトに、生活用品を世界で製造・販売

1. 会社概要と沿革
同社は、戦後間もない1946年に装飾品の輸出業務を目的に大阪市で創業し、80周年を迎える歴史ある貿易商社である。現在では生活用品全般を扱い、製造・輸出入・卸・小売りまでのサプライチェーンを幅広く手掛けている。海外は16ヶ所の拠点、国内直営店舗も持つ、多機能商社に成長した。欧州の差別化されたブランドの日本への導入や、良品計画に代表されるこだわりある商品のOEM供給など、「健康と環境」をテーマとする付加価値の高い生活用品を取り扱う点で個性が明確である。「くらしに、良いものを。」をコンセプトに国内外でモノづくりに携わり、日本市場のみならず海外市場にも販売展開するグローバルな企業である。2022年より代表取締役社長として指揮をとるのは水越雅己(みずこしまさき)氏である。水越氏は住友商事<8053>出身であり、卸売・小売・eコマース・通販等の豊富な経験と知見を生かし、次の10年を見据えた事業展開を担う。2022年4月の東京証券取引所再編においては、スタンダード市場に移行した。

2. 事業構成
事業セグメントは、「家具家庭用品事業」「服飾雑貨事業」「家電事業」「その他」に分類される。家具家庭用品事業は国内外の大手企業に対してOEM製品を調達する事業がメインで、家具の自社eコマースショップ「MINT(ミント)」もこのセグメントに含まれる。服飾雑貨事業は、バッグなどを中心に「Kipling(キプリング)」、「Cath Kidston(キャス キッドソン)」などのブランド商品の輸入販売、成長分野として注力する環境関連商材を取り扱う「OUR EARTH PROJECT」、国内外向けOEM事業などを行っている。家電事業は、OEM製品調達とブランドビジネスの両方があり、ブランドとしては、調理家電の「Vitantonio(ビタントニオ)」や理美容家電の「mod’s hair(モッズヘア)」が主力である。その他事業は、防災用品の製造販売、ペットショップや動物病院などを展開している。2026年3月期の売上構成比は、家具家庭用品事業が52.9%、服飾雑貨事業が32.7%、家電事業が8.3%、その他事業が6.0%であった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)


《MY》

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