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フィスコ投資ニュース配信日時: 2026/07/13 11:43, 提供元: フィスコ SRSHD Research Memo(3):「和食ファミレス」と「グルメ寿司」が収益の両輪(1)*11:43JST SRSHD Research Memo(3):「和食ファミレス」と「グルメ寿司」が収益の両輪(1)■SRSホールディングス<8163>の事業概要 1. 和食ファミレス業態:「和食さと」 a) ブランド構成 和食ファミレス業態は「和食さと」を中核とする同社の原点である。1968年の会社設立以来、和食を手ごろに楽しめるファミリーレストランとして成長を続け、現在では店舗数で国内首位の和食ファミレスチェーンへと発展した。日本のチェーンレストランは洋食から始まり、同社も洋食店を出店していた時期がある。当時は和食について店内調理の比重が重くチェーン化は難しいと言われていたが、創意工夫や人材教育の強化によって標準化を成功させた。看板の食べ放題コース「さとしゃぶ」「さと式焼肉」は世代を問わず親しまれており、グループのナショナルブランド化をけん引する存在となっている。 b) 展開エリアと規模 「和食さと」は2026年3月期に4店舗を出店し、期末時点で201店舗となった。関西地域を強力な地盤としつつ、中部地域、首都圏地域をカバーしているが、近年は岡山県をはじめとする中四国エリアなど新商圏への出店を加速している。2027年3月期には中四国に特化した「和食さと中四国営業部」を新設するなど、全国展開へ向けた布石を打つ。中期経営計画における出店目標は、中四国と北関東へのエリア拡大を中心に据えている。原則として直営方式で郊外を中心に出店している点が特徴である。店舗規模は、2025年6月に出店した倉敷東富井店の例で、100席(4名掛け13卓、6名掛け4卓、6名個室4室)、駐車場33台を備える。 c) ターゲット・メニュー・客単価 ファミリー層を中心に、子どもから高齢者まで幅広い世代の日常使いに応える業態である。多様なニーズで楽しめるメニュー構成を強みとし、「安くて」「おいしくて」「楽しく満足できる」食事と団らんの空間を手ごろな価格帯で提供することをコンセプトとしている。丼物(にぎわい天丼・厚切りロースかつ丼など)、和膳系・とんかつ系・うどん系の定食、「さとしゃぶ」をはじめとした食べ放題など、様々なシーンで楽しめる。価格改定を含むメニュー施策を通じて客単価は上昇傾向にあり、直近では既存店の客単価が前期比でおおむね103〜108%程度の水準で推移している。客単価の上昇が増収をけん引する一方、来店動機の創出による客数確保も重視しており、進行期は客数増加を目的とした取り組みを実施する予定である。 d) 業態の特徴・強み 最大の強みは、店舗数で国内首位というブランド力と、食べ放題を軸とした高い集客力である。食べ放題は売上構成の約3割を占めるが、単品やセットも選べる点も特徴である。一番人気の「さとしゃぶ」をはじめ、「かに食べ放題」「ごちそう牛タン食べ放題」「牡蠣食べ放題」といった高付加価値の期間限定コースを機動的に投入することで、客単価の向上と来店動機の創出を両立している。商品・サービス・空間・マーケティングのそれぞれで「和食さと」ならではの「団らん」体験を追求し、顧客体験の向上を図っている点も特徴である。店舗では、すでに配膳ロボットが稼働しており、テーブル端末等を含めてDXによる利便性向上とコミュニケーション強化が進んでいる。 e) 業績ハイライト 「和食さと」の売上高は2026年3月期で29,138百万円(前期比4.4%増)と増収を達成した。既存店売上高はおおむね前期比100%を上回る水準で推移しており、客単価の上昇が増収をけん引した。一方で客数は前期比でやや弱含む月もあり、進行期は客数増加を目的とした施策の実施を予定している。 2. グルメ寿司業態:「にぎり長次郎」「うまい鮨勘」「回転すし北海道・すし弁慶」ほか a) ブランド構成 「グルメ寿司」業態は、活魚廻転寿司「にぎり長次郎」、宮城県を中心に展開する「うまい鮨勘」、山陰地方の「回転すし北海道」「すし弁慶」などから構成される。寿司職人が握る本格寿司、いけすに代表される専門性の高い店舗設備、まぐろ解体ショーなどのイベントを共通の強みとしており、同社では一般的な回転寿司と区別して「グルメ寿司チェーン」と位置づけている。特に「にぎり長次郎」と「うまい鮨勘」の二大ブランドを軸に、両者の仕入力やノウハウを共有することでシナジー創出を進め、グルメ寿司チェーンとしての首位の実現を目指している。 b) 展開エリアと規模 2026年3月末時点のグルメ寿司チェーンの店舗数は計109店舗である。内訳は、「にぎり長次郎」が73店舗(関西を中心に展開)、「うまい鮨勘」が26店舗(東北を中心に展開)、「回転すし北海道」「すし弁慶」が6店舗(山陰)となっている。「にぎり長次郎」は関西地域を地盤に東西へ、「うまい鮨勘」は東北地域を地盤に南へとエリア拡大を図る。M&Aも積極的に活用しており、2024年7月にアミノ(「うまい鮨勘」を運営)、2025年9月にすし弁慶(「回転すし北海道」「すし弁慶」を運営)の株式を取得し連結子会社化している。中期経営計画では、出店加速と東西からのエリア拡大により、2030年3月期にグルメ寿司チェーン計150店舗の達成を計画している。 c) ターゲット・メニュー・客単価 主に大人を中心とした家族層がターゲットで、一般的な回転寿司に比べて年齢層は高めである。「グルメ寿司」はレシート単価で5,000円〜6,000円台と中〜高価格帯であり、一般的な回転寿司(レシート単価3,000円台)と区別される。旬を感じる厳選食材や、市場で直接競り落とした上質なネタを職人が握って提供する点が特徴で、「長次郎と巡る・冬/春のひとさら」などの季節フェア・季節商品を機動的に投入する。設備やイベントも充実しており、顧客の体験価値が高い。客単価は上昇傾向にあり、「にぎり長次郎」の既存店客単価は前期比でおおむね103〜110%程度の水準で推移した。 d) 業態の特徴・強み 同社は「寿司職人の厚みと育成」「いけすなどの店舗設備」「活魚や旬のネタの開発・調達」といった、グルメ寿司チェーンの成功に欠かせない経営資源とノウハウを保有しており、グルメ寿司市場(同社推計で約1,500億円)において約16%のシェアで首位を争っている。各地域で強いブランド力を持つチェーンを組み合わせ、地域内ドミナントの強化と標準化を同時に進めている点が強みである。商品力の面では、「にぎり長次郎」の新型店舗「和歌山平井店」(2026年3月オープン)で、既存店比約2倍の大型いけすと、その場で板前がさばく「活け商品」を大幅に拡大し、「にぎり長次郎」初となる上下2段の特急レーンを導入するなど、生産性向上と顧客体験向上を両立する新プロトタイプの確立を進めており、進行期は出店加速が期待できる。さらに、「にぎり長次郎」と「うまい鮨勘」の間で仕入力やノウハウ、店舗オペレーション、商品開発、人材交流を共有することで、原価低減・職人の養成・建築コストの低減・生産性向上といったシナジー創出を図っている。 e) 業績ハイライト 2026年3月期の売上高は、「にぎり長次郎」が14,841百万円(前期比5.8%増)、「うまい鮨勘」(アミノ寿司業態)が6,793百万円となった。「にぎり長次郎」の既存店売上高はおおむね前期比100%を上回る水準で推移し、客単価の上昇が増収をけん引した。前期にM&Aで子会社化したアミノ事業(うまい鮨勘)が通期で寄与したことに加え、2025年9月に子会社化したすし弁慶の連結開始もあり、グルメ寿司業態全体として前期実績を大幅に上回った。「回転すし北海道」「すし弁慶」はグループ入り後に売上・利益とも順調に改善しており、ポストM&Aは順調に進捗している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫) 《HN》 記事一覧 |