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フィスコ投資ニュース配信日時: 2026/10/01 11:04, 提供元: フィスコ ビューテHD Research Memo(4):小規模葬比率の高まりや原価高騰・人件費増が収益性の課題に(1)*11:04JST ビューテHD Research Memo(4):小規模葬比率の高まりや原価高騰・人件費増が収益性の課題に(1)■ ビューティカダンホールディングス<3041>の業績動向 1. 過去の業績推移 これまでの業績を振り返ると、コロナ禍となった2020年6月期からの3期はそれぞれ5,344百万円、5,348百万円、5,857百万円と売上高は低調に推移した。2023年6月期以降はそれぞれ6,413百万円、6,982百万円、7,602百万円と、コロナ禍収束とともに増収基調をたどった。ただ、足元では葬儀の小規模化の定着や葬儀形式の多様化に伴い、平均単価を確保しながら件数を伸ばすことが難しい状況となっており、2026年6月期は7,302百万円となった。 一方、利益面でも、コロナ禍の影響を受けた2020年6月期から2期連続でそれぞれ158百万円、27百万円の営業損失を計上したものの、2022年6月期からは103百万円、124百万円、84百万円と3期連続で営業黒字を確保した。売上総利益率・営業利益率は、売上総利益率が14.1%、営業利益率がマイナス3.0%と底となった2020年6月期から、2022年6月期には15.4%、1.8%へと一旦回復に向かった。しかし、物価高騰や円安の影響、人件費増が売上総利益率や営業利益率の低迷を招き、2023年6月期は14.7%、1.9%、2024年6月期は14.2%、1.2%と低調に推移すると、その後もさらなる原価増や人件費増が利益を圧迫し、2025年6月期は売上総利益率12.8%・営業利益率マイナス0.1%、2026年6月期は売上総利益率9.7%・営業利益率マイナス2.3%と2期連続で営業損失を計上した。 財務面では、自己資本比率は2020年6月期の14.6%、2021年6月期の16.5%を除き、20%台で推移してきた。2026年6月期に17.3%へ低下したのは最終損失の計上によるものである。一方、資本効率を示すROEは利益率の変動に伴って不安定な動きをしており、2021年6月期からの3期は24.0%、19.4%、17.2%と2ケタ水準を確保したものの、2024年6月期は仕入原価の高騰や人件費増に伴う利益の下振れにより5.2%と大きく低下した。2025年6月期に7.4%へ改善したのは子会社株式の譲渡益(特別利益)の計上によるものである。2026年6月期は最終損失の計上によりマイナスとなった。 2. 2026年6月期の決算概要 2026年6月期の業績は、売上高が前期比3.9%減の7,302百万円、営業損失が166百万円(前期は5百万円の損失)、経常損失が181百万円(同4百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が174百万円(同42百万円の利益)と、様々な外部要因が重なったことで減収減益となり、各段階利益で損失を計上した。 売上高は、すべての事業が減収となった。「生花祭壇事業」については、小規模葬比率が高まるなかで、平均単価を確保したものの、施行件数の減少が業績の下押し要因となった。「生花卸売事業」についても主要産地からの出荷減少等により取扱数量が不安定に推移したことや販売単価の軟調な動きにより減収となった。なお、「ブライダル装花事業」は、上期に施行件数が前年を下回ったものの、1件当たり売上の上昇と第3四半期以降の受注回復により、通期の売上予算は達成した。また、ブライダル部門の施行件数は通期では前年を上回った。「その他事業」では、子会社(SHF)の連結除外※による影響(361百万円の減収)がマイナス要因となった。 ※システム開発事業を担ってきたSHFの譲渡(2025年6月実施)に伴うもの。事業の選択と集中により成長が見込まれる分野に リソースを集中することが目的である。 また、利益面では、各事業が減収となったことに加え、複合的なコスト要因による原価率の悪化により営業損失幅が拡大した。とりわけ比重の大きな「生花祭壇事業」の原価増(花材原価・人件費の上昇、輸送費の高騰、円安の影響等)が利益を圧迫した。 財政面では、現預金の減少等で総資産が前期比16.7%減の2,412百万円に縮小した。一方、自己資本も利益剰余金の取り崩しにより同31.7%減の417百万円に縮小し、その結果、自己資本比率は17.3%(前期末は21.1%)に低下した。 (1)生花祭壇事業 売上高は前期比1.5%減の4,015百万円、セグメント利益は同54.9%減の98百万円と減収及び大幅減益となった。葬儀費用全体に持ち直しが見られるなか、供花等売上が同3.8%増の1,788百万円に伸びたものの、生花祭壇売上が同5.1%減の1,304百万円に縮小した。生花祭壇売上の縮小は、小規模葬比率が高まるなかで、平均単価※1はほぼ横ばいを確保した一方、施行件数※2が大幅に減少したことが理由である。利益面では、減収による収益の押し下げに加え、想定を超える原価増(花材原価・人件費の上昇、輸送費の高騰、円安の影響等)により大きく落ち込んだ。セグメント利益率も2.4%(前期は5.4%)に低下した。 ※1 生花祭壇の平均単価は前期比0.2%増の54,805円とほぼ横ばいを確保した。特に関東では同2.9%増の59,127円へと上昇し、高付加価値商品の提案効果が表れている。 ※2 生花祭壇の施行件数は前期比7.0%減の23,803件(前期は25,582件)となった。祭壇を設けない直葬(火葬式)など小規模葬比率の上昇が施行件数の減少につながっていると考えられる。なお、平均単価及び施行件数は、持株会社体制移行前の旧単体ベースで比較したものであり、花時は含まない。 (2)生花卸売事業 売上高は前期比1.5%減の2,516百万円、セグメント損失は0.2百万円(前期は58百万円の利益)と減収減益となった。主要産地からの出荷減少により上期での取扱数量が低調に推移したほか、数量回復後は販売単価が低下し減収となった。利益面でも、上期の仕入価格の高止まりと廃棄増加、その後の販売単価の低下により収支均衡まで落ち込んだ。 (3)ブライダル装花事業 売上高は前期比5.4%減の317百万円、セグメント利益は6百万円(前期は21百万円の損失)と減収ながら黒字転換した。上期において施行件数が減少したものの、1件当たりの売上増でカバーしたほか、第3四半期以降の受注回復により、通期の売上予算を達成することができた。利益面でも、原価や人件費が高止まりするなかで、原価管理の徹底と業務効率化の継続が損益改善に寄与した。一方、リテール部門はECや造園等の売上減により前年を下回った。 (4)その他事業 売上高は前期比28.7%減の452百万円、セグメント損失は53百万円(前期は29百万円の損失)と減収及び損失幅が拡大した。SHFの連結除外とセレモニーサービスの落ち込みが、その他事業全体での減収を招く要因となった。一方、キャリアライフサポートの伸びやTHE MOMENT(レストラン事業)による通年寄与、南産業の連結化についてはプラスに働いた。また、利益面では、SHFの譲渡により同事業に関わる赤字が解消されたものの、農業部門(アグリフラワー)における連作障害の影響が続いたことで損失幅が拡大した。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫) 《HN》 記事一覧 |