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フィスコ投資ニュース配信日時: 2026/09/10 12:01, 提供元: フィスコ さくらKCS Research Memo(1):2029年3月期PBR1.0倍以上、2032年3月期ROE8.0%が目標*12:01JST さくらKCS Research Memo(1):2029年3月期PBR1.0倍以上、2032年3月期ROE8.0%が目標■要約 さくらケーシーエス<4761>は、三井住友フィナンシャルグループ<8316>(以下、SMBCグループ)の総合情報サービス会社である。1969年に神戸で計算センターとして設立され、システム構築やデータセンターサービスへ事業領域を拡大してきた。神戸と東京に本社を置き、金融・公共・民間企業向けにシステム開発・運用、セキュリティ対策、BPOなどを提供している。SMBCグループの一員としての安定した経営基盤と、富士通<6702>のコアパートナーとしての高度な技術力を併せ持つ。創業以来、金融・公共・産業の各分野で培った業務知識、システム開発・運用力を強みとしている。 1. 2026年3月期業績と前中期経営計画の評価 「中期経営計画2023-2025」(2024年3月期〜2026年3月期、以下、前中期経営計画)の最終年度である2026年3月期業績は、売上高23,790百万円(前期比5.6%増)、営業利益1,404百万円(同1.9%増)、経常利益1,605百万円(同7.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,224百万円(同6.9%増)となった。金融・公共・産業の各部門で収益性改善が進んだことにより、経常利益は2期連続、親会社株主に帰属する当期純利益は3期連続で上場来最高益を更新した。前中期経営計画では売上高目標こそ未達となったものの、営業利益やROEは計画を上回り、株主還元も当初の目安を超える水準となったため、収益力と資本効率の面では一定程度の成果を上げたと評価できる。一方、ROEは中長期目標の8.0%に届かず、PBRも1.0倍を下回ることから、資本効率改善と企業価値向上が引き続き課題となっている。 2. 新中期経営計画における成長投資と企業価値向上策 前中期経営計画の評価を踏まえ、「中期経営計画2026-2028」(2027年3月期〜2029年3月期、以下、新中期経営計画)では、AI利活用を前提とした事業ポートフォリオの変革と人的資本経営の進化を進める。企業価値向上を重要経営課題と位置付け、ROE(2032年3月期に8.0%以上)とPBR(2029年3月期に1.0倍以上)の達成を重要目標として掲げた。また、同社は2024年4月の加藤貴紀(かとうたかのり)社長就任以降、経営改革を加速させている。CTO(最高技術責任者)、CAXO(最高AI変革責任者)、CISO(最高情報セキュリティ責任者)を新設し、技術戦略・AI変革・情報セキュリティを横断的に統括する体制を整備したほか、IR活動や株主還元方針も投資家視点を重視する方向へ転換し、資本効率や株価を意識した経営姿勢を鮮明にしている。こうした経営改革の下、新中期経営計画では3ヶ年で100億円の成長・基盤投資を実施する。SMBCグループ向け「開発内製化支援ビジネス」に加え、「ソリューションビジネス」「セキュリティ・デジタル基盤ビジネス」を重点領域とし、事業ポートフォリオの変革を進める。同計画は、「2035年にめざす姿」※の実現に向けた第一のフェーズとして位置付けられ、2029年3月期には、売上高280.0億円、営業利益19.0億円、営業利益率6.8%、ROE6.4%、DOE3.5〜4.0%を目指す。 ※ 社会や顧客ビジネスの発展に貢献する高付加価値ソリューションの提供を通じた高い収益力の獲得と企業価値の向上により、ステークホルダーからの揺るぎない信頼を獲得すること。2035年度(2036年3月期)目標は売上高300.0億円、営業利益32.0億円、営業利益率10.7%。 3. 2027年3月期業績見通しと第1四半期の進捗 新中期経営計画初年度である2027年3月期は、売上高25,700百万円(前期比8.0%増)、営業利益1,420百万円(同1.1%増)を見込む。増収ながら微増益にとどまるのは、金融・公共・産業の各部門は堅調に推移するものの、人材・研究開発などの先行投資が利益の伸びを抑える見通しであるためだ。 2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)は、売上高5,175百万円(前年同期比4.3%増)、営業損失4百万円(前年同期は64百万円の営業利益)となった。営業損失の主因は計画的な人材投資や研究開発投資などの先行投資によるものであり、売上高・利益はおおむね計画どおりに進捗していると考えられる。 4. DOE導入による株主還元の強化 同社は株主還元を重要な経営課題と位置付け、高水準かつ安定的な配当を基本方針としている。2026年3月期は、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益が上場来最高益を更新したことを踏まえ、連結配当性向を50%水準まで引き上げ、1株当たり年間配当55.0円(配当性向50.3%)を実施し、5期連続の増配となった。新中期経営計画では、従来の配当性向から、DOE(株主資本配当率)を重視する方針へ転換し、新中期経営計画期間中はDOE3.5〜4.0%を目標としている。2027年3月期は年間62.0円配当(配当性向56.5%)を予定しており、6期連続増配を見込んでいる。 ■Key Points ・2026年3月期は、システム構築の伸長と採算改善により増収増益を達成 ・新中期経営計画では100億円規模の投資により企業価値向上とPBR改善へ ・2027年3月期は増収を見込む一方、先行投資の拡大により小幅増益を見込む ・DOEを新たな指標として導入し、株主還元の強化を進める (執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正) 《HN》 記事一覧 |