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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/07/03 13:05, 提供元: フィスコ

芙蓉リース Research Memo(5):成長領域がけん引、事業分野別で堅調な展開が進む(2)

*13:05JST 芙蓉リース Research Memo(5):成長領域がけん引、事業分野別で堅調な展開が進む(2)
■決算動向

5. その他トピックス
インオーガニック戦略の一環として、三井住友信託銀行(株)より三井住友トラスト・パナソニックファイナンス(株)(以下、SMTPFC)の発行済株式数の40%を取得することを公表した(2026年10月1日実施予定)。持分法関連会社となる見込みである。本件実施後は、芙蓉総合リース<8424>と三井住友信託銀行、横浜フィナンシャルグループ<7186>の3社が株主として共同事業化を進める構想である。SMTPFCは信託系とメーカー系の強みを融合し、法人向けのリース事業から個人向けの各種ローンまで幅広い金融サービスを展開している。事業シナジーの共創を通じて収益力の強化や収益機会の補足に結び付け、持分法利益を取り込む考えだ。

6. 2026年3月期の総括
2026年3月期を総括すると、海外再エネ関連の損失計上が最大のイシューとなった。特に本質的な原因は何か、今後さらに顕在化するリスクはないのか、といったところが気になるところである。同社では、1) プロジェクトが開発フェーズにあり、リスク顕在化における売却が困難であったこと、2) 資金投下先のプロジェクトは分散していたものの、プロジェクトを主導するアライアンス先については一定程度の集中があったことを構造的な問題として特定した。一方、現在の海外再エネのアセットについては、1) 既に開発フェーズにあるものは限定的であることや、2) 建設中の案件は相対的にリスクの小さい太陽光が中心であること、3) 制度基盤が安定しており、事業環境が見通しやすい欧州での案件が中心であることから、今後さらに顕在化するリスクは限られているとの認識である。いずれにしても、再エネ領域への取り組み方針に変更はなく、今後はリスクマネジメントの精度を高め、いかに信頼ある成長事業へと再構築していけるかが課題と言えるだろう。

もっとも、本来の実力値を判断するためには、海外再エネ関連損失の影響を除いて評価する必要がある。今回の決算では、中期経営計画に沿って良質な資産の積み上げができているか、成長領域と位置付ける新たな収益の軸が育っているか、事業領域の拡大に向けた取り組み(種まき)ができているかといったところに注目していたが、その意味では、積極的な領域拡大により「モビリティ/ロジスティクス」が順調に伸び、とりわけロジスティクスにおいて様々な取り組みが進んでいるところは高く評価できる。また、蓄電池ビジネス(エネルギー環境)やハイパースケーラー向けデータセンター(BPO/ICT)等将来性のある分野についても今後の注目点と言える。インオーガニック戦略(資本業務提携)や専門性の高いパートナー各社(国内外)との協業でも、シナジー創出や事業領域の拡大に向けて成果を残すことができた。一方、国内金利上昇に伴う資金原価増を筆頭に、各種コストの増加が利益成長を鈍化させている印象は否定できない。今後、各種コスト増分(特に金利上昇分)の料金転嫁がいかに進むのか、高付加価値化やノンアセット収益をいかに増やしていくのかが重要なカギを握るであろう。



■業績見通し
2027年3月期は大幅な増益、軌道回帰を見込む
1. 2027年3月期の業績予想
中期経営計画の最終年度となる2027年3月期の連結業績について同社は、営業利益を前期比72.7%増の700億円、経常利益を同96.1%増の750億円、親会社株主に帰属する当期純利益を同122.6%増の480億円と、各段階利益で大幅な増益を見込んでおり、経常利益は中期経営計画を達成する想定である。

大幅な増益となるのは、前期業績の足を引っ張った海外再エネ関連損失がなくなることが主因である。また、引き続き国内金利の上昇による影響が想定されるものの、成長領域を中心に資産を積み上げ、ベース利益の底上げを図る計画である。

2. 弊社の見方
中期経営計画の最終年度となる2027年3月期の業績予想については、不安定な国際情勢や国内金利の上昇など、先行き不透明感が漂う外部環境には引き続き注意が必要であるものの、1) 営業資産の積み上げが十分にできていること、2) 前期業績の足を引っ張った一過性費用がなくなること、3) さらには戦略的な進展(アライアンス先との協業、グループ内シナジーの創出等)に伴う積み上げも期待できることから、同社業績予想は達成可能であると判断している。とはいえ、国内金利の動向次第では、決して簡単な水準でないことも認識すべきである。資金原価増は価格転嫁による対応がポイントとなるが、タイムラグ(時間差)の発生により一時的に利益が圧迫される可能性も考慮に入れる必要があるだろう。とりわけ営業資産が計画を上回るペースで伸びているがゆえに、金利上昇局面でのROA改善は高いハードルと言えるだろう。注目すべきは、中期経営計画の最終年度としてどのような仕上げをしていくのかにある。5年前の計画策定時点と比べて、当然ながら環境変化や事業進捗に差異が発生していることから、今後注力すべき分野や進捗遅れの原因を特定し、この1年間でどう見直していくのか、あるいはキャッチアップしていくのか、次期中期経営計画の方向性を見極めるうえでも重要な判断材料となるだろう。また、引き続き戦略的なアライアンスのほか、M&Aによるインオーガニック成長の取り組みにも注意が必要である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



《HN》

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