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フィスコ投資ニュース配信日時: 2026/09/10 11:09, 提供元: フィスコ Jトラスト Research Memo(9):日本金融事業では、クロスセルで富裕層ビジネスを拡大*11:09JST Jトラスト Research Memo(9):日本金融事業では、クロスセルで富裕層ビジネスを拡大■成長戦略 2. Jトラスト<8508>の事業セグメント別の成長戦略 (1) 日本金融事業 信用保証事業、証券事業、不動産事業及び提携先金融機関とのクロスセルにより富裕層向けビジネスを拡大することで、継続的な増益を目指す。 日本保証の債務保証残高は順調に積み上がっている。特に、日本保証、Jトラストグローバル証券、提携銀行の協業による富裕層向けローンが好調で、保証残高の積み上げをけん引する主要因となっている。2025年12月期における日本保証が取り扱う富裕層向け3商品(中古アパートローン保証、海外不動産担保ローン保証、有価証券担保ローン保証)の顧客属性を見ると、平均年収は5,235万円で、うち2,000万円以上が77.5%を占める。同様に平均金融資産は1億5,646万円で、うち2,000万円以上が73.6%を占めている。このように、富裕層のニーズに応えるローン保証商品を展開している。日本保証では、2026年7月より山梨中央銀行<8360>との保証業務の取り扱いを開始し、提携先金融機関は13社に増加した。これら提携先金融機関との保証提携を通じて、富裕層向けローンの保証残高のさらなる積み上げを図る。 Jトラストグローバル証券では、富裕層をターゲットに顧客開拓を進めており、預り資産残高は2025年12月末には5,000億円弱に達した。預り資産残高別の構成比を見ると、預り資産10億円以上が28%、5億円以上10億円未満が9%、1億円以上5億円未満が23%で、預り資産1億円以上の顧客が全体の60%を占めている。富裕層の顧客開拓を進めることで、日本保証の保証残高の増加に加え、不動産投資を提案する機会の拡大につながりそうだ。Jトラストグローバル証券では、2026年6月より富裕層向けFXサービスの「WEALTH FX」を開始した。国内で初めて、債券を担保にして“ダブルインカム(金利)を実現する”新発想のFXサービスである。すなわち、(1) 国内外債券を代用有価証券として担保に活用可能、(2) 債券金利も受け取りながら、ドル円FXスワップ金利も同時に享受、(3) レバレッジは最大5倍であり、従来の短期トレーディング型のFXではない中長期アセットマネジメント型のFX、などの特徴を持つ新サービスである。「WEALTH FX」開始直後の2026年7月末の口座数は146口座、預り証拠金残高は32億35百万円だ。1口座当たり証拠金は2,215万円と業界大手平均の約100倍の高水準で、富裕層を中心に利用が拡大しており、今後の収益貢献が期待される。 不動産事業を担うJグランドでも、顧客属性を見ると高い比率で富裕層を確保していることがわかる。2025年12月期には、新築マンション「J-ARC」購入者のうち、年収3,000万円以上が86%を占めている。また、中古レジデンス「Vintage Residence」購入者のうち、年収3,000万円以上が65%を占めている。Jグランドが注力している富裕層向け投資用高級一棟マンションの販売事業は、日本保証における保証残高の積み上げに寄与するほか、証券投資を提案する機会の創出にもつながりそうだ。 (2) 韓国金融事業 「再構築事業」と位置付けた韓国金融事業では、利益拡大や引当金の戻し入れなどによる回復によって、安定的な再成長を目指す。韓国での貯蓄銀行2行(JT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行)は、主に個人や中小企業向け融資を中心として貸出業務を行う金融機関であり、貯蓄銀行79行のうち、同社グループの貯蓄銀行2行合計の総資産額は業界6位(2026年3月時点)である。貸出残高は底を打った状態であり、今後は厳格な貸出審査を維持しながら、黒字計上に伴う資本の拡大とともに貸出残高を増やす方針だ。両行とも預貸スプレッドは7%台を維持しているものの、2026年6月には調達金利の上昇により小幅に縮小している。不良債権比率は、JT親愛貯蓄銀行が引当金控除後で低水準を維持しており、JT貯蓄銀行はやや高いものの不動産等の担保で保全済である。2026年12月期以降は貸出残高の増加に伴う収益増と貸倒関連費用の減少により、利益が増加する見込みである。 ただ、韓国金融事業は預金による資金調達及び貸出を行う貯蓄銀行の性質上、資金調達環境、金利動向、信用コスト及び金融規制の影響を受けて、業績が大きく変動する傾向が強いこともあり、今後はスピンオフの対象として検討を進める。 (3) 東南アジア金融事業 Jトラスト銀行インドネシアは、現状苦戦している。米国の関税政策の影響もありインドネシアの景気は後退しており、また景気後退に伴う金融当局の規制強化によって、競合他行による優良顧客の囲い込みの影響を受けている。足元の調達金利は低下傾向にあるものの、顧客離れを防ぐために低利で貸し出しており、平均貸出金利は低下している。2026年12月期には、貸倒引当金を積み増すことで営業損失を計画している。ただ、Jトラスト銀行インドネシアは日本及び韓国からインドネシアに進出している大企業向け金融で存在感を増しているため、今後は提携や合併なども検討しながら成長を模索する。また、カンボジアのJトラストロイヤル銀行は、景気が後退しているためやや苦戦している。2026年12月期は小幅減益を予想しているが、今後も安定的な利益を計上する見通しだ。 ただ、Jトラスト銀行インドネシアにおける利息収入の伸び悩みと貸倒コストの下げ止まりにより、連結業績に安定的に貢献しているとは言い難い状況が続いていることから、東南アジア金融事業についてはスピンオフの対象として検討を開始している。 これまで同社グループでは3ヶ年計画「J TRUST VISION」(2025年12月期〜2027年12月期)を推進してきたが、「成長期待事業」と位置付けて推進してきた東南アジア金融事業において、成長の前提としていた経済・金融情勢がインドネシアを中心に大きく変わったため、2026年12月期より計画を中断した。中断した3ヶ年計画は正式な中期経営計画ではなく、達成可能と考えられる保守的な業績予想であったが、事業別に営業利益計画も開示していた。こうした中期的な収益目標を示すことは、将来の業績見通しを踏まえて投資判断を行う投資家にとって非常に重要であると弊社では考えている。今後は日本金融事業の富裕層ビジネスを成長戦略の中核に据え、その他の事業の整理を進めると見られるため、事業再編の一段落後に新たな3ヶ年計画の発表が待たれる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希) 《HN》 記事一覧 |